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第3章 2022年まつり大遭遇♪「信濃の国」の文化と経済(note3)

第1章 県歌「信濃の国」秘話
第2章 文化圏と美術館
第3章 2022年の大遭遇~伝統の祭り★
第4章 個性的な企業群
第5章 地場産業
第6章 食と農
第7章 人国記~「信濃の国」では
第8章 教育県とは
第9章 長野県人会の活動
最終章 あとがきにかえて~名古屋と長野県との一体感

■御開帳と御柱とお練り
 長野県を代表する祭事は、7年に1度の善光寺御開帳と諏訪の御柱です。感染症の影響で、善光寺御開帳が2022年に延期されたことで、二つの祭事が同じ年に遭遇することになりました。さらに飯田市の7年に1度の大名行列「飯田お練りまつり」も重なります。飯田市の元善光寺でも同じく御開帳が営まれます。500年以上の歴史を持つ穂高神社(安曇野市)の20年に一度の式年遷宮の合間に営まれる小遷宮もあります。
 県歌「信濃の国」には祭りは歌い込まれていませんが、善光寺や諏訪など地名はでてきます。
 四つの遭遇のうち、あまり知られていない「飯田お練りまつり」を紹介します。知人が保存会のメンバーで、前回は写真撮影と激励のため現地を訪れています。飯田市街地の本町通りの人たちが代々、大名行列の衣装や道具、技術を承継してきました。
 大宮諏訪神社の式年大祭で、約350年の歴史を持っています。古式ゆかしい行列に続いて、大名行列や全長25mの屋台獅子「東野の大獅子」(写真)のような大きな獅子舞が市内を練り歩きます。大名行列の途中、草履を高々と投げ上げて受け取る技も見せてくれます。沿道は大きな拍手で包まれていました。

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 最近は、高齢化や少子化で担い手が課題となり、一般の方の応援もいただいています。すでに準備委員会を開催し、2022年3月25日(金)から27日(日)の開催に向けた準備に入っています。
 
■恒例の祭りにも信州らしさ
 四つの祭り以外にも毎年続いている祭りも見所満載です。
 映画にもなった「大鹿歌舞伎」は、リニア中央新幹線の南アルプストンネルの長野県工区になっている大鹿村で、春と秋に公演があります。4月には「上田真田まつり」(上田市)、8月は「セイジ・オザワ松本フェスティバル」(松本市)や「新野の盆踊り」「和合の念仏踊り」(いずれも阿南町、国指定重要無形民俗文化財)、3年ごとの「北アルプス国際芸術祭2020‐2021」(大町市)があります。
 また、国内最大の人形劇の祭典「いいだ人形劇フェスタ」(飯田市)はコロナ前には世界各地から人形劇団がやってきました。2018年8月には名古屋で開かれたイタリアフェスティバルで名刺交換したイタリアの人形遣いのアーティストと偶然、人形劇フェスティバルで会い、人形劇を観に行きました。
 1988年には国際人形劇連盟(UNIMA・ウニマ)の世界大会も名古屋・飯田・東京の3カ所開かれました。国際色豊かなイベントに育っています。
 秋には「穂高神社御船祭」(安曇野市)、「信州さらしな・おばすて観月祭」(千曲市)、「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」(茅野市)、「一茶忌全国俳句大会」(信濃町)。冬には湯立神楽の古い形式を伝える「遠山郷霜月祭」(飯田市)、「霜月神楽」(天龍村)があり、いずれも国指定重要無形民俗文化財です。
(2021年7月12日)
 このリポートは、長野県の文化や経済について人からたずねられたときに、関心を持ってもらえるようにと、個人的にまとめたものです。タイトルにある「信濃の国」は、1900年に発表された県民の唱歌で、のちに県歌に制定されました。多くの長野県民によって今も歌い継がれています。この歌詞を話の軸にして、信州の文化と経済を考えてみようと思います。少しでもご参考になれば幸いです。

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