第6章 食と農~国産ごま♪「信濃の国」の文化と経済(note6)
~目次~
第1章 県歌「信濃の国」秘話
第2章 文化圏と美術館
第3章 2022年の大遭遇~伝統の祭り
第4章 個性的な企業群
第5章 地場産業
第6章 食と農★
第7章 人国記~「信濃の国」では
第8章 教育県とは
第9章 長野県人会の活動
最終章 あとがきにかえて~名古屋と長野県との一体感
■カゴメ野菜生活ファーム
カゴメは、2019年4月に長野県富士見町に体験型の「野菜のテーマパーク」をオープンしました。八ヶ岳の雄大な自然を背景に、野菜と豊かにふれあいながら、農業と食を体験できる施設です。(カゴメ提供)
ここには、「カゴメ野菜生活100」の主力工場のひとつが稼働しています。さらに富士見町の農業活性化のため、農業法人「株式会社八ヶ岳みらい菜園」を富士見町と共同出資で設立しています。
トマトの会社から野菜の会社へ、力をいれているカゴメの最前線を知る格好の場だと思っていました。新聞記者の現役最後の出張先として、オープン取材を企画していましたが、掲載紙面が愛知、岐阜、三重の東海3県に限定されていたため、断念したことがありました。
その後も、長野県でも感染症が広がりはじめ、他県からの人の流れに配慮しないといけなくなって、まだ見学していません。ぜひ訪れたいと思っています。
広報の担当者から送っていただいた別の写真は、親子で楽しめそうな、ひまわり畑の中の迷路でした。学んで、作って、食べて、歩いて・・・観光をかねて食と農を体験できるテーマパークがあるのも、信州の強みになっています。
■名物
信州そば、おやき、野沢菜、五平餅、市田柿などが知られています。名古屋長野県人会が参加する「ふるさと全国県人会まつり」(例年は久屋大通公園で開催)では、役員が中心となって焼きたての五平餅などを販売して好評でした。
■農産物
長野県は農業県です。収穫量が全国でもトップクラスの野菜・果物・花きの生産が多い県です。「長野県民手帳2021」には、レタス、水わさび、林業、カーネーションが1位、ハクサイ、リンゴ、ブドウが2位となっています。加工品では寒天、味噌が全国トップの出荷額です。
このほか、長野県産業労働部のホームページ「しあわせ信州」の「データで知る信州」をみると、セルリー(シェア43・7%)、エリンギ(39・8%)、えのきたけ(60・5%)、ぶなしめじ(42・6%)、マツタケ(48・3%)が1位でした。
果物は、ネクタリン(71・2%)、クルミ(61・3%)、プルーン(62・2%)が1位。花きは、アルストロメリア(36・3%)、トルコギキョウ(13・6%)、シャクヤク(60・5%)、ラナンキュラス(43・3%)、シクラメン(14・0%)、カーネーション(21・1%)が1位でした。※統計年度は作物ごとに異なります。
■国産ごまの産地・駒ヶ根
個人的にお薦めするのは、駒ヶ根市の「信州ごま」です。表紙写真は駒ヶ根市農林課から提供いただいたごまの花です。日本のゴマは99%以上を輸入に頼っていますが、駒ヶ根市は国産ごまの街にしようと、農薬を使わず、地元農家35軒が生産しています。
以前、中央アルプス駒ヶ岳に向かう途中、早太郎温泉郷の売店で見つけ、買ったことがあります。私はJAグループ愛知広報アドバイザーとして、国産の農作物の応援をしていますが、国産ごまの推奨と「駒ヶ根のごま」をもっと発信したいと思っています。
(2021年7月15日)
このリポートは、長野県の文化や経済について人からたずねられたときに、関心を持ってもらえるようにと、個人的にまとめたものです。タイトルにある「信濃の国」は、1900年に発表された県民の唱歌で、のちに県歌に制定されました。多くの長野県民によって今も歌い継がれています。この歌詞を話の軸にして、信州の文化と経済を考えてみようと思います。少しでもご参考になれば幸いです。
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