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新ブランド豚「ぶたミン」~三元豚改良など愛知の取り組み

 わが家の食卓に並ぶ豚肉料理。国産を基本に、おいしい三元豚を買うことが多いです。
 三元豚とは、3種類の豚を交配して生産している豚のこと。愛知県は養豚の飼養頭数30万5000頭で、全国11位(2021年統計)です。
 愛知県産豚肉をいつでも供給できるようにと、3品種の豚を県独自に改良しています。肉豚生産に用いられる3品種の豚を独自に改良しているのは、愛知県だけです。
 ■3品種

写真は、愛知県の資料から

 アイリスL3は、子育て能力が高い品種 アイリスW3は、子どもの数が多い大ヨークシャー種 アイリスナガラは、発育が良く、肉質の優れたデュロック種で、岐阜県との共同開発
 ■愛知県の取り組み

愛とんのマークは、3品種を交配した三元豚の改良を示す

 愛知県は、改良した3品種の豚を用いた三元豚の肉や豚肉製品を「愛とん」と総称し、シンボルマークも商標登録しています。三河地区や渥美半島では、みかわポーク、あつみポークといったブランド名で販売していいます。
 ■ぶたミンとは
 こうした取り組みのなかで、JAあいち経済連は2023年10月1日から「ぶたミン」の名称で新ブラン豚の販売を始めました。JAの説明によると、直営精肉店や量販店で買い物客にアンケートをした結果、食を通じた健康への関心が高まっていることがわかったといいます。
 そこで、抗酸化作用、コレステロールの低下に効果のある栄養素セサミンや、豚肉に含まれるビタミンに着目して、ごま油粕や脱脂米ぬかなどをブレンドした専用飼料を豚に給餌。通常よりも多くの栄養成分を含んだ豚肉が誕生しました。
 「ぶたミン」のブランド名は、健康とセサミン、ビタミンを消費者に伝える狙いがあります。JAの資料では、ビタミンB1は普通の豚肉と比べて1.4倍、ビタミンEは2.4倍となっています。
 ■国産豚肉最新相場
 国産豚肉の相場は、今年6月時点で過去最高水準で推移しています。5月に岩手県、栃木県で豚熱が発生したことで豚肉生産量が減少。6月時点の全国のと畜頭数は前年同月比10%減少していました。
 さらに今年は飼料高が重なります。餌の濃厚飼料(トウモロコシなど)は約8割を輸入に頼っています。トウモロコシの国際価格がウクライナ情勢で上昇し、その後下落に転じたものの円安で高水準が続いています。
 牛農家4割が牧草などの飼料ですが、豚は濃厚飼料が中心で6~7割を占めているだけに、経営コストに直接、跳ね返っています。
 ■ぶたミン、販売店舗拡大へ

新ブランド「ぶたミン」のマーク

 7月のJAグループ愛知記者会で、ぶたミンを試食しました。そのまま食べてみると、臭みがなく、やわらかい食感でした。塩を少しつけて食べても美味でした。
 残念なのは、なかなか名古屋市内の販売店で見かけないことです。
 ぶたミンの生産者は現在6軒。販売店はJAあいち豊田の産直施設など9店舗だけ。取り扱う飲食店も道の駅「瀬戸しなの」など4店舗で、JAは生産者と販売店の拡大に取り組んでいます。国消国産、地産地消の応援団としては、販路拡大が望まれます。
(2024年8月12日)

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