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愛知のブランド和牛「みかわ牛」~せり取引でオレイン酸含有量55%以上の枝肉認定へ

 愛知のブランド和牛「みかわ牛」。JAあいち経済連や生産者、愛知県、食肉関連団体で構成する「みかわ牛銘柄推進協議会」は8月27日、せり取引の際、脂肪に占めるオレイン酸の含有量が55%以上を満たす枝肉の公表を始めると発表しました。
 せりに出される全みかわ牛の枝肉を光学式脂肪測定検査器で測定し、脂肪に含まれるオレイン酸の比率が55%以上の枝肉に認証スタンプを押します。
 実施は9月2日以降。対象は、名古屋市中央卸売市場南部市場と株式会社東三河食肉流通センターでせりにかけられる枝肉です。
 ブランドの付加価値を高めることが期待されます。
■みかわ牛とは
 これまでも「みかわ牛~ライバルは意外にも大豆ミート」(2024年6月3日)や「みかわ牛の気魄一閃~大相撲名古屋場所表彰式から」(2023年7月27日)で紹介してきました。

みかわ牛銘柄推進協議会のパンフレットから

 2024年7月28日の大相撲名古屋場所表彰式では、愛知県の大村秀章知事から優勝力士の横綱照ノ富士関にみかわ牛の肉が贈られました。


みかわ牛の優勝楯と照ノ富士関(2024年7月28日撮影)
大村知事がみかわ牛の優勝楯を贈った(2024年7月28日撮影)

 認定基準を満たした農場で肥育された黒毛和牛の中でも、特に肉質が優れたものに与えられるブランドです。 定義は、①認定農場で1年以上肥育、②肉質等級4等級以上、③愛知県内の食肉市場(名古屋、半田、東三河)より出荷です。
  県内の生産戸数は52戸。年間出荷頭数は2800頭(2023年度)です。
■オレイン酸の効果
 オレイン酸は、植物油に多く含まれている不飽和脂肪酸で、オメガ9系脂肪酸に属します。日清オイリオグループ株式会社のホームページによると、酸化しにく特性があり、べに花油、オリーブオイル、キャノーラ油、米油に多く含まれています。
 では、牛肉はどうでしょうか。JAあいち経済連の発表資料によると、オレイン酸は牛肉に多く含まれています。含有量が多いと、口溶けが良く、和牛独特の香り「和牛香」が際立つそうです。近年、おいしさにつながる脂肪の質の評価基準として着目されています。
■試食しました 
 JAグループ愛知の定例記者会が8月27日、名古屋市中区の同ビルで開催され、みかわ牛の試食をしました。2切れですが、脂もさっぱりして、タレなしでもいけました。
 もちろん、以前からみかわ牛は知っています。JAあいち経済連が運営する焼き肉店、若葉亭名古屋駅前店にはオープン時に行っています。豊橋駅東口にある若葉亭にも何度か通っていますが、ランチなどブランド牛をお値打ちにいただけます。
■オレイン酸で味の評価を
 オレイン酸含有量を打ち出す和牛は、いくつかあります。鳥取県では「鳥取和牛オレイン55」として2011年にブランド化しています。
 長野県はJA全農長野がオレイン酸58%以上の信州和牛を「信州プレミアム牛肉」として県独自のおいしさの基準を設けています。
 こうした中、愛知県の取り組みも、和牛の味について独自の評価基準を設けることでつか価値を高める狙いがあります。
 これまで、○○牛A5など、霜降りの量や質、肉色、きめの細かさなどで格付けされていました。一般消費者には、「味」の格付けこそ、大事な評価基準だと感じました。

みかわ牛銘柄推進協議会メンバーと愛知県知事(中央、愛知県公館で撮影)

(2024年8月28日)
愛知のブランド和牛「みかわ牛」~ライバルは意外にも「大豆ミート」?|荒玉にしむら公秀 (note.com)
みかわ牛の「気魄一閃」~大相撲名古屋場所表彰式から|荒玉にしむら公秀 (note.com)


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