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鶴瓶が笑っている

先日『すばらしき世界』を観て感動した話を書きました。それからふと西川美和さんの作品、何本観てたかなと数えてみたら『ゆれる』『夢売るふたり』『永い言い訳』そして『すばらしき世界』の4本でした。wikipediaによれば西川さんが監督した映画は計8本。観てない4本のうち『ディア・ドクター』はAmazon Prime Videoで観れるようです。『蛇イチゴ』もあるけど330円かかる。とりあえず『ディア・ドクター』を観ることにしました。

やっぱりこれもおもしろいわけです。善意と嘘と本心と、人を救う「資格」についての、とても温かいすばらしい映画でした。でも今回言いたいのはこの映画の内容のことではなく、鶴瓶さんの「鶴瓶み」についてです。

鶴瓶さんがこの映画の主役なんですが、ある重要なシーンで、帽子をかぶりマスクをした鶴瓶さんを斜め後ろから撮ったカットがあります。帽子とマスクのせいもあり、顔がほとんど見えないアングルです。でも「鶴瓶だ」とわかる。いや「鶴瓶が笑っている」とわかるのです。なぜそんなことがわかるかというと、目尻のシワが見えるからです。鶴瓶さんの似顔絵を描いてくださいと言われたら誰もが描くであろうあの目尻のシワです。目尻のシワが見えるというか、目尻のシワしか見えないのです。なのに鶴瓶さんがどういう顔をしているかハッキリと伝わる。このアングルが西川監督の指示なのか、撮影の柳島克己さんの提案なのか、それはわかりません。いずれにせよ主役が鶴瓶さんじゃなかったら、おそらくこのアングルでは撮らなかったと思います。鶴瓶さんだからこそのアングルだと思いました。あのシワの動きだけで「鶴瓶が笑っている」とわかるのです。鶴瓶の鶴瓶みは、あの目尻のシワにこそあったのだということに気づいたという話でした。

気になった人はぜひ『ディア・ドクター』観てみてください。

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