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 食べる?食べない?

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 「偏食」
 食べ過ぎも困るけれど、食べない子を持つ親御さんの心労もかなりのものです。

 私は好き嫌いの多い子でした。というか、全く食事に興味がなく、母に食事に呼ばれるとため息が出るくらい食べることが億劫でした。
#いまは、食べ過ぎ注意!な毎日です

 かなりの偏食でしたが、冷静に考えると味そのものよりも食感の好き嫌いに由来したものが多かった気がします。
 今では大好物のお寿司も幼い頃は大嫌い。硬めに炊いたご飯と柔らかいお刺身の組み合わせが口の中で混ざるのが嫌でした。
#まさしく感覚過敏

 だから、というわけではありませんが、我が子の偏食や好き嫌いに悩むお母さんが必要以上に悩まないように、落ち込まないように、自己嫌悪に陥らないように、、、と願います。
#親のせいじゃないから


 お皿に載っているものは全て食べなくてはいけない、なんていう考え方は時代とともに変わってきて、今は無理強いしないという方法が良しとされています。
が、この考え方だっていつ覆るかわかりません。
 ウン十年後、無理にでも食べたほうが好き嫌いはなくなる、なんて説が再浮上してるかも知れない。
#まさかとは思いますが


 療育センターに勤めていた頃の話。
 偏食がひどくて、給食の時はふりかけをかけないとご飯を食べない子もいれば、反対に白いご飯しか食べられず、チャーハンや混ぜご飯の時は調理室で白米を別で炊いてもらうお子さんもいました。
 味が混ざるのが嫌いで(視覚的にも何を食べているのかわからなくて警戒してしまうらしいです)、煮物でもサラダでも混ざっている具材をすべて一つの具材ずつに寄りわけないと手を付けないお子さんも少なくありませんでした。
 サラダなどは楽な方。ひじきの五目煮など、細かく切った人参やらこんにゃくやら、もちろん細々しているひじきも全部お皿の中でより分けるという気が遠くなる作業。
#それでも人参しか食べなかったりする

 それもこれも、好き嫌いは無理強いするとひどくなる、という考え方からです。まずは食べられるものを食べられる分量だけ。
 少し頑張ってほしい時は、味も食感もわからないくらい小さいかけらを1つ、2つ。それでも食べられたら大いに褒める。気長にゆっくり。
 その子に
「食べられた!」
という経験をさせるだけで大きな一歩です。


 私の話に戻ると、実は中学生になった途端に沢山のものが食べられるようになります。給食ではなく、お弁当になったことも大きいでしょう。成長期に入り、体が栄養を欲したのかもしれません。
 小さかったお弁当箱がだんだん大きくなっていった事を覚えています。
 同じように療育センターでは全く給食に手を付けなかった男の子が、卒園後は学校の給食をしっかり食べていると、あとから知って安堵したことも。


 だから、お子さんの偏食や少食を気にするお母さんに「そんなに心配しなくても大丈夫だと思いますよ」
と伝えます。

 私の経験談だけでは信憑性に欠けるかしら?とも思うので、療育センター時代の園長先生のエピソードもご紹介。
 『長年療育の世界にいて、それこそ何百人という子どもたちを見てきて、本当に食べなくて心配し、医師の判断の元で胃瘻(いろう)をつけて栄養を摂取させるまでになった子どもは一人だけです』
だそうですよ。



 GW真っ最中ですが、学年が変わってまだまだ新しい環境になれないお子さんも多いことでしょう。発達に凸凹がある子どもたちは定型発達のお子さんよりも慣れるのに時間がかかります。
 「よしっ、今年は給食で食べられるものを増やしていこう!」
そんな目標を子どもに立てている親御さん、先生もいるかもしれません。でも、まだ少し待ってあげてください。先ずは環境に慣れてから。クラスに友達に、先生に慣れてから、、。

 発達凸凹ちゃん達は防衛本能がとても強い場合が多いです。感覚過敏もその表れ。極端に怖がりな子も多いですよね。それは警戒心となって
「この人は大丈夫?」
「この場所は大丈夫?」
これは?あれは?危険はない、、、?
いつも身構えています。
 4月、5月はそんな警戒心が強い時。その時期に大事な自分の体の中に入れるものを強要されたらキツイ。せめて口に入れるものはいつもと変わらないもので安心させてあげたい。

 ちゃんと食事を用意する事、ご飯を食べさせて我が子の体を健やかに大きく成長させる事は親の大きな役目。それはそうだと思います。
 ただ食事の時間が楽しいものでないと、体の栄養にも心を育てる栄養にもならないと思うのです。
 「食べる」「食べない」よりも大切な事を見落とさないように。

 もう二十年くらい前。保育園で朝ごはんを出すことの是非が話題になったことがあります。
 そんな話もまた今度。

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