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ともだちがいなくても

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 子どもに友達がいない、事にそんなに神経質にならなくてもよいかな、と思っています。友達と遊びたいのに上手く関われないのであれば、大人が間に入って上手くやり取りを助けてあげることは必要ですが、そもそも他の人に興味がないのに無理やり一緒に遊ばせようとしてもなかなか上手くはいきません。一人で遊んでいる子を見るとなんだか寂しそうに見えてしまう、、、のはこちらの勝手な解釈だったりします。
#一人でも十分楽しめている子もいる

 社会性が育ちにくい、発達に凸凹がある子の場合、複数で遊ぶことの楽しさを教えてあげるのは保育者療育者の役目でもあると思いますが、それでも少しずつです。最初はそばで遊べるだけでも良しとしましょう。
 障害のある子はパーソナルスペース(他人に近づかれると不快に感じる空間)が極端に広かったり、反対に狭かったりします。他人との距離感がつかみにくいのはそのためです。他の子どもと近づきすぎてしまう子は適正な距離を教えていく必要がありますし、逆にそばに寄られただけでかんしゃくを起こしたり、手が出てしまう子には、他人が近づくことに徐々に慣れさせる必要があります。
 だからはじめは別々でも良いのでそばで遊べることから始めます。同じおもちゃで遊んでいるうちに、無理やり相手からおもちゃを奪ってしまったり、または取られてしまったりもするでしょう。そうした時に焦らず叱らず、
#叱らないことも大切
その子の気持ちを代弁しつつ、勝手に人のモノを取ってはいけないことを教えたり、「貸す」という行為は必ず自分の手元に戻ってくるから安心して良いことを教えたり、します。
#ここが理解できずにパニックになる子も多いです
 そのうちに一緒に遊ぶ楽しさを理解してくれればしめたものだし、そうでなくともまぁ良いのでは?

 支援級で仲良くなった、というふたりの男の子がいます。彼らには「電車」という共通の趣味があります。電車の写真を取ることも好きだし、大きな鉄道模型の祭典などには2人で出かけていくこともあるそうです。でも、いつも帰りは別々に帰ってくる。喧嘩をしたわけでもないのに。お母さんが気にして理由を聞くと、お互い自分の見たいものを見たい時間だけ見ていると、帰る時間はバラバラになる、とのこと。どうやら
「もう僕は帰るね」
の一言もないらしい。そしてそれはとても「ふたりらしい」とお母さん。ふたりとも相手の状況を察したり、気持ちを読んだりするのが苦手という特性がある。だから相手がいつ帰ろうが気にしないし、気にならない。そして、それを考えなくても良い関係がとても楽なのだそうです。私達とはまた違う関係性の作り方ですが、それも納得です。
#このふたりもそれまで「友達」と呼べる存在はいなかったそうです

 発達に凸凹がある子の場合、友達を作るスキルは本当に長い時間をかけて獲得していくことになります。だから先ずは『人を信頼する事』を教えてあげたい。

 重度の自閉症で言葉も話さなかった男の子が、家にきた犬にだけ心を許し、その後メキメキと社会性を伸ばしていった奇跡のような実話があります。
#少年は人より先に犬を信じたことになる
 そんな話もまた今度。

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