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「光る君へ」 第24回 忘れえぬ人

宣孝から求婚され、周明からも一緒に宋へ行こうと誘われるまひろ。主上は詮子の病悩平服のため大赦の詔を下し、伊周・隆家の召喚も決まる。見舞いに訪れた主上は生まれた姫宮脩子を内親王とし、定子ともども内裏に呼び戻したいと詮子に語り、行成の発案で職御曹司への参入が決まる。ついにまひろは宣孝の妻になると決心する。


【今日の行成】
krmt先生によれば行成の中の人は自主的に権記を読んでいたそう。
黒板先生の人物叢書も読んでくれてるといいな。
来週24日〜、NHK FMでDJやるらしい。
ゲストリストに少納言の中の人の名前が!
今のところ劇中では絡みないけど、もしやこれからある伏線?
(ここまで全然「今日の行成」じゃない話題)
行成、キミだったのか定子様の遷御先に職御曹司を提案したのは!?(違


さて例によって雑な感想を。

  • まだ長徳3(997)年。

  • 宣孝でいいじゃん!
    いや、宣孝いいよ!全部ひっくるめて認めてくれるなんて許容力も包容力も誰かとは段違いじゃない!
    でもこのドラマじゃあくまでもソウルメイトはあっちなので「宣孝妥協」って感じで描かれるのが不憫。
    宣孝の文「早く京都に帰ってまいれ」がエコー付再生でウケたw

  • 土御門殿。詮子病悩。伊周の怨霊(生き霊?)に怯える。晴明に邪気払いをさせる。
    伊周への罪悪感からだとすれば長徳の変を大事にしたのは詮子という設定か。
    晴明があまり気を入れてないように見える?
    平服を期して大赦が詔された(長徳3年3/25)。
    4/5に伊周・隆家にこの赦を適用すべきか否か、適用した場合に召喚すべきか否かの陣定が開かれた。倉本先生が著書の中で「小右記」の記載を再現されている(発言順は序列の低い者→高い者)。
    ドラマでは扶義、懐忠の意見が公任と実資の意見にされてたけど、実際は下記の通り。それに道綱が実資の後(序列で実資より上)に発言してたけど、大納言昇進は7月だし、この陣定には出ていない。

1. 俊賢「罪は赦すべき。召喚は陣定ではなく勅定によるべき」意見A
2. 斉信「罪は赦すべき。召喚は明法家に勘申させるべき」意見B
3. 扶義「罪は赦すべき。召喚すべきではない(本処に留めるべき)」意見C
4. 公任「意見Aに同調」
5. 誠信「意見Bに同調」
6. 惟仲「意見Aに同調」
7. 実資「意見Aに同調」
8. 懐忠「罪は赦すべき。召喚は先例を調べるべき」意見D
9. 公季「意見Dに同調」
10. 顕光「意見Bに同調」
11. 道長は自分の意見を述べず
12. 道長は各々の意見を心に銘じて座を立ち御所に参上して天皇に奏聞
【集計】:意見A…4人
     意見B…3人
     意見C…1人
     意見D…2人
結果:一条天皇の勅定により赦免と召喚が決定

また、道長が自分の意見を述べなかったり、諸卿の意見を定文に記さずに「心に銘じて」奏聞したりしたのも(中略)問題の解決はすでに他所において行なわれており、陣定が単なる手続上の儀礼的存在に過ぎなかったためと考えられる(略)。
だいたい、伊周のことを「大宰前帥」と称していることなども、すでに一条と道長の間では召還が既定の方針として合意されていたことを示すものである。

『藤原伊周・隆家 禍福は糾へる纏のごとし』/倉本一宏

ドラマでは諸卿の意見や道長の制止を無視しての主上の独断にされてたけど、もちろんそんなはずはなく。
第一、配流先で死なれて怨霊になることを人一倍恐れていたのは脛に疵持つ北家の一員道長だったはず。
道真以降の“罪人”を配流地では死なせないというのは「摂関家の知恵」(by krmt先生)。
主上が伊周・隆家の復権の機会を探っていたのは確かだろうけど、そのために政務の手続きを無視して暴走したわけじゃない。
発端は詮子の病平服なんだから、実際は道長側からの意向も強かったはず。

  • 主上が「そなたに止めてほしかった」と言った時のあの道長の眉上げの顔、先週の「ケッ」に続いて感じ悪!

  • 伊周が呪詛したこと、隆家が射かけたのは院にではなく車にだったことを主上が「のちに聞けば」って言ってたけど、誰に聞いたの?

  • 主上に責められて初めて(?)斉信に「してやられたのかも」と気づく道長。
    うわぁ、被害者モード?
    でも呪詛の方は詮子(倫子?)のやらせだったことは知ってたはず。
    斉信のことをとやかく言える立場?自分だって左大臣になったじゃん。
    明子が仇の子孫を膝に乗せながら笑顔で「父はよい人すぎてやられてしまいました」って言ったアレ、実は強力な嫌味?w

  • 都に戻った(5/21入京)隆家、顔色もツヤツヤ。
    さっそくシジミを手土産に道長を訪ね自分を売り込む。
    二日酔いにシジミが効くってあの時代から知れ渡ってたの?
    「過ぎたことは忘れる」 いや首謀者がそれいう?
    道長ちょっと引いてたw
    確かに悪あがきしてことを大きくしてしまったのは伊周だけど。
    隆家がそんな政治的野心ある人だったら伊周亡き後、敦康の後見役もバリバリこなしてたんじゃ。
    隆家(役)の自在に動く八の字眉の高低差に見入ってしまったw

  • 主上、詮子を土御門殿に見舞った時に姫宮脩子様を内親王に、そして定子様とともに内裏に呼び戻すと宣言。「最初で最後のわがまま」。。

宮廷社会の安定を第一に考えなければならない天皇としては、それは決して誉められた行為ではないが、後見の没落した定子を以前にもまして「寵愛」したことは、一条の生涯を通じて数少ない我意と言えるであろう。

『一条天皇』/倉本一宏
  • 道長は止めるが詮子は帝の望みを叶えてと言う。
    前回から詮子キャラ変した?今までとずいぶん違う。
    実際は定子様を職御曹司に遷御させたのは、詮子を見舞った6/22の夜で、脩子様の内親王宣下の勅命は12/13。

  • 職御曹司移御が行成の発案!?
    呉座先生によると「職御曹司を仮住まいにすることはこれまでも度々あって斬新なアイディアというわけではない」
    実際、長徳の変の直後内裏を退出して二条北宮に移御する時もまずは職御曹司に入っているし、詮子もかつて定子様入内の時内裏から職御曹司経由で東三条殿に移っている。
    道長が定子様を内裏に戻すのに渋いのは、出家した者だから〜とか公卿の反発が〜とか言ってたけど、本当は「彰子入内までは出来るだけ皇子誕生を阻止したい」なんだよな。
    でも前回顕光・元子親娘を招待しちゃってるし、野心のない男として描いてるから時系列等多方面で齟齬が。

  • 初登場、輿(腰輿ようよ)に乗って主上が職御曹司へお渡りに。
    定子様が脩子様を抱いてるのに定子様しか目に入らない主上…!
    脩子様、睫毛長くて可愛かった!
    確かに主上と定子様の面影あるかも。一条天皇鍾愛の内親王様だものなぁ…。
    さすが子役さんの配役に定評のあるNHK。

  • 主上が少納言に「世話になった」って言うけど、そこは「よく仕えてくれた」じゃないか?でもいいシーン。

  • ナレ「この日から一条天皇は政務もなおざりで連日、中宮のもとに通い続けた」
    はぁぁぁ!?証拠持ってこいヤ!

  • そしてその夜…//////キャー//////そりゃそうなる。
    いやー美しいシルエットでしたわ。
    全然不快じゃなかったばかりか「やっとか!もっと!」とさえ思ったのに、ソウルメイトのあれはなぜああもねっとり感が出てウワァァ…になるかな(偏見)。

  • 女房たちの陰口。今回は義子や元子が入内した後だからありうる。


【今日のソウルメイト越前ラブファンタジー】
越前架空パートはここでまとめ。
まひろ、出羽守&外国人の工作に乗って外患誘致とかやらかしそう。
周明といつの間にあんなに親密に?
宗語を教わるだけにしてはあの密着ぶり。天然設定なのか知らないけどあれは脈ありと誤解されても仕方ない。
だから周明も「一緒に行こう」で釣れると思ったんでしょ。
周明の迫り方はいくらなんでも性急で魂胆ありがバレバレすぎたけど。
拒否られていきなり壺割って破片で脅迫とかもう意味わからん。
(放映後、録画してた越前紀行番組に国府跡?で発見された陶器のカケラが出てきて「え、あの時の!?」と一瞬思ったw)
そして真昼間からなんで周りに誰もいないのだ。結構大きな音立ててたのに。
この後に乙丸の姫様だけは守るってシーン持ってきても説得力ないんだよなぁ。
姫様は夕餉を食べないことよりもっと大変な目に遭ってたぞw

この時のまひろの態度が謎。
抱きしめられても大して驚いてなかったし、身を引くそぶりもない。
宗への憧れから親しくしていただけなら「そんなつもりじゃなかった。誤解させて申し訳ない」とか「自分には想い人が」とか言うはずなのに言わない。
好いていない、嘘をついていると相手を責めるのみ。
愛情がないことは抱きしめられれば分かる…つまり道長の時とは違うと?
愛があると感じられたら状況変わってたの?あんたの気持ちはどうなの?
でも朱の言い方からすると(それに配役からしても)実は本心からだったっぽい。
てことはまひろの愛情センサーの精度はかなり怪しいレベルということか。
ともかくこれでラブファンタジーパートは終わり?周明の登場の意味とは。

ドラマの冒頭で宣孝が「妻になれ」って言ってたけど、この“妻”って“北の方”?“妾”?(実際は“妾”)
あんなに拘ってたのにそこ聞き返さないのね。
まぁあの時はそれどころじゃないかw
でも為時に求婚の件を報告した時もこの辺の話は出なかった。
じゃあなんで道長の求婚は拒否したんだっけ?若気の至り?
このドラマ、全体的に登場人物の気持ちの変化描写が雑なんだけど、せめて主人公たちぐらいはもっと丁寧に描いた方がいいんじゃない。どぎついシーンより。


第25回 決意 予告
「道長は定子を愛しむあまり政が疎かになっている一条天皇に頭を悩ませていた」
どうしてそこイコールで結ぶ?
「天皇に徳がないから災害が続く」「出家した中宮を寵愛するとは何事」と批判されてたのは事実だとは思う。でもそれを「愛しむあまり政が疎か」と繋げるのは雑。

第25回相関図
道長の子供たち(頼通、妍子、教通)が出るもよう。


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