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「光る君へ」 第11回 まどう心

まひろ、為時の復職のために倫子、兼家に直談判するも叶わず。その兼家はあからさまな身内優先の人事発動。唐突に長女超子とその子冷泉天皇の遺児居貞親王(のちの三条天皇)が登場する。そしてついに一条天皇が即位する。
道長とまひろはまた逢瀬。しかし道長は最後は逆ギレし、夜中の廃屋に呼びつけた女を置き去りにして帰ってしまう。


【今日の行成】
“F3”、前夜の退位劇についてのヒソヒソ。
驚く斉信と公任に「まことに…」と相槌を打つ行成。まことに、ですか…w
完全に他人事だ。というかこのドラマでは完全に他人設定だから当然か。
「お顔つきが…」と大きな出来事どっちの!?)を経て道長の顔つきが今までと違うと気づく。
道長のそういう微細な変化にも気づいてしまうほどに日頃から気にしてるってこと(設定)なんだなー。フーン…。


さて例によって雑な感想を。

  • まだ986年(寛和2年)。

  • 結局、義懐と惟成が主君に従って出家したことは完全スルー。。。
    最悪でもナレーションくらいは出ると思ったのに。
    行成と叔父の交流場面に期待した自分が甘かった。

  • まひろ、為時の復職の口添えを倫子に頼む。ほわ〜んとした感じだけど言うことはビシッと物おじせずに言うのはさすが。
    倫子にお願いするのはまぁ百歩譲ってご学友だからともかくとして、兼家に直訴って…。大河のヒロインは望んで行けない、会えない人はいないのか。
    そしてなぜ隠れる道長?

  • それにしても「恐悦至極」って武士のドラマっぽいセリフだ。

  • 久々の宣孝登場。まひろの強心臓に驚きつつ感心。いや、感心してる場合じゃないと思うけど。まひろの婿探し宣言をし帰って行く。
    ちょっとこれはネタバレになってしまうけど、ガイドブックによれば次回宣孝が持ってくる縁談の相手、それがこの人…!

  • 宣孝「自分にも何人か妾がいる」=北の方もいる、だよね。なのに結局、のちにその妾の一人になるまひろはどういう心境の変化をするのか。

  • ちょいちょい挟まれるあの一夜のフラッシュバックがなんだかなぁ。音声解説が生々しかったらしいw 音楽もそんな感じ。

  • 兼家、摂政となり、臨時除目であからさまな身内贔屓発動。
    画面で見えた範囲の人事は以下の通り。

摂政 兼家⤴️(前 右大臣)
太政大臣 頼忠
左大臣 源雅信
右大臣 為光⤴️(前 大納言)※兼家異母弟
大納言 源重信、朝光⤴️(前 権大納言)
権大納言 道隆⤴️(前 三位中将)、済時、文範、顕光
(画面見切れ)
参議 源伊陟 時光 道兼⤴️(前 蔵人頭)
※太字は兼家の身内、⤴️は昇進

  • 一条天皇、成体の俳優さんの面影あるなー。いかにも利発な感じ。NHKってほんと子役さんのチョイスはすごいと思う。

  • そしてやっと居貞親王(のちの三条天皇)登場。天皇より年上の東宮になる。ドラマ上、やっと長女(故)超子の存在も明らかになった。それまでどこにいたことになってるんだろう…(実際は兼家とともに東三条殿に)。
    考えてみれば花山と居貞の父の冷泉院のことは全く出なかったな。

  • ガイドブックによれば兼家は生首事件は花山院の仕業と考えているらしい。
    この当時、往来や河原に死体が転がっていてよく犬が「その一部」を咥えて貴族の邸宅や内裏にまで持ち込んでたらしいけど、その説明がないと花山院や義懐が復讐のために「作った」死体かと思われるのでは。それが狙い?
    まぁ「跡」も生々しい新鮮なブツだったしね…。
    でも目的のために殺したのと、その辺に転がってたのを持ってきて置いたのとは違う。「穢」的には同じでも。
    それはそうと道長、もっとちゃんと拭いてください。。

…この時代、貴族の邸宅に犬などが穢物を持ち込むことが頻繁に起きていた。この死体は、家族が近くの空き地に風葬したものなのか、それとも路上や溝に遺棄された横死者の死体なのだろうか。

「死者たちの中世」勝田 至(吉川弘文館)
  • 道長がとばりを開けて首(頭?)を発見するところの音楽がパイプオルガンで往年のゴシックホラー感に吹き出した。
    あそこは笑うところだったのか?(↓「オペラ座の怪人」)

  • 即位の儀。天皇の礼服は「袞冕十二章こんべんじゅうにしょう
    背中に北斗七星!!これ、冠含め各種サイズ揃えてるんだろうか。平安後期の六条天皇なんか生後7カ月での即位だけど、どうしたんだろう?
    赤ちゃんサイズの袞冕や冠?(かわいい)

  • 中関白家一家勢揃い。定子様はもちろん後列に阿古こと隆家も登場。
    そして伊周!!晴明と対面。12歳なのに笑裏蔵刀しょうりぞうとうなんて難しい言葉を知ってる(=表向きは柔和でありながら、心の底は陰険そのものであったりすること。 表向きの笑いの中に刀を隠しもっている意)。
    母貴子の「大人の話に口を挟むものではない」に「私はもう大人です」w
    でもそういうとこなんだよ…君がもうちょっと(略

  • 定子様を紹介された晴明のあの表情はいったい…?何が見えてた!?

  • 道兼乱入。いつの間にか3歳の娘がいる!これが後に一条天皇に入内する尊子。ただ尊子の生母繁子とは実際は短期間で終わった関係で「正妻」ではないんだよな。それにしても繁子はいつちゃんと出てくるのだー(○回目)。
    そしてまたまんまと兼家の舌先三寸に丸め込まれる。騙すのはうまいのに自分はあっさり騙される謎。信じたい気持ちが先にあるからか(哀)。
    兼家はその道兼のツボを絶対外さないんだよなぁ今のところはまだ。

  • 突然の俊古、早口フレームイン!道綱はたぶん覚えてない…。
    道長が為時のことを聞いたのは、まひろが兼家に会いに来て門前払いされたのは為時の件とわかってたからだよね。
    兼家に復職を進言する気は起きなかったのかな?

  • まひろ家、使用人に暇出す割に結構上質な紙を使えるんだな。
    あれは写書のバイトとかじゃないよね。

  • 生足を晒して畑仕事をするまひろ。そんな足元を見ちゃったら道長また💘じゃん。乙丸の抗議をスルーし逢瀬の伝言を頼む。

  • う…今週もまた逢瀬シーンが。もっとこう…あんなにダイレクトに描かなくてもいいんじゃないですかね。。(食傷気味)
    それに「まひろの望む世を目指す」て…ずいぶん個人的な展望だよなぁ。

  • 「勝手なことばかり言うな!」にはかなりの視聴者が「お前がな!」と突っ込んだと思うけど、この逆ギレ、気分がコロコロ変わる姿こそ本来のリアル道長だから!もともとだから!もっと折々のこういう姿を描くべき!


【今日のソウルメイト】
「北の方は無理だけど一番好き」って都合のいいセリフに聞こえるけど、それより引っかかったのが、いつの間に道長ってそんな現実的なことを考えるようになったのかと言うこと。
先週は「どこか遠いところに二人で」なんてふわっとしたこと言ってたのに?
兄二人の妻も特に高い身分でもないし、自分の母もそう。
まだこの頃は兼家も健在だし、道長は出世の見込みもさしてない末っ子だし、このドラマの道長なら望めば北の方に出来ないこともなかったのでは?
まひろ宅に通うのは無理でも別に家を借りて住まわせたりも出来たろうし。
なのに道長が「無理!」と言い張るのは兼家がまひろを虫けらと言った事が影響?父や兄弟も自分も一気に出世した今となっては、身分含めそんな女を正妻に出来ないと冷静に考えたのか。パパにも失望されるし。
今までは末っ子で傍観者でいられたけど家族ぐるみの陰謀に関わって兼家の力の大きさと「家」を自覚し始めたということ?
その辺の環境・心境の変化をもっと丁寧に説明すればまひろも別れるにしろ続けるにしろ多少は納得出来たのでは?
とはいえ為時だって裕福ではないにしろ帝の教育係までやった人間。その家に通うのではなく最初から外に呼び出してるところは妾扱いさえしてないようにも思えるけど。
あと、当時そんなに“結婚”前から正妻か妾か女性側が意識してたのかな?という疑問もあり。何を持って正妻というかは研究者の間でもいろんな議論がある。どちらかと言えば“結果として”正妻はこの妻、ってケースの方が多いような。
正妻といっても一人とは限らないので、産んだ子の出世具合(入内とか)が妻のランクにも影響したかも。

次回、どうやらまひろに逆ギレした勢いで兼家に倫子との縁談を進めてくれ!という展開らしいんだけど、それを倫子、明子との結婚の理由にしちゃうわけ…?
まひろとのことを先に描いてるんで史実との整合性がいろいろ後付けで納得いかないことになってる気がする。


義懐と惟成は相関図からも消え、前回で完全退場。
前回リンクした脚本家先生の対談記事、収録時点(去年の5月)で13話まで書いたと言ってたのであの時すでに義懐はああ描かれてたんだな。
平安時代への解像度がまだ浅い時期だったことも影響してるのか…?
…深度に関わらず脇役かつヒールだったからああいう扱いだったんだろうな。
ちょっとネタバレだけど次次回(第13回)で4年飛ぶ。いよいよいろんなことが動き出す!

第12回相関図にやっと源俊賢が!

道長は「まひろと決別した」んだ?じゃもうああいうシーンない?
でもまた会うことは会うみたい。倫子との結婚話を進めてる状態でまだ会うか。
道長の結婚、実際は倫子とよりも、明子との結婚が先だったという研究もある。
とにかく来週の注目は「俊賢」
果たして行成とのシーンがあるのか!?


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