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「光る君へ」 第9回 遠くの国

今回〜次回あたりは前半の山場らしい。兼家がついに自分と晴明の策略を子供たちに告白。そして直秀の最期が耳目を集めることに。
自分としては花山天皇退位へのカウントダウンが始まったことで、天国から地獄の「史実」のしんどいストーリーがもうすぐやってくる方に落ち着かない気分。


【今日の行成】

1 回 休 み

さて例によって雑な感想を。

  • 今さらだけど、この艶かしいOP映像、最後までずっとこれなんだよね。今は(特に来週は)ともかくこの先にはなんだかそぐわないような気がするけど。

  • 今回も寛和2年(986年)。

  • 土御門殿女子会。道長の活躍に沸くのはいいけど、あの笑いは何??

  • 牢屋の直秀(役)、どうする家康でも見たなー。

  • 道長がまひろを解放した後、二人で行ったところ、いつもの散楽連中の隠れ家に池なんかあったっけ?と音声解説を聞いたら「廃屋の庭」とのこと。

  • 百舌彦が言った「左獄」、「平安時代、京都の左京に設けられた獄舎。東獄」だそうだ。「右獄」(西獄)もあったらしいがのちに荒廃したらしい。

  • 内裏シーン。為時が中国語で読んでたのは為時作の漢詩らしいんだけど、調べてもいまひとつわからなかった…。「仲尼」(孔子)が「周公」の夢を見たとか見なくなったとかの故事について詠んでるっぽい(適当)。
    為時が中国語に堪能という描写なのか。越前編に向けて?
    あ!ちゃんと解説してくれてるサイトがありました!
    でも中国語じゃ花山天皇は励まされてるってわからなかったよねw
    (どっちにしろ上の空で聞いてないか…)

  • 花山と道兼。いつの間にか道兼が差し出す薬湯を「お前が言うなら飲もう」という仲になってる…!
    あれ?そこまで信用されてるなら円融と同じ毒盛る作戦今回も行けたんじゃ?今回は女官を挟まず直接手を下せるのに。…目立ち過ぎてダメか。

  • 実資、1週間ぶりに登場。実資の口から「婉子つやこさま」の名が!
    花山退位後、婉子女王(“えんしじょおう”がしっくりくる)は正暦5年(994年)頃、実資と再婚する。小右記に「(染殿)女御」と登場するのが彼女。

  • 詮子が兼家の枕元で「後ろ盾は間に合ってるので心置きなく旅立ってOK」と囁いてると突然兼家が目を開く。詮子の叫び声、ちょっとお下品過ぎません?w

  • 子供たちを前に兼家が策略をバラす。「引き下ろし奉る」って失礼なんだか敬語なんだかわからんw 「日出処の天子」で蘇我馬子が崇峻天皇暗殺を宣言する場面の「しいし奉る!」を思い出した。

  • 兼家に本心から感動してる道隆、なんか危うくないか?
    兄弟の前でドヤ顔で自分の手柄を語る道兼、痛々しい。得意げに語る道兼以外はみんな「😦」って感じなのに目に入ってない。

  • 兼家に敬語もなく「源なぞ!」と言われた詮子、立つ瀬なし。しかしあんな策略家の母を持つ懐仁親王と定子様、めんどくさい展開が見えるようだ。。

  • それにしても花山もチョロいな。まぁ若いし仕方ないか。

  • 直秀に扇を握らせたのはなぜ?井戸の遺跡から祭祀に使われていたらしい檜扇や扇子が出土した論文は見たことあるけど。
    わざわざアップにしてたし絶対意味ありそう。
    鳥辺野で土葬といえば定子様…埋葬の時、掘ったらあの時の扇が出て来てはっとする…とか?いや、道長葬送に出てないはずだし、さすがにそのへんに埋めるわけじゃないもんな。
    最終回、道長自身が埋葬される時に掘り出した場所から出て来て若き日からの回想シーンが流れるとか?(伏線回収とばかりに)
    ※Xにて「扇=散楽役者の道具だから」説を見た。罪人でなく役者として葬ってあげた、と。自分には思いつかない見解だ(←情緒不足)。

  • 7人の死体を素手で掘って埋めるなんて、もはや死穢がどうのというレベルの話じゃないな。リアル穢(破傷風)の方が恐ろしい

  • ガイドブックによれば放免は単に「流罪の手数を惜しんで殺した」ってことになってる。道長の「余計なことをした!」は確かにカネを与えたことで一番省エネな方法を取られたのはあるかも。報酬全部先渡しはダメよ。
    でも放免にとっては1〜2人で7人殺す方がかなりの手数だったんじゃ。

  • 直秀の出自とかも深く考察されてる方がいたけど、結局これっきりの登場っぽい。9話までほとんど毎回出てたのにあっけない退場だ。
    直秀の登場と死の意味を考えたんだけど、この出来事が執政者になった道長の善政に影響するとか?ステラnetの記事では「まひろや道長の今後に大きな影響を与える」になってる。

  • なんか、大貴族の御曹司である恩恵を受けながらその貴族社会を俯瞰して自分の一族の所業や貴族そのものを冷めた目で見てるって設定がなー。
    後年とどう折り合いつけるんだか。ばりばりの権力者になってますけど…。

  • 晴明が忯子の霊が彷徨ってるように細工を駆使して、成仏させるためには帝が出家するしかない、という方向に導こうとする。
    でも帝はすでに忯子の死で孤独で厭世感いっぱいだったわけで、すっかり腹心の友となった道兼が言葉巧みに唆せばあっさり退位、出家したんじゃ?
    まぁ両方面から攻めるのが確実で時短かー。

  • 花山、晴明の言うことを信じてるけど、前回、右大臣が忯子を呪詛してたかもしれないことは知ったよね。その呪詛を実行した陰陽師は晴明だとは思ってないのか?

  • 道長の慟哭で「つづく」かと思ったら、その後に惟規が大学寮に行くアットホームな場面で終わった。直秀の死からどのくらい経ってるのかわからないけど、親しかった人間が殺されてそれを自分で埋めたわりになんか何事もなかったかのような。

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ドラマの主役だから「主人公プラス補正」は仕方がないけど、そのために周囲の人物描写をマイナス改変するところは「好きではない」(←お気に入りか)。
だからせめてここではそういう架空補正にツッコミをいれさせてもらう。
(野暮は承知の上😅)

まず、今作の道長は今のところおっとりした好青年だけど、実際の道長はかなり喜怒哀楽激しかったらしい(特に行成は「怒」をぶつけられる対象💢)。

そして、相変わらず行成だけ出自・背景が特に描かれず「“F4”の一人だけど、何した人?」て感じのまま出てる。肝心なことがスルーの一方で「道長に憧れを抱いている」謎設定。このままだと行成が精勤するのも、後年一条天皇譲位に際しての東宮選びに敦成を推すのも、全て道長個人への心酔からってことにされるんじゃないか、とふと思って呟いた。

彰子入内、定子様崩御〜敦康の処遇のあたりは普通なら道長に非難が集まる状況なのだけど、主人公補正によりその割を食うのが行成なんじゃないかという危惧。
行成が道長への恪勤のためだけに自ら動いた、道長にはそこまで人心を動かす力があるのだ、みたいに描かれたら…というね。
結果、行成が非難を肩代わりさせられる羽目になったら…暴れるしかないw
ガイドブックで行成(役)の俳優さんが「後半出番が増える」と脚本家に言われたと語っているんだけど(それ自体は楽しみだが)、いったいどういう風な描かれ方で「増える」のか正直ちょっと気がかり。


【今日のソウルメイト】
直秀の登場と今日の死の意味って、何だったんだ?
ずっとどういう意図で作られたキャラなんだろうと思って見てたけど、正直今もピンと来ていない。
後年、「源氏物語」に書く題材になるため?(直秀=夕顔説を見た)
ドラマ的に視聴者の感情を盛り上げるため?(苦手な手法だ…)
直秀がいなくても道長とまひろは惹かれ合ってたけど、知人を埋葬するなんて滅多にない体験を共有したことで、さらに結びつき(というか共通の誰にも言えない秘密)を強めたのは間違いないとは思う。
ステラの記事見るとあの出来事は「二人」にとってというより、やっぱり道長の政治に、まひろの文筆に個々に影響してくるって感じか。
直秀は折々に回想シーンで復活しそうではある。


来週はいろいろ大きな動きがあるみたい。
まずはタイトルの通り、月夜のクーデター「寛和の変」が起こり、義懐、惟成の運命も激変。共に出家することはちゃんと描いてほしい。頼忠も失脚。
いよいよ時代は一条期へ!
そしてついにまひろと道長、一線を超えるみたい。今回のことが影響?
さらにやっと源 明子の姿が!!!(俊賢はまだ!?

それにしても、感想記事もついに9週連続とは。
これ、年末に大河終わったら自分も灰になって散ってしまうのでは…w

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