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「光る君へ」 第10回 月夜の陰謀

ついに「寛和の変」の回!道長は“ファミリービジネス”に戸惑いながらも結局は父のシナリオ通りに動く。まひろとの一夜で自分が目指す役割を自覚したためか。
だが今回も功労者の不動の一位は道兼。哀れ花山。あとの祭り。
そして時代はいよいよ一条期へ…!


【今日の行成】
1週間ぶりに出た!けど、なぜか道長から和歌、漢詩の解釈について相談される。
毎度のことながら「なぜここで行成の登場が必要なのか?」
漢詩や和歌なら公任や斉信の方が適任だけど、あれこれ詮索されるから口か堅くて真剣に考えてくれそうな行成を選んだ…のはわかるものの、今日もまた行成の無駄遣い感拭えず。。
道長に「好きな女子がいるんですね…」と探りを入れるわ「さすが行成だ」と言われて嬉しそうな顔するわ…行成に何をさせたいのだ脚本家よ。。


さて例によって雑な感想を。

  • 晴明、兼家に決行日を6/23にせよと進言。半ば脅す。

  • クーデターについての家族会議。詮子は蚊帳の外?
    それにしてもなぜ兼家は道長をあそこまで特別扱いするんだろう。
    (主役だから!)

  • その“野良”道綱に「最悪の場合目撃者を始末しろ」という兼家。道兼だけじゃなく道綱も使い捨て組みなんだ…。道綱に殺しなど無理なのは兼家がよくわかってるから、カツ入れるために言っただけだろうけど。

  • 為時が「高倉の女」の家から帰ってこない、と嘆くいと。まひろに惟規の婿入りについて行けば?と言われて「殿様は諦めます!!」
    …は?てことはやっぱり、そういう…召人的な存在だったってこと?

  • まひろ「高倉の女」宅で看病する為時を目撃する。献身的に尽くす為時に道長を重ねて何か思ったか。

  • 明子登場!それも明子女王だって!美しい!ほわーんとした倫子と対照的。永井路子「この世をば」の設定とは真逆。
    史実では詮子が明子を引き取って育ててたけど、道長が「ここからお帰りになる姫を見た」と言ってたから東三条殿に「女王」を呼びつけたことになるんだよな。そして渡殿を丸見えで(垣間見どころじゃない)歩かせたと…?

  • それにしても詮子、まだ源ガー言ってんの。そして先日の兼家仮病の時の兄たち批判。こっそり雅信に話持ちかけてるキミも似たもの同士、いや誰よりも兼家似だと思うぞ。
    「二つの源氏」のうち高明の方はキミの一家の陰謀で失脚してますけど。

  • 「身分、家族を捨て二人だけで遠くの国へ」はぁ…ロマンだねぇ。激甘。
    「まひろと会うために生まれてきた」だって!!ラブソングですか。
    「藤原を捨てる」って「源を後ろ盾に」の反対語だな。

  • あぁ、やっぱり出たか「この国を変える役割」を背負った道長!
    なんか「戦はいやでございますぅ」の変則パターンでしょこれ。

  • 文のやり取りをしてる間に何やら気持ちが昂まった二人、ついに一線を越える。えええ?これ大河ドラマですよね…?
    「好きになった」連呼聞いてるといっそうそんな「?」が頭に点灯する。
    それとは別に、やっぱりこの時代に貴族の男女が従者もなく密会の場所(家の外、廃屋)で落ち合い、こういうコトに及ぶって違和感あるよなぁ。
    為時邸のまひろの部屋に忍んでいくのは無理だったのか?

  • でも道長、結局はクーデターでシナリオ通りの役割を果たす。

  • 花山、ここに来てやっと時に厳しいことは言っても自分を本当に思ってくれるのは誰か気づいた?

  • この退位劇が起こった「寛和2年6月23日の早暁(丑刻)」とは正確には今の暦でいつにあたるのか?寛和2年=986年はいいとして、問題は6月23日。7月31日説、8月1日説あり。さらに「早暁(丑刻)」となると倉本先生の記事(3ページ目)でも特定は難しいとのこと。

ただどちらにしても月は確かに満月に近かったようだ。
新月の日を選んだ方が暗くて目立たなかっただろうに。
(ドラマでは6/23が兼家の運気隆盛の時だったらしい)

「満月カレンダー」サイトより https://www.arachne.jp/onlinecalendar/mangetsu/986/7/
  • 道兼「これにて失礼します」!?そんなあっさり?父に挨拶をしてくるやつはやらないんだ。出家って別に寺に幽閉されるわけじゃないのになんかもう二度と会わないからの暴言って感じだったな。

  • 一方、義懐と惟成、遊女侍らせての酒盛りの最中…そんなわけあるか!!!
    これまでも何度か書いてるけど、ちょっと酷すぎない?あり得ないでしょこんなの。発想が昭和。よく見たら化粧してるし…バカ殿ですか…。
    行成との関係スルーで最後がこれ?
    (憤りを全編太字で表現w)

  • これからの中関白家がどう描かれるのかほんとに心配になってきた。


【今日のソウルメイト】

正直、あのシーンは長いし、胸焼けした。
それにいつの間にそこまで盛り上がったの!?
あんなに言ってること食い違ってても(お互い相手の話聞いてない)結局することはするんだ
道長「また会いたい」とか言っちゃって藤原捨てるって話はどうなった?
いつもドラマの後は呉座勇一先生のライブ解説を見るんだけど、コメント欄が面白かった。
「藤原捨てるって、まひろも藤原じゃん」
「あんなに抱き合ってソウルメイトもなにも」
「ソウルメイトってああいうことなのですかね?」
「昼ドラかよ!?」
「夢オチかと思いました」 全て同意w


“ファミリービジネス”って書いてから気づいたけど、このドラマの道長の設定って映画『ゴッドファーザー』のマイケルに似てない?(特にオチはない)

ヴィトーの三男として生まれ、1950年前後の一連の出来事を通して、ファミリーを引き継ぎ、2代目ドンとなる。(中略)…当時は高い知性を持ち、理想家肌で、人から自然と尊敬を集める青年であった。ヴィトーもマイケルを後継者にするつもりはなく、やがて政界に進出し、ファミリーの表看板をつとめてくれればと希望していた。しかし、ヴィトー暗殺未遂事件、長兄ソニー暗殺を経て父の後継者となる。
ファミリーを引き継いでからは、奸智に長け、冷徹な命令を平然と下し、邪魔者を徹底して排除する性格へと変貌していく。これによって裏世界でも多くの成功を勝ち取り、父・ヴィトーの頃をも越える勢力となるも、父とは対照的に、家族を守るための行動が家族を崩壊させる結果を招く悲劇に襲われる。

マイケル・コルレオーネ/Wikipediaより

ずっと不思議に思ってた行成の出自・背景完全スルーの件。
公任や斉信は公卿の子息で、これまでの回の当時の身分は道長と同等〜上だったから出自を描いた。ライバルになり得るから
でも行成は後楯もなく年下、そしてこの後も道長に心酔し道長の手足となって働き(設定)、道長を脅かす存在にはならないから、特に出自を描く必要がないのかも。
行成に利用価値が出るのは道長が出世してからでそれ以前の出自は関係ない。
第3回で「のちに書で名を馳せる」とナレーションがあったのが行成についての唯一の紹介だけど、これは今後道長が散々利用するポイントだから説明をしただけかも。
道長にとってどういう人物かで描く背景の加除があるんだろうなぁ。
他でもない自分の一家の陰謀で失脚した義懐との関係を描くと「100%道長に心酔、傾倒する行成」は描きにくくなるもんな。
その義懐にしても「どうせ誰も知らない人物」だからと一番わかりやすくヒール役に描いたんだろう。
脚本家の「平安時代なんて誰も何も知らないし」って言葉がやけにリフレインする今日この頃。

今日はつくづく、この大河は歴史ドラマに擬態した恋愛ドラマだったんだと実感した。逆だったらいいなと思ってたんだけど…。せめて半々だったらな〜。
ある程度予想はしていたものの、想像の斜め上をいかれた感じ。
そこを楽しめない方が「制作側の意図とは違う見方」をしてるのかもしれないけど、でも楽しめないものは仕方がない。
楽しいと思う部分を楽しむことにする!今までもそうだったんだけど改めて自分に言い聞かせたw


さて来週。予告では伊周がしゃべってた!!相関図にも幼体隆家(阿古)が!!
…でもちょっと待って。
予告「まひろは兼家に直訴するが…」ですと?えぇ、摂政に直訴…!?ハァ
そしてサムネを見るとまたお茶の間を気まずくするシーンがありそうな感じ。


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