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妄想力と偏愛。


濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー

第94回アカデミー賞にて国際長編映画賞を受賞しましたね!日本映画としては13年ぶり、滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来の快挙とのこと。確かに『おくりびと』も、記憶に残るいい映画だったなぁ…。

今回、ゴールデン・グローブ賞、カンヌ国際映画祭など、世界中で50以上の賞を受賞したとのこと!

この作品は、登場人物とともにドライブをしているかのような臨場感が得られるのと、役者たちの表情やセリフ、感情の機微が、ゾっとするほどリアルに伝わってくるので、映画館の大画面で観ることをオススメします。

3時間の長編。日比谷シャンテは椅子がショボくて腰が死亡した(笑)画像はネットよりお借り。

原作は村上春樹の短編小説集『女のいない男たち
せっかくなので、こちらも読んでみました。

久々に手にした村上春樹の小説。

実は大学生の頃に『ノルウェイの森』を読んでから、彼の作品は『1Q84』くらいまで、ほぼすべて読んでいると思います。そこからさらに触手を伸ばし、ポール・オースターやレイモンド・チャンドラーなど、村上春樹が訳したアメリカ現代文学にも夢中になりました。

村上春樹については、その作品の魅力はもちろん、彼自身のライフスタイルに強烈に憧れたものです。

まず、村上春樹が小説を書き始めるきっかけになったシーンがウソみたいに小説的(妄想なんじゃないかなw)

▼ 以下引用文

小説を書こうと思い立った日時はピンポイントで特定できる。1978年4月1日の午後一時半前後だ。その日、神宮球場の外野席で一人でビールを飲みながら野球を観戦していた。(中略)そしてその回の裏、先頭バッターのデイブ・ヒルトン(アメリカから来たばかりの新顔の若い内野手だ)がレフト線にヒットを打った。バットが速球をジャストミートする鋭い音が球場に響きわたった。ヒルトンは素速く一塁ベースをまわり、易々と二塁へと到達した。僕が「そうだ、小説を書いてみよう」と思い立ったのはその瞬間のことだ。晴れわたった空と、緑色をとり戻したばかりの新しい芝生の感触と、バットの快音をまだ覚えている。そのとき空から何かが静かに舞い降りてきて、僕はそれをたしかに受け取ったのだ。

『走ることについて語るときに僕の語ること』文春文庫

彼のエッセイには、自身の創作活動がどのようになされているかについても書かれている。彼は世界中のフルマラソンに出場してきたことでも有名だが、確か小説を書くにあたって、フィジカルを鍛えることの重要性を語っていたと思う。身体を屈強にしておかないと、自ら描く描写に呑まれてしまうそうだ。まぁわかる気もする…。

で、彼のライフスタイルを簡単にまとめると、
小説を書く、走る、音楽を聴く、料理する、以上!

確かこんな感じだったと思う(笑)しかも、お気に入りのハワイのカウアイ島をはじめ、そのときどきで気の向いた場所に滞在して、ひたすら小説を書いているのだ。

作品の推敲を担っているのは、奥様の陽子さん。ときにはウイスキーを心ゆくまで愉しむためだけに、夫婦でアイルランド&スコットランドまで旅に出ちゃう。

そして、そこでの体験を作品にして、また私たちが喜んで買うってわけ。おい、春樹の人生最高かよ(笑)

私は学生時代、一度も逢ったこともないこの大人に、このクソ(失敬w)自由人・村上春樹に、めちゃくちゃ憧れたのである。この世界で自分の才能を上手に活かして、好きなことを、好きな人と、好きな場所で、好きなだけやれちゃっている生き方にさぁ…!

いまだに諦めてないし模索してるよ。
そんな生き方を、喉から手が出るほど求めているよ。

さて、話は戻って短編小説『ドライブ・マイ・カー』

実に短編だった。改めて、濱口監督の創造性に感嘆しました。この短い小説から、よくあのストーリーを膨らませたものだな。それでいて、ちゃんと原作の世界観からは乖離していない。人間の想像力って本当に凄まじい。

やっぱり絶対、キーワードは「妄想力」と「偏愛」だ。久しぶりに村上春樹の小説を読んだら降りてきた。

人生のなかで経験する「点」と「点」は、いつか「線」になり、あるところできっと体積を帯びてくる…。

そんなイメージが、
私のなかでムクムク膨らんできてしまったってワケ。

とにかく楽しんで「引き出し」を増やそう♪
いつか必ずつながる未来を信じて…。

求めよ、さらば与えられん。

妹のウエディングドレスの試着に保護者として同行したお♡


こんにちは♪見つけてくれて、ありがとうございます♡あなたに頂いたサポートは、想像もつかないエキセントリックな未来をお見せすることでお返しできるよう、新たなチャレンジに使わせていただきます!