Rotstufen! 感想文


 
#異世界ファンタジー /冒険/魔法/超能力/魔王/勇者/長編/ハードノベル/
(連載中)
 
※以下、ネタバレを含んだ感想になります。ご注意下さい※
 

 

 

 
 この物語で、私は性別について改めて考えるようになりました。
 
 読みながら戸惑っていたのは登場人物の性別について。望桜にいたっては「お嬢さん」と呼ばれる場面まで確信が持てませんでした。
 
 その時のスッキリ具合で、私がいかに望桜の性別にこだわっていたのかに気付きました。話の展開に集中しきれなかったほどですが、そこで思ったんです。「そんなにこだわるほどに重要なことだったのか?」と。
 
 女の子「なのに」とか「だから」とかをつけての感想は偏見と先入観に気が行ってしまい、そう言われた人は嬉しくないことの方が多いのではないでしょうか。
 
 望桜は望桜です。一人称が俺なことは側面のひとつにすぎません。そしてそういった言動だからといって特別力持ちというわけでもありませんし、美青年にも喜びます。
 すべての場面が先入観や固定概念にとらわれずに見つめるべき1人の人柄だったと申し訳ない気持ちになりました。
 「お嬢さん」の前に3人で眠る場面があって私は“全員女性で決まりかな”と思いましたが、俗な考えだったと今は思います。同じベッドに入ったというだけで、そこまでの話の流れを無視してそんなことを考えてしまいました。
 男女でも何も起こらないことも、同性でも何か起こることもあります。そしていま大事なのはそこではありません。
 
 戦に敗れた魔王、異世界に飛ばされた悪魔、帰れなくなった勇者という場面を読んでいて考えるのが性別やその先のことというのは、人としてどうなのかと自分を叱りました。
 
 望桜がそうなのか単に美形が好きなのかは分かりませんが、トランスジェンダーというのは性別を個性として尊重しようというよりも、性別に囚われずに個性と向き合おうということなのだとこの物語を読んで考えました。
 
 
 他にも討たれたことになっている人が生きていたり、勢力図や派遣の闇を思わせたりという世界なところに奥深さというか胸がざわつくリアルさを感じました。
今まさに私たちも、情報を扱う人には意図があること、善と悪に完全も不変もないということを忘れてはいけない局面にいるのではないでしょうか。
3人が見聞きするものも進む道も自分自身で選べることを願っています。
 
 
P.S.
 名前の説明はプロローグのpart5にあるのに、part4ですでに的李となっています。そこはまだベルフェゴールの方がいいのではないでしょうか?

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