二月三十日


            

やっと2月のカレンダーをはがした
まだ数日あると思っていた
短い月

うるう日に生まれた人は
四年に一度しか年を取らない
そんな話を母としていた冬
市役所に問い合わせるでもなく
ネットもなく
17歳のおばあさんを想像していた頃
窓の内側に水滴がたまるので 
雑巾で吸い取るのが
新しい仕事になった

窓は随分進化しました
暦からはときどき 
水滴が落ちてくる

70歳のおばあさんは今では若いですね
働く理由があり
できることと
できなくなっていくこと
お互い嫌な気持ちにならないように
手伝うのって難しいね
話の途中で
身長190センチの東海林さんが
急に私の名前を呼んで
喫煙所の空に
星を見つけていた 

煙を吐いて東海林さんは
星の巡りを考えて調整した、昔の人はすごいですねと
少ない煙に声を通した

まごまごと
調整できないものは
光りもせずに

3日を過ぎるとひな壇は速やかに撤去される
そう言えば年末ぼくは
ツリーは元旦に片付けるのがいいと言い張り 
鏡餅を手にした人たちを困らせた

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