ひ、お9月6日「青いコンニャク今昔、ふるえる豆腐でしたか」

青い豆腐
　　　　　　　　　　　　　　　　

年末にかけて
著名人の訃報が増えていく
スマホを見せ合い
知っていること
思い出を話す

追悼という特集がある
悼まれる人
作品
はじめて知る人が出てくる
死を迎えるまで
気に留めなかった人が
手を動かし
本を読んだり
音を聴いたりすることがある

ピアノが降ったり
手を伸ばせば
映画も降りてくる

夕食に青い豆腐がでてくる

世にも知られず
埋もれていく時間のほうを
しっかり
味わいなさい

染み込んだ空に悼まれるような
わたしの時間
醤油の香りがしている
噓に混じって

はしを通すと
青空がふたつ
よっつ　小さくなって
わたしに吸い込まれてゆく

とうぺぺ
とうと
とうぺぺっとうと
とうぺぺっとうとうとうと

煮詰めたらなくなってしまうのが嘘　残ったものはきたない　食べものにならないが
今をしのぐのも大事
青い豆腐が縮んでおひたしになる空のビスケットに犬のミルクほー、ほー、

冬に頂いたロケットがいちまい
犬の汗を燃料にして
おひたしのなかに
座ったまま