だいすきな人のためにお料理をつくるおはなし。

あられちゃん、俺たち今日で会うのやめよう。

だいすきな人に、もう会いたくないって言われるなんて思いもしなくて、頭が真っ白になるってこうゆうことなんだ、って思った。

でもね、悲しみ以上に、私は許せなかったよ。
1日前から用意したさつまいものスープも、お母さんにレシピを何度も確認して作ったラザニアも、これ食べたら惚れちゃうよ！って味の自家製サラダチキンもね、あなたが食べたらどんな顔してくれるかなって思いながら作ったの。作ってるとき、とっても幸せだったの。

すっごく気持ち悪いよ。
あなたは私と別れたいって思っていながら、「美味しい」とか、「優しい味がする」とか言ってたんだよ。

でもね、ありがとう。
あなたのおかげでお母さんがどんな気持ちで毎日ご飯作ってくれてるのか少しわかったの。
お母さんに普段はなかなか言えないけれど、「いつもありがとう」って伝えられたの。
だからね、ありがとう。

あなたと最後にさようならをした時、
「めっちゃ幸せでした」って言ったけれど、
「めっちゃ幸せでした。」
「でも、私は、もっと、もーっと、幸せになっちゃうんだからね〜！」って言うの忘れちゃった。
忘れちゃったけれどテレパシーで伝えておくから覚えといてね！

映画とは関係ない、お料理のおはなしでした。

おしまい。