ピアスをあけるのには、理由がある。
私の耳には左と右で合わせて5つのピアス穴があいている。
初めてピアスをあけたのは高校3年生。
右と左に1つずつ。
大学が決まって安心したし、
ちょっと大人になりたくて開けた。
ハジメテで怖かったから、
ちょっと高かったけれど病院で開けた。
ジンジンする痛みに耐えた自分は、
それだけでちょっとだけ、大人に思えた。
右に2つ増やしたピアスは、
好きになった人のためだったな。
自分は一つも開けてないくせに、
ピアスをたくさん開けてる人がタイプだっていうから。
ハジメテのピアッサーは意外と力が必要で、
2つ穴を開けるのには少し時間がかかった。
時間と痛みにあなたの愛はともなわなくて。
だけど、今でも穴は空いたまま。
そして、きのう、また1つ開けちゃった。
たぶん、生きてるって感じたかった。
幸せって感じてる時よりも、
痛いって感じてる時のほうが、
生きてるって思える。思ってしまう。
馬鹿みたいにバイトに行く自分、
生きてるのかどうかわからなくなった。
でも、それはきっと、他にやりたいことが、
だんだん明確になってきたからなのかも。
やりたいことがわかってるのにできてなくて、
生きてるのかわからない自分は、
とーっても醜くて、見てられない。
2021.4.29(追記)
1つ増やしたピアスは、あなたへのごめんねの気持ち。
好きになれなくて、ごめんね。
あなたの心の痛みには変えられないけれど、なるべく痛みがある軟骨に開けたよ。
ごめんねって言って、ごめんね。
失敗や過去の闇って変えられない。
だからチケットが当たらなかったり、
好きな人に嫌われてしまったりすると、
きっと、神様はわたしの過去のあやまちを、
まだ、許してくれないんだって考えてしまう。
そんな時、
バイトを詰め込んだり、
無理をしたり、
ピアスを開けたりすることが、
私にとっての罪滅ぼしなんじゃないかと錯覚する。
錯覚だって、わかってるよ。
なりよりね、
お母さん、身体にたくさん穴開けてごめんね。
でもね、
苦しくて辛かった記憶を形にしておかないと、馬鹿な私はすぐに忘れてしまうの。
今日もピアスの穴を見て自分に言い聞かせる。
今はハッピーじゃないかも。
だけどそれは、
これから待っている、
ハッピー準備期間だって。
あなたのピアスの穴には、
どんな物語がありますか?
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