201912号ですよ_振り飛車_

最新戦法の事情【豪華版】(2019年12月号・振り飛車編)

どうも、あらきっぺです。

タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋を見ていきましょう。なお、前回の内容は、こちらからどうぞ。

なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。


最新戦法の事情 振り飛車編
(2019.11/1~11/30)


調査対象局54局。それでは、戦型ごとに掘り下げて行きましょう。


______________________________________

◆先手中飛車◆


5局出現。対局数がガクンと落ち込み、下火になっています。

ここまで数字が下落した背景には、やはり後手超速の存在が大きいと考えられます。この作戦に対しては、▲6六銀型で対抗するのが最有力でした。具体的には、このような局面ですね。(参考図)


000解説だよ

しかしながら、▲6六銀型に組んでも居飛車からの仕掛けを完全に封じれる訳ではありません。すなわち、ここから△8六歩▲同歩△7三桂という手順で後手は動いていきます。(第1図)


画像4

この局面は、[先手中飛車VS後手超速]という戦型において、非常に重要なテーマ図です。なぜなら、居飛車は守りの手数を必要最小限にとどめて動いているからです。それはつまり、最速で攻撃を開始していることを意味します。

居飛車側はこれでアドバンテージを取れなければ、作戦そのものが通用しないことの証明となってしまいます。裏を返せば、中飛車側はこの布陣を打ち破れば何も怖いところがありません。ゆえに、互いに取って譲ることの出来ない重要な局面となっているのです。


画像5

前回の記事では、この局面の優劣が鍵を握ると記しました。そして、11月はどのような結果になったのでしょう。なんと、この局面は一度も登場しなかったのです。

具体的な事例が出現していないので断定は出来ませんが、第1図の局面は中飛車側に誘導する権利があるので、避けているのは先手ということが読み取れます。つまり、中飛車側はこれでは面白くないと見ている節があります。


なので、最近は後手超速に対して▲6六銀型ではない形で対抗するように変化しつつあります。(第2図)


ここから先は

10,067字 / 48画像

¥ 300

今後ともよろしくです!