見出し画像

日帰り旅行記〜地元もまだまだ知らないことばかり編〜 終

徳ミュ満喫

茨城、何にもないけど何でもあるよ!ほんとだよ!
刀工の祈り
水戸は梅だけやないんやで!
・徳ミュ満喫

食事を終えて、常盤神社を参拝。
宝物殿である義烈館がお休みだったので、千波公園まで戻る。
散歩と食事をしながらいっぱい話した友人と別れて、次は本日二箇所目の目的地へ向かった。

少し前に尾張徳川の宝物を所蔵する名古屋の徳川美術館を絶賛したが、水戸には水戸徳川の宝物を所蔵する徳川ミュージアムがある。
関東大震災で焼けてしまったものも多くあるが、それでもなお遺ったものを守り、再現し、後へ語り継ぐ場所だ。

高校時代、冬の体育の授業でマラソンしにきた広い公園を通って徳ミュへ向かう。
桜の盛り、新品のランドセルを背負ってカメラを向けられるお子さんがいた。
入学式の頃には桜終わってるもんね。

徳ミュさんは坂の上にある。
水戸駅からバスに乗ると街中を通るので、桜を見るなら片道だけでも千波湖周りを歩いてみてほしい。
水戸駅近くにレンタサイクルもあるよ。

徳ミュさんの周りは住宅街なので静かなものだ。
閉館1時間前、ほぼ貸切状態で鑑賞させてもらう。

水戸黄門でお馴染み、義公・光圀。
最後の将軍、慶喜公の父、烈公・斉昭。
有名どころはその二人かと思うが、水戸徳川の過去と今、これからのために頑張っている姿が見られる。

烈公の知識欲や多才さや先見の明を感じるなら弘道館もおすすめだ。
偕楽園の方にある歴史館も負けず劣らず面白い。
半日じゃ時間が足りない……。

とにもかくにも、今回は徳川ミュージアムだ。
ゲームのキャラのモデルになった刀が展示されているので、キャラの等身大パネルに出迎えられて展示室へ入る。
年始に新キャラが出たので、早くもパネルとグッズが実装された。
この日は同志はおらなんだが、実装直後はそれなりに賑わったらしい。

文献や、震災を乗り越えた宝物たちとのご挨拶の後、刀剣のフロアへ。
徳ミュさんでは被災した刀剣を再現することで伝統文化を守り、学び伝えるべく刀剣プロジェクト“継承”をすすめられている。
水戸徳川の至宝、太刀児手柏と、伊達政宗から贈られたとされる燭台切光忠がほぼ常設で、焼身と再現刀に会えるのだ。

刀に個性があることを、私は熱田神宮に行くまで知らなかった。
焼けてなお、日本の刀剣が美しいことを教えてくれたのが徳川ミュージアムだ。

徳ミュさんでは、焼けた姿そのままに大事にしてくれている。
焼き直すのではなく、資料を探して、考えて、試して、往時の姿の再現という形で愛してくれている。
焼けてしまったことは悲しい。
再刃とは違うけれど、焼けたその事実をそのまま伝えることも、愛の形のように思う。

日本刀は美しい。
多くの職人たちの技術の練磨と継承の結晶。
焼けて、刃紋も何もかも失ったように見えて、それは眠っているだけかのように、日本刀は美しい。
黒く煤けたその奥に、確かに輝きを見せてくれる。
黒にも様々な色があるように、それぞれの輝きを、魅せてくれる。

数年前に、静岡の佐野美術館で焼身の刀の企画展があった。
そこにも、徳ミュさんの刀は貸し出されていた。

日本は地震も、火災も多い国だ。
土と火と水から生まれた刀が、火の中で土に還る直前の姿を愛でるのは人のエゴかもしれない。
それでもその愛は水が循環するように、未来へ受け継がれていく。

焼けた刀を鉄屑にするのも、歴史ごと愛するのも、見る人の心次第。
出会うことがあったら、少しだけゆっくり、じっくり、向き合ってみてほしい。

旅行記のはずがだいぶ迷走したことを書いた。
とにかく、焼けた奥に刃紋が見えた気がして大変楽しい鑑賞だった。

閉館時間間際、大満足でお暇して、千波湖を行きとは逆サイド半周歩いて水戸駅に戻った。
かき揚げ丼でお腹いっぱいだったので、夕飯を入れるにはちょっと胃の許容量が足りないが、40分も歩けばデザートくらいは入るようになる。

水戸駅の少し先のカフェで後輩ちゃんと合流、光忠ブレンドとパンケーキを注文した。
光忠関連のメニューは一部が徳ミュさんへの寄付になって、ステッカーももらえる。
光忠ブレンド美味しいので豆も買った。ステッカーもらった。

いちごのパフェとか大きくて美味しいのだが、来店が夕方遅くだったので売り切れてしまっていた。
残念ではあるが、通常メニューだって美味しいのでオールオッケーだ。
お客さんが落ち着いてきた時間だったので、むしろぬいスタッフたちに歓待してもらえてラッキーだったかもしれない。

こちらのカフェ、徳ミュさんで会ってきたみっちゃんのグッズが大量にある。
観光大使もかくやというコラボがあった時からだと思うのだが、本当にはちゃめちゃグッズがある。
ねんどろとか、もちマスとか、らびコレとか、本当に色々ある。
タイミングによっては、それらがテーブルの上でもてなしてくれるのだ。

オタク的記念撮影めっちゃしつつ、後輩ちゃんに大河とか某武術翻訳家アイドルの古武術の番組とかを布教しまくった。
お前ほんとにそれで大丈夫かって心配になるくらい、この後輩ちゃんは私が紹介したものに面白いくらいハマってくれることがある。
好きだろうなと思って紹介してるとこはあるがマジでちょろい。いいぞ、もっとハマってくれ。

結局電車の時間まで1時間以上おしゃべりして、20時前の電車に乗った。
あとはもう帰り慣れた道だ。
2時間くらい常磐線に揺られ、乗り換えて乗り換えて帰った。
始発でも終電でもない日帰り旅行、大満足である。

次は、2023年春の18きっぷのラスト。
初めての長野・山梨編でお会いしよう。

おわり


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?