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絵本の概念を覆した絵本【日記2022/11/12】

好きなモノのひとつに、ショーン・タンの作品がある。

あの作品と出会ったのは、恐らく中学生の時。絵本雑誌のMOEを購入した時に、本の中のワンシーンが載っていた時に衝撃を受けたのを覚えている。元々、細部まで描かれている絵本が好きで、「バムとケロ」のシリーズは小さい頃からのお気に入りだ。まさに、MOEに載っていた絵も正に私が好きなドンピシャの絵だったのだ。

本屋さんに行って、衝撃を受けたその作品と出会う。あ、あの本だと思ってめくると、文字が一つもない。2回目の衝撃を受けた。これは、絵本なのか?そんな疑問が私の中に生まれた。

その本は、アライバル。

文字がないことで、人によって違う解釈をすることができるし、正解のない吹き出しを自分で考えることもできる。その自由度が新しいものだった。そして何より、白黒写真で撮られたかのように描かれた人間の表情と、不思議なキャラクター、そして細部にも描かれている町は、どこか奇妙で懐かしい雰囲気。その不思議な絵に魅了されるのに時間はかからなかった。

不思議なキャラクターを踊るように表現し、ありふれた日常に溶け込むセンスオブワンダーを描くことを得意とするショーン・タン。「アライバル」は文章をいっさい入れないグラフィック・ノベルという新しいジャンルを築きあげた作品である。

時に、感情を表す”言葉”は必要ないのかもしれない。

最近、「イヌ」という新しい本が出たようだ。本屋さんで見てみよう。

今日のひとこと

好きな本なのに、今なぜか部屋にない

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