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【あひろ場11】AIによる占いは当たるのか?――ないしは、占いの結果11(12220文字)


AIに占ってもらったほうが正確じゃね?


占わせてくださーい!

とか呼び掛けて、

1、生年月日
2、出生時間
3、出生地

を教えていただき、

誕生時の星たちの度数を出し、

それら相互の角度が描く模様を読ませていただく――

というような

多分に怪しい活動を

最近、

このnoteでさせていただいている。

歳差運動について思うと、

なになに座みたいなサインには整合性がないような気もするし、

出生時刻の正確性に依存するところの大きいハウスやアセンダントなんかに対しては、

今一つ信用が置けない気がしないでもないので僕は、

もっぱら、

星たちが形成する模様を重視して

その方の内的な景色を

ポエムライクに語ってみたいと思っていたりする。

なんにせよ、

僕は占い師ではないので、

僕の占った結果については

まあ適当にうっちゃってもらってよいわけなのだが、

僕自身は、

この

星たちが描く模様が、

その空の下に生まれた人の潜在的なあり方を規定しているように

まんま信じてしまっている💦

――どうかしてるぜ?

って言われちゃうかもだけど、

信じることに理屈なんてない。

信じちゃうものは信じちゃうのだ。

ただただ経験的に――。

――で、さて。

角度占いは

「当たる!」

という評価を

僕の周りの人たちからは

得ていたりするのだが、

もし本当に当たっているなら、

なんでかなー?

という疑問が生まれてくるわけで、

だから考えてみたのだけど、

【仮定としての答え】は次のとおり。

すなわち、

【僕が信じているから】。

量子力学的にいっても、

あらゆる結果に対して

「観察者の眼差し」は

有意な影響を与えるようだが、

それに似て、

僕の、

つまり占う者の思い込みが

占いの結果に

大きな影響を与えているような気がしてしかたがない。

ま、

魔法みたいなもんで。

あるいは壮大なる勘違い。

だからポエムだと言ったのであるよ。

星占いって、

生まれた時と場所から機械的に導かれる数値

に対する解釈なわけで、

解釈にもセオリーがあるのだし、

例えばAIに占わせたら

どのAIもほとんど同じ結果を出してよこすんじゃないか

と僕は思うのだけれど、

じゃあこの僕が出す結果もAIと同じなのかというと、

たぶん同じじゃない。

僕は生身の人間だし、

だからAIとは違って

ある程度の振れ幅のうちでだけど、

振動し続けている。

そのときの気分や体調や、

たまたま目にしたニュースや、

時代の空気や、

さまざまなものに影響されつつ

ある種偶発的に発生する

オリジナルな感受点が僕であるわけで。

そのような感受点が

占う者として

占われる者と、

おそらくだけど

「気」だとかなんだとか、

あるいは「時」かな、

よくわからないけど、

なんらかを交換しながら配置を見詰めて、

匂いや

響きや

息遣いなんかを感じ、

それらに導かれるようにして

角を曲がり、

十字を突っ切り、

結果にたどり着くのであるよ。

たぶんAIは

数字を解釈するだけだけど、

占う者は

数字をもとに立ち上がってくる景色を味わうのだと思う。

インクの染みが、

主観によりて

さまざまな像に解釈され得るように、

角度たちの紡ぐ模様は、

占う人間によりて

さまざまな景色として眺められるんじゃないかと僕は思う。

そういった意味で

僕が

星たちの角度の有意性に

経験的な信頼を寄せている以上、

僕の読む景色は、

占う者と占われる者がなんらかのやり方で交わした交流の色で染めらるんじゃないかと思う。

ここでいう交流は言葉のやりとりではない。

――結局のところ、

占いってのは儀式で、

天空図ってのは祭壇で、

そこに召されたXは

論理的にではなく

魔術的に導かれたなにかなんじゃないかな。

AIにできるのは儀式に則ったやり方で祭壇を設えるまでのこと。

AIには魔法は使えないんじゃないかと思う。

じゃ、

魔法ってなによ?

って訊かれちゃうでしょ。

そしたら、

ま、

「ポエムですよ」

とか僕は応えるんだろな💦

――儀式は厳密に執り行われなければならない。

でも、

儀式を儀式で締め括ってはならない。

配置に息吹を与えるために、

占う者は、

占われる者を

肯定しなくてはいけないし、

受容しなくてはいけない。

言葉にすると、

どうにもやっぱり

ポエムにしかならないな💦



『あひろ場』に参加してくださったTさんの結果を転載させていただきます。

Tさんは、noteを書いてはおられず、でも、あひろの、いつだったかの『プラネティカについての記事』

をたまたま読んでくださり、で、「プラネティカってどこで買ったの?」って質問するために僕にメールをくださり、そのついでに『あひろ場』への参加を希望してくださったのでした。

この方の配置、なかなかすごいですよ。

あひろ場史上最多のアスペクト(有意な角度)を記録しちゃいました!

(アスペクトが多いからよいだとか少ないからよいだとかそういうことはないです💦)

角度の占いってなんなのか――、それを知りたい人は、ちょっと長いけど、できたら読んでみてねー!

手書きですみません💦

■ホロスコープ
太陽:獅子座9度
月:射手座7度
水星:乙女座6度
金星:獅子座2度
火星:水瓶座19度
木星:蠍座26度
土星:双子座4度
天王星:天秤座10度
海王星:射手座0度
冥王星:乙女座27度
アセンダント:乙女座4度

■解読
「有意な角度」をたくさん持った生まれです。
配置図をご覧ください。
線が錯綜していますね。
「あひろ場」史上もっとも角度の多い方でした。
先日拝見したある方の天空図には赤い線が2本、青い線が2本、計4本の線しかなかったのですが、それに比べてこの方の天空図には、記載されるべき線が合計でざっと14本ありました(アスペクトが多いほうがよいだとか少ないほうがよいだとかいうことはありません)。
うち赤い線は4、青い線は10(木星と海王星の重なり、すなわちコンジャンクションは省いています)。
赤い線はハードアスペクト(凶角ともいわれる、のっぴきならない角度)を示し、青い線はイージーアスペクト(吉角ともいわれる、おだやかな角度)を示しますから、この方は、凶角よりも圧倒的にたくさんの吉角を持っておられるわけです。
平均に比べて、ある意味恵まれた、心労の少ない生き方のできる方かとお見受けいたします。
とはいえ、赤い線が、天空図の左半分に大きな三角形を描いてもいますよね。これがこの方の、統合してゆくべき課題でありましょう。
たくさんの吉角に癒され、励まされながら、自らの凶角に向かい合い、ときにはやり過ごし、ともあれそれらを具体的に生きることで少しずつ統合し、中心点の己に近づいてゆく旅を続けることが人生のあらましとなるかと思われます。
3つの凶角で形成されたこの三角形は「Tスクエア」と呼ばれる複合アスペクトです。
――私事になりますが、うちの妻も、金星、火星、土星がらみの「Tスクエア」を持っています。
ですから他人事とは思えません。
葛藤や対立を、じゃんけんみたいな三竦みなありさまで内包している方ですね。その意味ではしんどい課題を背負っていると言えましょう。
この方の場合は、土星と月の「対立」に対して、水星が「葛藤」のビームを投げ分けている「Tスクエア」です。
月がらみの「Tスクエア」ですから、女性でいらっしゃいますと、妻として、母として、ややしんどい思いをされている一面があるかもしれませんね。そのあたりはまたあとで詳述いたします。まずは全体を概観しておきましょう。
他に赤い線は1本。土星と海王星のオポジション(ニアリー180度の対立角)です。
ただ、こちらは「近い星(太陽、月、水星、金星、火星)」がらみのアスペクト(角度)ではないので、個人の意識にはそれほど強い影響を与えていないかもしれません。こちらも詳細はのちに譲りますね。
凶角についての概観は以上となります。
少ないですね。
続いて吉角についても概観したいのですが、その前に、先ほど登場した「オポジション」みたいな、代表的な角度について紹介をしておきましょう。
――
■凶角
・スクエア(ニアリー90度の葛藤角)
・オポジション(ニアリー180度の対立角)
■吉角
・セクスタイル(ニアリー60度の調和角)
・トライン(ニアリー120度のさらなる調和角)
■吉凶混合
・コンジャンクション(ニアリー0度の合一角)
※「ニアリー」と表しているのは「オーブ(誤差)」を認めているからです。プラスマイナス5度程度は誤差とみなします。ただし誤差が小さいほど(角度がタイトなほど)星どうしの意味合いは強く働きます。
――
さて、先に概観した凶角についてですが、この方の月は土星とオポジション(180度の対立角)ですね。
そして水星が、土星に対しても、月に対してもスクエア(90度の葛藤角)です。
そうです。
月(「感情」や「個人的無意識」や「母親」や「日常」や「幼少期の自分」や、男性であるなら「妻」、女性であるなら「妻としての自分」や「母としての自分」を象す星)と土星(「制限」や「倹約」や「困難」や「試練」や「年長者」を象す星)の『対立〈180度〉』を、水星(「知性」や「コミュニケーション」や「友情」や「中性性」を象す星)が、90度ずつに切り分けている(『葛藤〈90度〉』をもたらしながら膠着させている )と読めます。
このような、1つのオポジションと2つのスクエアで形成されている三角形なありさまを「Tスクエア」と呼ぶのです。
だなんて角度の読み方を解説してしまいました。
――さて、それでは、同じように、角度たちが形成している配置を、今度は吉角について概観してみましょう。
青い線、すなわち吉角たちが紡ぐ模様も、この方の場合、天空図の左半分に集中しています。
右半分にはポツンと火星があるだけです。
他の星たちとの角度を持たずに孤立している星のさまを「ノーアスペクト」と呼ぶのですが、この方の火星のノーアスペクトっぷりもなかなかなものであります。
右半分にある星はただ1つ、火星だけで、しかもこの方の配置図においては、唯一火星のみが孤立していますので、「火星のノーアスペクト」も、この方を特徴づける大きな要素であると捉えられますが、これについても詳細はのちに譲りますね。
左半分に星が片寄っているのは、元大統領のトランプさんなんかもそうらしいのだけれど、何事に対しても主体的に取り組んでゆける人柄を象すのだそうです。
逆に右半分に片寄っている人は、他者と協調的に生きる運命にあるのだとか。天空図の左半分は自分を、右半分は他者を象すフィールドでありますため。
――話を戻して、青い線たち。
吉角についても複合アスペクトが目立ちますね。
まず、「太陽がらみの三角形」。
太陽と月がトライン(ニアリー120度の調和角)です。
そしてその120度の調和を、天王星が60度ずつに切り分けています。
60度というのはセクスタイル(調和角)ですから、太陽と月との大きな調和を、天王星が、小さな2つの調和に切り分けているようなそんなイメージです。
このような三角形は「小三角」と呼ばれています。
調和を調和が切り分けているわけですから、よい配置であるといえましょう。
意味を少し読んでおきましょうか。
太陽(「社会的な自分」や「自意識」や、女性であるなら「夫」、男性であるなら「夫としての自分」を象す星)と月(「感情」や「個人的無意識」や「母親」や「日常」や「幼少期の自分」や、男性であるなら「妻」、女性であるなら「妻としての自分」や「母としての自分」を象す星)の調和的な関係を、天王星(「ハプニング」や「イノベーション」や「目立って個性的なさま」を象す星)が調和的に切り分けているのが、この方の、「太陽がらみの小三角」となります。
社会的な活躍という点においても、安定した結婚生活という点においても恵まれていて、たとえそこに、例えば転職や、あるいは離婚など、なにかしらのハプニングが生じたとしても、そのこともまた大きく捉えるとこの方の人生のよりよき安定に資してしまうような、そんな景色が読み取れそうです。
月について着目すると、月は、土星とオポジション(対立)で、ゆえに、この方が女性なら、妻として、または母として、なんらかの「制限」と向かい合ってゆかなくてはならなかったり、「年長者」、たとえば父君や、義理のお父さまとの関係において我慢しなくてはならないことに見舞われたりだとか、そのような試練に晒される配置にあるわけですが、一方でまた月は、太陽との関係においてトライン(調和的)でありますから、この方が女性なら、妻として、夫と、調和的な関係を築けたり、あるいは社会的に活躍したい女性なら、自身が仕事に恵まれて安定したりと、安寧のもたらされる配置にあるわけです。男性なら、文句なく、よき社会的地位とよき家庭生活に恵まれそうな配置であるかもしれません。夫婦で共同事業の経営に携わったりしても成功するかもしれませんね。
天王星という「変化」を象す星がよいスパイスになって、マンネリに陥らずに成長してゆけそうにも読めます。
羨ましいですな。
――そして、はい、この方にはもう1つの「小三角」があるのですね。
「金星がらみの小三角」です。
金星が冥王星に対してセクスタイル、海王星に対してトラインです(ということは冥王星と海王星がセクスタイルです)。
金星というのは、「女性性」や「美」や「金銭感覚」や「趣味嗜好」などを象す星ですから、月とともに、この方が女性であるならとりわけ重要な星です(男性にとっても金星は恋人を象しますので、妻や母を象す月と並んでやはりとても重要な星です)。
そのような金星、すなわちこの方の女性性が、「夢幻」や「癒し」や「流行」や「集合的無意識」を象す海王星とトライン(ニアリー120度の調和角)ですから、その意味はたやすく想像できますね。詳細はのちに記しますが。
また金星は、「徹底」や「破壊と再生」や「オール・オア・ナッシング」などを象す冥王星とセクスタイル(ニアリー60度の調和角)です。
冥王星は、いちばん遠くにあり、いちばんスピードが遅く、いちばん影響力の大きな、まさに天空のラスボスでありますから、この方の女性性は、そのような大親分とも調和的なのでありまして、そちらの効果もやはりたやすく想像できそうです。こちらも詳細はのちに譲ります。
そう。金星は海王星および冥王星と「小三角」を形成しているわけです。
このように、この方は、バランスのよい小さな三角形を、太陽がらみと金星がらみで2つ抱えていらっしゃるのでした。
そしてまた金星は、さらなる複合アスペクトにも加担しています。
凶角について見たとき、この方の月は土星とオポジション(ニアリー180度の対立角)を形成していると書かせていただきました。
「感情」や「個人的無意識」や「母親」や「日常」や「幼少期の自分」や、男性であるなら「妻」、女性であるなら「妻としての自分」や「母としての自分」を象す月が、「制限」や「束縛」や「試練」や「年長者」を象す土星と緊張関係にあるわけです。
この180度を90度ずつに、すなわちスクエア(葛藤角)に切り分ける水星も、「Tスクエア」という三竦みの三角形を形成してしまうありさまでした。
この「Tスクエア」の克服こそがこの方の課題であると述べさせていただきました。
しかし。
そう、この方の場合、金星が、実に素晴らしい位置にあるのでありました。
獅子座の頭にある金星ですから、なかなかに目立ちたがりなわけですが、いやほんと、天空図のうちにおいても実に目立っておりますね。
金星が、月に対してトライン(ニアリー120度の調和角)です。
そして、土星に対してセクスタイル(ニアリー60度の調和角)なのでした。
これはどういうことかというと、先に述べました月と土星のオポジション(ニアリー180度)を、すなわち対立や緊張を、金星が、トライン(ニアリー120度)とセクスタイル(ニアリー60度)に調和的に切り分けているということです。
これを「調停」と呼びます。複合アスペクトの1つです。
180度の対立や緊張を、120度と60度に切り分けて「調停」することで金星さんは、月さんと土星さまに呼び掛けているわけです。
「ねえねえ、のんびりやりましょうよ。肩の力を抜いて、ほら、お茶でも飲みながら話し合いましょう?」みたいに。
オポジションという「対立」を、この方は、具体的に生き、そしてその角度を1段上のフェイズで統合し、もって中心点を目指さなくてはならないのですが、その際に、金星による「調停」は、この方が2階へ上がるためのまさにハシゴとなってくれるのでありました。
具体的なイメージをたとえ話で書いてみます。
――素敵な太陽くんの奥さまである月さんですが、義理の父親である土星さまとなかなかウマがあいません。いちいち管理されて緊張しっぱなしです。中性的な友人の水星さんに相談しますが、水星さんったら月さんにも、それから土星さまにも、妙に理性的なアドバイスなんてしてくれちゃうばかりで、なんかむしろ問題がこじれてしまいそう……。
そんなときは娘の金星さんの出番。
「お母さん、おじいちゃん、ちょっとこれ見て。新しいドレスよ。素敵でしょ。今度そろって美味しいゴハンでも食べに行かない?」
孫娘のひらひらとしたかわいさに笑顔を浮かべる土星さま。ほっとする月さん。
おじいちゃんとお母さんの手を繋がせて金星さんは週末の町に繰り出すのでありました――。
――みたいなイメージです。伝わりましたでしょうか?
「調停」の角度を提供する金星さんは、この方の配置図において燦然たる輝きを放っているのでありました。
しかもですよ!
獅子座の、いくらかハデハデしい金星さんですが、実は倹約家でもあるのです。新しいお洋服だってちゃんとセールで購入したのでありますよ。浪費家ではないのです。
なぜそういえるかというと、この方の金星が土星とセクスタイルだから。
土星は「制限」や「節約」や「禁欲」の星です。そういうおじいちゃまなのです。
贅沢好きで、いくらか見栄っ張りなところもありそうな獅子座の金星さんですが、おじいちゃまとは大の仲良しですから、お小遣いをしっかり貯めて、バーゲンセールでお洋服をゲットする堅実さを身に付けているのです。
金星と土星のセクスタイルは、しっかりとした金銭感覚を象しているのですね。
ちなみに、この方の太陽、先の物語でいうなら、金星さんのお父さん、すなわち月さんの旦那さまですが、この方もしっかり者です。
太陽と土星がセクスタイルでありますから。
派手な獅子座にありながら、土星さまによくしつけられ、太陽くんは堅実で、古風で、律儀なタイプの男性なのでありました。
ちなみに月さんは射手座です。わりと奔放な奥さまです。
以上を総合しまして、この方の内的一家を紹介すると次のようになりますでしょうか。
――獅子座の太陽くんは、なかなかにハンサムな、かつ素直な好青年で、双子座ゆえに物知りな土星さまの自慢な息子であります。
奥さまは射手座の月さん。買い物しようと町まで出掛けたら財布を忘れていたり、お魚くわえたどら猫追い掛けて裸足で駆けてみたり、ちょっとサザエさんな女性です。
太陽くんとはトラインな仲良しなのですが、義理父である土星さまとはオポジションな緊張関係にあります。
親友の水星さんに相談すると、嫁とはかくかくしかじかであるべき……、みたいに説教されてしまいました。乙女座の水星さんは実に潔癖な人なのです。土星さまにまで、老いてはなんちゃらとか、面倒なことを言い放ってしまい、月さんと土星さまはますます硬直してしまうのでありました。
そんなときには獅子座の娘、金星さんの出番です。陽気で素直で愛らしく、目立つことが大好きな金星さん。おじいちゃまからいただいたお小遣いをためて、50%OFFで素敵なお洋服を買いました。学芸会のときに着て、おじいちゃまを喜ばせ、同時にお母さんを癒しました。
金星さんは、ママである月さんと、もともとトラインな関係ですからね、仲良し母子なのでありました。
でもって金星さん、町内会長の冥王星さまにも気に入られています。
乙女座組の大親分でもあるらしい冥王星さまは筋金入りの律儀な漢なのでありました。
獅子座のはじまりと乙女座のおしまいは、サイン(星座)のエネルギーこそは葛藤角なれど、天体のアスペクト(配置)においては調和的なのであります。
夏祭りの浴衣をバーンとプレゼントしてもらえちゃいました。
射手座の月ママさんとも親分は、実に気が合うようで、母子を優しく見守ってくださっているありさまなのでした。
そんなある日、太陽くんに辞令が……。突然の転勤です。
天秤座の株式会社天王星の命令なのでありました。
太陽くんと月さんは悲しんだでありましょうか?
いいえ。だって栄転なんですもん。
4トントラックに荷物を積み込み出発です。土星じいちゃん、太陽パパ、月ママと一緒だし、冥王星親分が口をきいてくれて、引っ越し先の組長にもお世話をしていただけることが決まり、金星さんは、新しい町で、町興しアイドルとして、憧れの海王星事務所に所属することが決定(冥王星を頂点にした小三角)、気分は上々です。
土星じいちゃんは海王星事務所が気に入らないようでオポジションな態度をとってはいますが。
海王星事務所には木星財団が寄り添っていますし、こちらも冥王星親分との親交が厚いので、一家の未来はとても明るいようです。
転勤というハプニングもまた、太陽くんと月さん夫婦には調和的に効いてくるのでありました(天王星を頂点にした小三角)。
獅子座のパパと射手座のママ、それから双子座のおじいちゃんに囲まれて獅子座の金星さんはとても幸せです。
ただ1つ笑えてしまうことには、引っ越し先にも口うるさいご近所、そう、別の水星さんがいるではないですか。
ママとおじいちゃんはときどきピリピリしているし、水星さんがそれになにやら首を突っ込んで、乙女座的な教訓を垂れてくださっちゃってるみたいだけど、獅子座と射手座と双子座で構成された、サバサバカラリなサザエさん一家、総じて明るく、幸せで、意欲に満ちて、前向きなのでありました。
おしまい――。
――以上の内的家族の物語はたとえ話です。
しかし、この方、水星を除く個人的な星たちがことごとく男性宮でありますから、この物語のように、明るく、力強く、前向きな方であろうかと想像できます。
男性、と書いて、はたと思い当たりました。
火星。
そう、「男性性」や「攻撃性」や「行動力」を象す火星が、この方の物語には登場しませんでした。
それもそのはず。
この方の火星は、配置図の右半球に、ポツンと、他のどの星とも関係を持たずに孤立しているのですから。
にぎにぎしい一家とは対照的に火星くん、実に寂しげでありますね。
水瓶座の火星くんですから、自由を愛していますし、自立していますし、少し変わり者でもありますから、孤立を楽しんでいるのかもしれません。
とはいえ、金星さんにとっては火星くんこそが本来的な彼氏なのでありまして――。
ふうむ。パパともママとも、そして近所の親分さんや、芸能事務所や財団とさえよい関係を紡げている金星さんですが、その物語に火星(恋人)は登場しないのでありますねえ。
金星さんの運命の彼氏は、スナフキンのような流離いの旅人なのかもしれません。
と、まあそんなあらましが、この方の内的な配置なのでありました。
外観してみるに、繰り返しとなりますが、この方、感受点が、天空の左半分に片寄っています。左半分では、実にたくさんのアスペクトが形成されています。複合アスペクトも目立ちます。ハードな「Tスクエア」が1つ。イージーな「小三角」が2つ。対立を調和的に切り分けてくれる「調停」が1つ。
にぎやかな左半分に対して右半分はまさに荒野。空白地帯です。
ポツンと火星がただ1つ。
天空図の左半分は自分を、右半分は他者を象すゾーンだとされています。
この方、主体的で、悪くいえばいくらか身勝手。なんなら他者不在。
この方の課題は、先に述べさせていただいた「Tスクエア」の克服のみではなく、いえ、むしろ、他者との協調にこそあるのかもしれません。
ヒントになるのは火星です。
火星が象徴しているのは、「男性性」や「攻撃性」や「行動力」や「性的衝動」などです。
この分野を、おそらくこの方は、他者に投影しがちかもしれませんが、しかし実はこれらすべて自身の内的な要素でもあるのであります。
ですから、火星も使いこなしてゆかなくてはなりません。
火星が暴発してしまうことがこの方のリスクとなるかもしれないのです。
しかし、自身の内側には火星との有効な角度がありません。
内的な火星を意識化するために、現実の他者と関わり、他者の内側にある感受点に照らしてもらう形で自身の火星を特定してゆけるとよいでしょう。
ともあれ、火星も水瓶座。
この方の個人的な星たちは、やはり繰り返しになりますが、水星(「知性」や「コミュニケーション」や「友情」を象します)以外はみな男性宮に属しています。
男前な方なんじゃないかと想像してしまいます。
ちなみに、アセンダント(出生時の東の地平)は乙女座です。
外見的に、若々しく、中性的で、すっきりとした印象を醸しているとされますがいかがでありましょうか?
アセンダントと、くだんの水星さんがコンジャンクション(ニアリー0度の合一角)ですからね。水星さんも、単なる近所のおばちゃんではなさそうです。
それどころか、先ほどの物語の中でこの方の配役は、案外水星さんだったりするのかもしれません。個人を象す星のうちで唯一の女性宮に位置する星。
そして、それも含めての全体性が実際のこの方なのでありますね。
なかなかに物語性に富む、すなわち有意な角度の多い、孤立した火星とのコントラストも鮮やかな、にぎやかな内面を、左半分に片寄らせながら持っていらっしゃる方の景色、興味深く見詰めさせていただきました。
以下に角度たちを各論にて記します。
矛盾している意味内容は統合的にアウフヘーベンして理解してください。

●太陽と月がトライン
仲良し夫婦を目指せます。亭主関白になる男性は避けましょう。
夫婦での共同事業にも向いています。
目指すことと感じることに矛盾がないので成功しやすいです。

●太陽と天王星がセクスタイル
変化を味方につけられます。
俗にいうタナボタにも恵まれやすいかも。
個性的ですがひとから嫌われません。
変化もチャンスも多い人生です。

●天王星と月がセクスタイル
独創的で個性的。
新しいことにすぐに順応できそうです。
変化と自由を愛する人でしょう。

※以上は「小三角」です。

●金星と海王星がトライン
芸術に理解を寄せます。美意識が高そうです。
金銭にこだわらず理想を愛します。
恋愛面ではいくらか依存的な傾向があるかもしれません。

●金星と冥王星がセクスタイル
モテます。性的なアピール力も十分です。愛情深いです。
趣味に打ち込みやすいでしょう。

●冥王星と海王星がセクスタイル
スピリチュアルに関心が高い世代の生まれです。
ひとの気持ちが読めるほうかもしれません。

※以上も「小三角」です。

●金星と月がトライン
外見に恵まれているのではないでしょうか?
温和でひとから慕われます。
仲良し母子かもしれません。

●金星と土星がセクスタイル
経済観念がしっかりしています。
恋愛には奥手かもしれません。
年の差のある恋愛に縁があります。年長者に可愛がられるでしょう。

●太陽と土星がセクスタイル
真面目で常識をわきまえています。地道なコツコツ型でしょう。
古風なところもあります。忍耐強く倹約家であることが多いです。
またはそういう男性を夫に選びそうです。
年長者からの束縛を受けているかもしれません。

※以下は「Tスクエア」です。

●月と土星がオポジション
落ち着いた人です。責任感が強いです。
ネガティブになってしまう一面もあります。取り越し苦労をしがちかもしれません。
年長者との対立に気を付けたいです。

●土星と水星がスクエア
対面でのコミュニケーションに苦手意識があるかもしれませんが、そのぶん文章を書くのは得意でしょう。
対話では感情よりも理性に重きを置きがちです。
用心深いです。

●水星と月がスクエア
失言に注意。つい口をすべらしがちです。
情報発信力が高いことを自認して噂話を慎むよう注意するとよいでしょう。

※以上が「Tスクエア」。

●木星と海王星がコンジャンクション
スピリチュアルな能力があるかもしれません。
実力以上の抜擢を受けがちともいえそうです。

●木星と冥王星がセクスタイル
財運あり。食べてゆくのに生涯困りません。
育った家庭が恵まれていたか、築いた家庭が恵まれているか、仕事が成功しているか、いずれかではないでしょうか?

●土星と海王星がオポジション
いじめを受けただとかなにかしらの要因により他者との関係構築に後ろ向きかもしれません。
頑固だったり、ストイック過ぎたりでストレスをためないよう注意しましょう。

●火星がノーアスペクト
使い方がわからず、エネルギーを制御しづらいかもしれません。
怒りや衝動をどう扱ったらいいのか戸惑います。
女性の場合は男性とのトラブルに注意しましょう。

以上、イージーな角度が10、ハードな角度が4、コンジャンクションが1、ノーアスペクトが1。オーブ(誤差)を5度ほど認めています。

家庭運に恵まれた、真面目な、しかしいくらかお転婆な、チャーミングなお嬢さまが窓辺で、白馬の王子さまを夢見ているような――、そんな穏やかで温かな気配を感じつつ、配置を、とても楽しく読ませていただきました。
ご参加くださりありがとうございました。

5/22追記
Tさんより、「会ったこともない人物の特徴、人生をここまで読み解けるものなのだろうか?!と、驚きでいっぱいです――」とのご感想をメールで頂戴いたしました😀
ご参加ありがとうございました😃✌️

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お代はいただいていませんが、結果に満足していただけましたら、サポートしていただけますと嬉しいです😆!

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