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人生のすべては「万策尽きたー」からが本番。『SHIROBAKO』に学ぶピンチのときにやるべき3つのこと。

少し前にKDDIの大規模障害がありました。対応したすべての方々が大変なご心労だったと思います。

こういう障害、問題の記事を読むといつも頭に浮かぶのが「万策尽きたー」という『SHIROBAKO』の本田さんのセリフです。今回は「万策尽きたー」でおなじみの本田さんに注目してみようと思います。

※本田さんというキャラクターは問題が行き詰まると「万策尽きたー」と頭を抱えて叫びます

まだ観ていないという方、『SHIROBAKO』については過去記事を参照ください。

※本記事にはネタバレ要素を含みます

万策が尽きるとき

仕事をしているとありますよね?「万策尽きたー」と言いたくなるときが。

それは、売上目標が未達なのかもしれないし、制作物の納品が遅れてしまう、台風で必要なものが届かないなど、、、、万策が尽きた日は誰にでもあったと思います。

しかし、『SHIROBAKO』の中で何回も聞くこの「万策尽きたー」のセリフ。なんども万策尽きますが、結局なんとかなるという笑

もちろん、フィクションなところもありますが、現実世界でもここから学ぶことは沢山あります。

案外、万策は尽きないもので、自分の見えている範囲での策が尽きただけ。色々と別の策はまだあったりします。

『SHIROBAKO』のエピソードを例に、「万策尽きたー」のときに取るべき3つのアクションについてお伝えします。

話してみる


「できない、とぶっちゃけて話してみよう。」

3話「総集編はもう嫌だ」でFTPサーバーの障害により、データが上がらないことがわかって、茫然自失とする宮森。そんな宮森を見かねた矢野さんがフォローに入って話を聞いてあげるシーンです。

宮森は矢野さんのフォローのおかげでようやく「できない」と話すことができました。良くない上司は「できない」と言うと否定してきたりしますが、良い上司はまずは「できない」と言うと、理由や事実を客観的にヒアリングします。矢野さんも「何をもってできないというのか」と宮森に聞きます。矢野さんになら詰められてもいいけど。

そして、他の皆もFTPサーバーの異常に気が付き始めててんやわんやになり、「万策尽きそう」な感じで話していると、あの人が動き出します。

興津「私が行きましょうか?」

(中略)

本田「興津さん総務なのに?残業しない主義なのに? いいんですか?」

興津「宮森さん 絵コンテとアフレコ台本 タイムシートをください」

『SHIROBAKO』3話「総集編はもう嫌だ」より

いやまじ、興津さん最高です。

みんなが安心した様子で、興津さんの過去を知らない宮森だけが困惑している様子。このあとの監督が興津さんに正座しながらコーヒーを渡しているシーンがとても印象的です。観ていたら必ず思う疑問、、、、興津さんは何者なんだとw

ちなみに、20話「がんばりマスタング!」のシーンで木下監督が

「謝ろう!みんなで興津さんに謝ろう!ねっ ごめんなさい!興津さん」

『SHIROBAKO』20話「がんばりマスタング!」より

このシーンもめちゃくちゃ印象的です。監督が謝る興津さんホント何者、、、

あと、忘れちゃいけないのが興津さんの声。中原麻衣さんの声がドンピシャです。中原さんといえばやっぱりCLANNADの渚が一番印象深いですが、鋼殻のレギオスのフェリも捨てがたく、、レギオスにはレイフォンの強さとフェリのかわいさでドハマリしてました。夏休みはCLANNADとか見直そうかなと記事を書いていて思いました。

脱線しましたが、「万策尽きたー」と思うとなかなか人に話すということが浮かばないんですよね。でも、一度話をしてみると話が進んでいって解決するということが多いです。

休んでみる


「できないなら思い切って休んでみよう。」

休んでみる大切さは、7話「ネコでリテイク」でのえまっちの涙から、8話「責めてるんじゃないからね」で特に感じられます。

えまっちが猫の絵がうまく描けなくて落ち込んでしまう話。えまっち頑張れ!と応援するとともに、アニメーターの厳しさが垣間見えるエピソードです。えまっち的には自分の中で「万策尽きたー」と考えてしまっているように見受けられます。そんな様子をみて杉江さんとのやり取りが、えまっちの「万策尽きたー」を象徴しています。

杉江「食べていくのも大事だけど なんのために描くかって考えるのも大事だよね」

えまっち「生活のためです」

杉江「安原さんはなんでアニメーターになろうと思ったの?」

えまっち「絵を描くのが好きだからです それだけじゃいけませんか」

杉江「好きなことをして食べていけるのは幸せなことだ」 
  「だけどそのうち描くだけじゃもの足りなくなってくる」
  「何か新しい目標が必要になってくるんだ」

えまっち「目標.....」
 
杉江「世界中の子供たちが 笑顔になってくれたら…. 僕はそう思いながら描いている」

えまっち「私は そんな大それたこと全然思えません」

『SHIROBAKO』8話「責めてるんじゃないからね」より

いやー病んでますよね。ただ、気持ちはとてもわかります。

こんな、病んでいるえまっちの様子をみて、杉江さんが井口さんにお願いしてえまっちを散歩に連れ出します。

この散歩で井口さんはえまっちに「真似をしてみたら?」と教えてもらって、えまっちは「真似していいんですか?」と自分の中にない視点をゲットします。そして、出会った猫(ニャジロウ)という実物をみることで触ってみて、自分の中で新しいアイデアが浮かんできます。うまくいくかいかないかはほんのちょっとの違いなんですが、休みがないとその違いが入ってこない。

このシーンの最後、井口さんが「描けそう?」といって「うん」とうなずくときのえまっちは本当にかわいくて大好きなシーンの一つです。ちょっとだけ上目遣いな感じでネコポーズする。尊い。

お願いしてみる


「無理そうならいっそお願いしてみましょう。」

11話の「原画売りの少女」のBパートの後半、矢野さんのお父さんが倒れて矢野さんが現場から離れることになります。原画が見つからない状況で本田さんいわく「万策尽きる寸前」そんな中、宮森はある奇策を思いつきます。

宮森「ちょっと待ってください」

本田「え?」

宮森「もう一人だけ あたってない人がいました」

『SHIROBAKO』11話の「原画売りの少女」より

思い立った宮森は猪突猛進で雀荘に殴り込みます。

宮森「弊社 渡辺はこちらにいますでしょうか?」

渡辺「ちょ〜い! 取り込み中だぞ」

宮森「はあ〜 よかった」

(中略)

渡辺「はあ?」

宮森:「渡辺さん昔は進行もデスクもやっていましたよね? でしたらお知り合いがいますよね?」

『SHIROBAKO』11話の「原画売りの少女」より

そんなやり取りをみていた出版社の偉い人、尾之上さんが若者を冗談交じりに茶化し始めます。

尾之上「アニメーター探しているの? 

(中略)

尾之上「管野とか知っているかな?」

宮森「管野…」

尾之上「管野光明 「新世代アヴァンギャルドン」の監督の」

宮森「え!」

渡辺「うちの若いのからかうのは やめてください」

(中略)

宮森「ありがたいです! 」

尾之上「え?」

宮森「ぜひ よろしくお願いします!」

尾之上「う〜ん」

(中略)

尾之上「う〜ん ホントに管野のとこ行ったと思う?」

桜田「思いますね」

葛城「思います」

渡辺「間違いなく行きましたね」

『SHIROBAKO』11話の「原画売りの少女」より


宮森が原画がどうしても終わらないときに「本気」になって動いて人にお願いしました。「本気」でお願いをすると人は答えてくれます。壁にぶつかるとグレたり、ふてくされたりするのですが、案外一歩踏み出して「本気」になると物事は動き始めます。

「万策尽きたー」ときこそ「本気」になって人にお願いしたり、相談したりすることで、誰かが必ず助けてくれます。どんなにきれいな論理を並べて、側だけ作ったビジネスモデルも絶対にやり切るという「本気」の前には勝てないと思います。

もちろん、無計画な精神論はもってのほかで、考えて、考えて、考えても超えられない壁があるとき「本気」かどうかを自問自答してみるといいと思います。そして、「本気」なら臆せずに人にお願いすることができると思いますし、「本気」で駄目ならしょうがない笑

まとめ

もし、仕事や日常生活で「万策尽きたー」そのときは、

話してみる
休んでみる
お願いしてみる

を思い出してみてください。

何事も「万策尽きたー」からが本番です。万策尽きないようにがんばりますが、絶対に万策が尽きるときがあります。そのときに備えて、小さい「万策尽きたー」になれておくと、とてもいいと思います。


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