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分子栄養学で発達障害児を育ててみた

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新垣形成外科で分子栄養学を指導している新垣です。発達障害の息子を試行錯誤で育ててきました。 栄養満点のご飯を食べたら脳も良くなるかな〜と頑張ってみたら、まさかの医学部合格、医者に… もっと読む
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記事一覧

#1 3歳で診断、6歳で確定|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

こんばんは。新垣形成外科事務長の新垣です。発達障害の息子を分子栄養学で育ててきました。栄養療法で人生は変えられるということを皆様にお伝えできればと思います。心と体は繋がっていて、身体作っているのは栄養ですからね。 今日は息子のことについてお話ししたいと思います。息子は予定日より1ヶ月早く生まれ、体重も2,400グラムで小さな赤ちゃんでした。他の赤ちゃんと比べても成長が遅いと感じました。 1歳児検診では、他の赤ちゃんと比べて小柄で、できることやできないことに違いがありました

#2 神様からの試練ではなく私の貧血の問題|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

こんばんは、新垣です。発達障害の息子を育ててきましたが、栄養療法で人生を変えられるということを皆さんにお伝えできればと思います。心と体は繋がっており、体をつくるのは栄養ですからね。 昨日は、息子が発達障害で生まれてしまった経緯をお伝えしました。最初は神様の試練だと思っていましたが、分子栄養学を学びながら気づいたことは、お腹の中での赤ちゃんの栄養状態が生まれてくる子供の発達に密接に関連しているということでした。発達障害のお子さんたちの血液検査を見ても、健康的な結果が得られるこ

#3 腸内細菌叢に特徴がある|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

息子が発達障害と診断されたときのことをお話しします。彼はとても小さく生まれ、夜泣きが非常に激しかったです。まるで24時間戦っているような状況で、泣き声は他の泣き声とは比べものにならないほどでした。その悲鳴のような泣き声に、「一体どうしたら泣き止むのだろう?」と思うほどでした。毎日毎日、彼は泣き続けました。どうしても泣き止まないので、私も本当に辛くて一緒に泣いてしまいました。 当時、私たちは佐世保の山の中に住んでいました。主人はその地で医者として働いており、夜勤明けで帰っても

#4 ぜんぶドーパミンのせい!? |発達障害児を分子栄養学で育ててみた

発達障害や自閉症の子供たちのおなかの中に住んでいる腸内細菌には、特徴があります。感情や行動を制御する神経伝達物質と呼ばれるものが、この子供たちの場合、うまくできないことが分かっています。例えば、「ドーパミン」や「セロトニン」という言葉を聞いたことがありますか?これがうまく作れないと、子供たちがいつも元気で落ち着かない状態になることがあるんです。 三歳の健康診断で、私の子供は丸を描くのが苦手だと指摘されました。普通は簡単に描けるものなのに、息子は戻ってこれないカーブを描いてし

#5 砂糖が脳をダメにする|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

発達障害の息子は特性として多動性が強く、3秒椅子に座ることができない。でも、それも小学校の高学年になれば落ち着くかな? と期待していました。しかし小学校6年生になっても変わらず、外食に行くのも本当に難しいほど…やっぱり落ち着きのない子供でした。 この多動性は、怒っても叱っても難しい。だって原因はドーパミンだから。ドーパミンは脳の神経伝達物質。腸内環境が悪かったら、腸と脳は連絡を取り合っている(腸脳相関)のでドーパミンがうまく分泌されません。分泌が正常でないと、多動か動作が緩

#6 無邪気とイジメは紙一重なので|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

できないことが多い息子でしたが、小学校に上がるまではいじめにあったことがなくて、小学校に上がって初めてこの「いじめ」というものを親子共々体験しました。今覚えば、それがあったから今の息子がある。乗り越えて強くなった息子がいるかなと思っています。 今日は栄養のお話というよりも発達障害の人が、どんな風ないじめを受けたきたのかということをお話しします。 まず小学校に上がって最初のいじめは、一年生の時です。遠足の時に、水筒の水が飲めなかったというから、どうしたのかと思ったら、水

#7 ヒソヒソ話もできないの|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

息子が幼い頃、彼の落ち着きのなさは目に余るものでした。ファストフード店に行っても、彼は3秒と座っていることができず、外食は常に大変でした。勉強も困難で、丸が描けないことがありましたし、線と線を結べないこともありました。 また、いつも奇声を発していました。ギャーギャーギャーギャーと叫びながら、ひそひそ話ができない子供でした。これらは発達障害の特徴であり、本人は声を抑えようとしているつもりでも、調整できませんので、理解していただければと思います。 これらの運動機能に関して、神

#8 テストは0点でも計算はバッチリ|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

息子の小学校時代の学力は非常に低く、国語と算数の成績は10点や30点でした。息子はひらがなは読めたものの、内容理解ができませんでした。私は彼を叱りながらも答えを引き出そうとしましたが、今ではそのやり方を反省しています。 実は、私自身が平仮名を読むことはできるけれど、理解できない状況に陥りました。それは、コロナデルタ株に感染した時のことです。急速に重症化してしまい、ICUで約一カ月入院。退院後は日常生活を送ることができず、1ヶ月間は車椅子を使用し、酸素吸入器は2ヶ月間必要でし

#9 脳はコレステロールで作られる|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

発達障害は早めの対策が本当に重要です。日本では発達障害の診断が遅れがちですが、私の息子の場合、3歳児検診で先生から自閉症児の傾向が指摘され、就学前の6歳検診でも同様の指摘を受けました。なので、実際の対策は6歳からです。 早めの対策が重要な理由は、脳の成長が体の成長よりもはるかに速いからです。体の成長は男の子の場合、第二次成長期が終わるまでに16から18歳になると考えられますが、脳はもっと早く成熟します。通常、脳が大人の域に達するのは7歳前後で、これは小学校1年生の頃に当たり

#10 空気が読めない|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

息子は発達障害で、落ち着きがなく、よく叫んだり泣いたりしていました。そして、もう1つ大きな問題は、彼の年齢に応じた協調性や社会性の発達が見られなかったことです。 集団での行動が難しく、小学校低学年の時はゲームや遊びでもルールを理解できず、勝ったり負けたりしても納得できず、終わっても受け入れられませんでした。グループ分けだけでも泣いてしまうことがありました。 他の子たちと一緒に行動することが難しかったのです。一般的に言うと、彼は「KY(空気が読めない)」でした。 子供たち

#11 ウルトマランと同じ3分間|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

息子の学習方法についてお話ししたいと思います。私自身は、親から勉強しなさいと言われたことがありませんでした。父親は戦争中に小学校や中学校に通えなかったため、学ぶ機会が限られていました。 「自分は勉強したかったけれどできなかった。だから君たちは好きなだけ勉強してもいいんだよ」と、私に勉強を強制するのではなく、楽しんで学ぶことを奨励してくれました。 息子が小学1年生の頃、算数が苦手で、私は叩くなどして勉強を強制してしまったこともありましたが、父の言葉を思い出し、後に違うアプロ

#12 ある日突然、脳が目覚めた!|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

息子の勉強に関して一番心配していたのは、彼の高校受験でした。もし受験に失敗してしまったら…、彼がどこにも進学できないことを考えると、本当に心配でした。 そこで、私は中高一貫教育の私立学校に息子を進学させることにしました。息子が小学校6年生の時のことです。近所にいくつかの塾があり、見学に行きましたが、残念ながら体験授業で全て断られました。 塾に迎えに行った際、「お母さん、もしかして間違った塾に来ていませんか?」と言われました。息子には発達障害の特徴があり、授業に集中できない

#13 チャレンジを無謀と言うなかれ|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

息子は小学校から高校2年まで、勉強が全くできませんでした。高校に入学して進学クラスに入れても、最初はクラスで常に最下位。それが高校3年に進級すると、急にクラスで一番の成績を収めるようになり、周囲も本人も驚きました。 息子は授業を聞くだけで、知識が頭にどんどん入ってくると言っていて、学校のテストでは成績が上がったのですが、でも、新しいことは頭に入っても、過去の知識、中学や高校1、2年の内容が全く頭になかったため、全国模試では低い成績でした。 夏休みには担任の先生と面談し、先

#14 ひらがなからの卒業、大人社会の第一歩|発達障害児を分子栄養学で育ててみた

高校三年生になるまでは勉強が全くきなくて、クラスの最下位スタートでした。しかし、高校三年生になって突然トップになりました。もちろん、天才になったわけではありません。高校三年生の勉強はわかるのですが、それ以前の勉強はインプットされていないので、本当にちぐはぐな状況です。基本的なことを知らなかったり、難しいことは知っていたり、そんな感じです。 息子が一番苦手だったのが漢字を覚えることです。ひらがなで全部書いてしまいます。高校生になっても、ひらがながメインの文章を書いています。大