なぜ高齢者も、若年層も、日本に明るい未来を描きにくいのか?
株式会社ホワイトナイト 代表の新井です。
少子化・高齢化で破綻する日本システム
最近、気になるのは少子高齢化社会での「職」についてです。
少子化により若年層の労働力が少なくなる一方で、どんどん増える高齢化には働き口がないという状況がアンバランスな状況が生まれています。
昔とは異なり、今の60歳、70歳はまだまだ元気です。医療技術の進歩もあり、人生100年時代と言われる世の中になりました。昔と同じように、60歳・65歳で定年というのは、時代に合わないと言わざるをえません。
確かに、人生100年時代になったとはいえ、高齢者は、心身の力は若年層よりも落ちる部分があるかもしれません。ただほとんどの人が、仕事ができないという状態ではありません。むしろ仕事がしたい、生きるために収入をえなくてはならないのに、仕事が得られないのです。60歳・65歳で定年を迎えて、100歳まで生きる場合には、今の高齢者でさえ、年金・貯金ではやっていけません。ましてやこれから高齢者になる人たちは、今よりも受け取れる年金・貯金が少ない世代です。その意味でも60歳・65歳の定年というのは古い考え方で、少なくとも70歳、それ以降も働けるシステムを作らなければならないのです。
アジアから日本に来たい人が減っている
別の角度から言えば、日本経済の弱体化や円安の進行によって、日本に働きにきていたアジアの人たちが、日本に魅力を感じなくなってきています。この方々は製造や販売など日本の「現場」を支えてくれている方々です。
高齢者は住居も借りにくい
そして、高齢者の方と話をしていて感じるのは「働きたい」「働ける」のに働く場所がないということ、高齢者になると住居を借りるのも一苦労だというようなことです。
人口減少の中、人口増加に有効な策がない状況が続き、今なお検討中の日本。仮に人口増加の策を実行してもすぐに人口が増加するわけではありません。特に労働人口が増えるのは20年近く先です。円安で日本に来る労働者も少なくなり、移民を受け入れない状況では、まだまだ働く気持ちの強い高齢者の雇用促進が、すぐに結果の出る対策です。
高齢者も若年層も働きやすい仕組み
先に言いましたが、高齢者は心身の力は若年層よりも落ちるでしょう。よく言われるのは、経験を積んだからできる仕事をすれば良いということですが、AIなどテクノロジーが進化する中、また個人と会社の関わり合い方や上司と部下の関わり合い方が変わる中、過去の経験が必ずしも役立つとは限りません。やるべきことは業務の再分担です。
若い人たちは、会社での出世よりも、人生全体が充実していることを望む人が多いように思います。そして高齢者は体力の衰えもあります。したがって、世代を超えて業務の分担をすれば良いのです。ひとりあたりの労働時間を短くすれば、給与は下がります。ただその分、時間と余力が生まれます。最近、副業解禁をする企業も多くなりましたが、ダブルワーク、トリプルワークを当たり前にできる社会にすることです。
重要なのは企業・経済団体・政府の本気の取り組み
そして、一番重要なことおは、企業のトップ、もしくは経団連などの経済団体、政府が、高齢者の雇用を良いこととして推進していくことです。例えば、定年を75歳や80歳とするだけでなく、70歳以上の高齢者をあらたに採用する企業に税金優遇するなどのインセンティブを設けることです。そして、住居の審査基準をはじめ、生活インフラを支えるものの審査基準も、時代に合わせ新しくすることも必要です。
若年層が楽しく生きることができ、未来が明るいと思える社会なければいけません。また、高齢者も充実した毎日が送れるような社会でなければいけません。高齢者を優遇するということではなく、高齢者も、若年層も、すべての人たちが安心して暮らせる社会であることが重要です。こうした安心があってこそ、社会の発展にもつながるのではないかと思います。
乱文長文、お読みいただき、ありがとうございました。ストレスフルな毎日ではなく、いきいきした毎日にしたいものです。