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勉強

「勉強しなさい。」「勉強しなきゃ。」

 あんまりいいイメージないですよねえ? 勉強って聞いただけで拒絶反応が出ちゃうアレルギー体質の人もいるんじゃない?(笑)
 俺もご多分に漏れず、子供の時分は勉強嫌いでした。
 当時は子供は外で遊ぶのが当たり前で、暗くなるまで遊んでは、帰ると母親に叱られるのが当たり前だったね。 もっとも勉強嫌いと言っても、興味のある分野は学校で教わる以上の事を、自分で図書室や図書館の本で調べたりして、特に理科は大好きだったから、先生にしつこく質問したりしたっけ。
 本を読むのも好きで、覚えている最初は、学級文庫っていうのかな? 怪人二十面相の本が沢山教室の隅の本棚にあって、夢中で読んだね。
 でも、全般的に学校で教わる勉強は嫌いだった。なんか押し付けがましいし、漢字の書き取りなんて苦痛以外の何物でもなかったね。
 そんなだから成績はたいしたことないし、その時々で何かに夢中になると、勉強そっちのけで調べたり弄くり回したりしていたから、どんどん悪くなる。
 高校の時は、音楽に夢中になったから、もう進学なんてとんでもない。まあ、まるっきり進学する気もお金も無かったし、その頃は別の夢にすり替わっていたし。
 で、まあ勉強は嫌いだったんだけど、学校出てから、なんだか色々な事を覚えたんだよね。
 本も学校出てからの方がずっとたくさん読んだし、書かされているわけでもないのに自分で文章なんか書いちゃったり、色々な役所の手続きや物の道理を実践で学んだり、人との関わり方や接し方、果ては子育てして父親になる事まで。

 そうなんだよね。 それって全部お勉強だよね。
 先生や親にやりなさいって、半ば強制されて「やらされた」から嫌だったんで、実は自分が興味を持って知りたい事は進んで知ろうとするんだよね。
 そうして何かについて知ると、もっともっと深く知りたくなって、気がついたらそれなりに専門的な知識が蓄えられていたりして。
 学校出てから三十五年くらい経つけど、学校で勉強した事よりも、その後に学んだ事の方がはるかに多くて、しかも実際の経験に基づく事が多いんだよね。
 それで、そういう事に気がついたら「勉強」って言葉は嫌いじゃなくて、いい言葉だなって思えるようになった。
 これからも、もっとたくさん知りたい事、覚えたい事を勉強したい。
 世の中は日々変わっていくから勉強しなくちゃ。
 まだまだ、世の中には知らない事、新しい事がたくさんあるよ。

 だから今は勉強が好き。


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