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おーすしーのーぴーくにっく feat.寿司屋のおっさん

ということで、お寿司です。

お寿司のネタと言えばやっぱりネギトロですよね。ネギトロ美味しすぎる。

細巻きでも、太巻きでも、軍艦巻きでもどんとこい。それがネギトロ。

ネギとマグロのハーモニー。それがネギトロ。

わさびがあっても無くても大丈夫。懐が深いのがネギトロ。

どこで食べても外れが少ないにくいあんちくしょう。それこそネギトロ。

今でこそネギトロが大好きだけど、小さい時はたまご命といってもいいくらいたまごばっかり食べるお子さんだったワタシ。


そう、あれはまだ幼稚園くらいだった頃。

お寿司がまだ店内を回転していることが無かった時代。
おばあちゃんの家に行った時、親族みんなが集まったのでお寿司屋さんに晩御飯を食べに行こうということになった。

総勢10人ちょっとでワイワイガヤガヤと。

座敷にみんなでわちゃわちゃ座って晩御飯がはじまった。

そのお寿司屋さんでは「カウンターの向こう側のおっちゃんに食べたいものを言う」スタイルだったので、大人たちに「ちょっと○○注文して」と言われるがままに、子供たちは座敷の端っこまで移動してカウンターの向こうにいるおっちゃんへ注文し続ける。


働かざる者食うべからず


なんて厳しい世界では無かったけど。
無邪気にお手伝いするのが楽しいお年頃だったんだろう。

大人たちがほろ酔い気分になってきたころ(と言っても食べ始めてちょっと経ったくらい)から、子供たちも自分たちの食べたいものを注文して食べ始めることにした。そう、お手伝いに飽きてきたのだ。

「いくらくださーい」

「マグロくださーい」

「エビくださーい」

「たまごくださーい」←ワタシ

と食べたいものをどんどんと注文していく。


「イカくださーい」

「たまごくださーい」←ワタシ

「オレンジジュースくださーい」

「たまごくださーい」←ワタシ

「たまごくださーい」←ワタシ

「アナゴくださーい」

「エビくださーい」

「たまごくださーい」←ワタシ

「たまごくださーい」←ワタシ

「おねえちゃん、そんなにたまごばっかり食べてたらたまごになるで」←おっさん


( ゚Д゚) 人間がたまごになんかなるかい

と言いたかったけど、内気な少女時代のワタシはそんなことは言うことが出来ずに、その後はたまごを注文するのをやめた。

「アナゴくださーい」

「おしんこ巻きくださーい」

「かっぱまきくださーい」←ワタシ

「かっぱまきくださーい」←ワタシ

「おねぇちゃん、次はカッパになるんか~?」←おっさん


( ゚Д゚) おっさんええかげんにせぇよ

と言いたかったけど、内気な少女時代のワタシはそんなことは言う事が出来ずに、その後は父のひざの上に座っておとなしく父の頼んだお寿司をちょろまかしながら食べていたのであった。


その頃、おっさんは店のおばちゃんに怒られていた

(´ー`) ザマァ


たまごのお寿司を見るたびに、あのおっさんのドヤった雰囲気が思い出される。と言いたいところだけど、おっさんの顔なんてまったくもって覚えていない。

でも、

「そんなにたまごばっかり食べてたらたまごになるで」

「次はカッパになるんか?」

と言われたことだけは鮮明に頭の中にこびりついてしまっている。

あの時言い返すことが出来ていたら、今頃は違う世界線を生きていたのだろうか…(←


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