見出し画像

呼気分析でコロナウイルス検出を試みるイスラエル企業

 数週間後にテストを開始する、という記事なので結果が出るのはまだまだ先だが、新しい技術の挑戦として紹介したい。記事はThe Times of Israel、4月22日。元のタイトルは、Israeli startup’s breath test device to sniff out COVID-19 set to start trials 日本語化は適当。

 イスラエルのスタートアップが、飲酒運転の検査に使用される呼気計のように、簡単かつ迅速な呼気検査で致命的なコロナウイルスを検出できるようにして、医療従事者を支援したいと考えている。この会社、Scentech Medical、は、KefarSabaにあるMeir Medical Centerと共同で、SWとHWを組み合わせた“呼気技術”のトライアルを数週間後に開始する。

 テルアビブに拠点を置くこの会社は、呼気の分析により癌や感染症を特定しようとする技術をすでに開発していた - スタートアップチームの医療ディレクターであるウディ・カントール博士は、呼気中に存在する何千もの異なるガスの中からバイオマーカーを探すやりかたであると説明した。コロナウイルスのパンデミックが勃発したとき、同社はイスラエルと米国でPoCを行っていた、と同氏は言う。同社が同じ方法でウイルスを検出することができるかどうかを試してみることにしたのはその時であり、その「息のサイン」や「バイオマーカー」はまだ分かっていない、と彼は言う。

 カントール氏は、この技術がどのように機能するのかについてはまだ明らかにできないとしながらも、この技術はハードウェアとソフトウェアを組み合わせたもので、呼気中の揮発性化学化合物をリアルタイムで識別できるようになっていると説明した。 このプロセスでは、ガス中の化合物を分離・分析するラボ技術であるガスクロマトグラフィー、粒子や分子の元素記号を決定するために使用される質量分析、そしてReCIVA呼気収集装置を使用する。

 これらの技術は、一呼吸に含まれる約8,000種類の揮発性有機化合物を分析することができ、尿や汗、便と同様に体内の老廃物を排出するのに重要な役割を果たしているとカントール氏は述べている。

"私たちの体で分解されるものはなんでも、その一部は呼気の中に現れます“と彼は言った。

 これらのガスの多くは既知のシグネチャを持っているが、未知のガスもたくさんあると彼は言う。彼のアイデアは、分析的な消去法を用いて、既知のものを未知の化合物から分離し、そのプロセスを絞り込んでゆき、とらえどころのないコロナウイルスのバイオマーカーを見つけようとする。Meir Medical Centerとの研究では、年齢や病状の異なる 50-60 人の患者から呼気サンプルを収集し、健康な人の呼吸サンプルと比較して、病気の患者に一貫して存在する化合物を特定し、コロナウイルスの“Generic Fingerprint”を見つけようとする。この呼気技術は、症状が出る前から患者を特定することができ、ウイルスの拡散を食い止めるのに役立つのではないか、と同社は期待している。

 第二段階では、この研究をより広いサンプル(イスラエル軍の100-200人の病気の兵士と健康な兵士)に拡大し、Meirで得られた結果を検証し、この技術が実際に少なくとも85%の精度で病気の患者を識別できるかどうかを検証する予定である、とカントール氏は述べている。
コロナウイルス患者を対象とした研究は数週間後に開始されると、ミール病院の広報担当者は電話で証言した。

 センテック・メディカル社は、磁場中のイオンの移動度を測定して化合物を同定する微小電気機械システム技術を持つ親会社であるScentech社や他の投資家が株主である



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?