新井均

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新井均

10年以上にわたるイスラエルとのビジネス経験をもとに、イスラエルのイノベーション及び様々な情報を発信。MIT Sloan School卒業。 『世界のエリートはなぜ「イスラエル」に注目するのか』東洋経済新報社 『ISRAELI《イスラエル人》のビジネス文化』翻訳 ミルトス

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    新宿区天神町の事務所で仕事をしながら、気づいたこと、気になって考えたこと、等を記録する。書くことによって頭が整理されることを狙いたい。

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    海外のメディアで見つけた、イスラエル発のイノベーションに関連する記事をピックアップします。

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最近の記事

テロ攻撃を受けたイスラエルが批判に晒されるのは何故だろうか(3)

これまでのポストの主題は、ニュース報道やSNSで感じる違和感に関するもので、思いつくままに自分の理解を整理した。  1回目 難民が生まれた背景、占領、入植、について  2回目 死者数比較、国際人道法違反、テロリストvs国家 について この段階でテルアビブ大学講師の山森みか先生の「自分が立っている場所」という記事を読んだ。  ”当事者以外の立場から「こうすべき」と言う際には、自分がどこに立っているのかをまず自覚する必要がある。政治的に難しい局面においてどちらかに舵を切る時には、

    • テロ攻撃を受けたイスラエルが批判に晒されるのは何故だろうか(2)

      死者数の比較からくる批判 10月24日の日経記事では、「パレスチナ自治区ガザで、地元保健当局は23日、死者が5千人を超えたと発表した」「ハマスは7日にイスラエルに大規模な越境攻撃をかけ、同国によるとイスラエル側で1400人以上が死亡した。」とある。イスラエル批判をする多くのTVキャスターの論調は「無差別に1000人以上殺害したハマスの行為は許されるものではないが、その反撃でガザの一般市民が5,000人亡くなるというのは国際人道法に反する過剰防衛である」というものだ。 10月

      • テロ攻撃を受けたイスラエルが批判に晒されるのは何故だろうか(1)

        ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃が起きた10月7日以降、200人以上の人質誘拐と1000人を超える一般人殺害というその被害の大きさや凄惨さもあって、当初はイスラエルの自衛権に関する支持が国際社会で拡がっていた。 しかし、イスラエルがガザ地区を封鎖し、地上侵攻に備えはじめたあたりから、ガザの人々の窮状が報道されるにつれ、ガザへの人道支援の声やイスラエルの国際法違反の声が特にTV等の日本のマスメディアで大きくなってきた。国連のグテレス事務総長は24日の安全保障理事会で、パレスチ

        • 方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :1月29日

           昨日からWHOメンバーによる武漢での調査が始まったようだ。1年間言を左右して受け入れを拒んだ中国に対する国際的な批判が少ないのは理解に苦しむ。日本のメディアが忖度して報道しないだけなのかどうか解らないが、1年前の事実を関係者取材から掘り起こす『調査』が意味のある結果を出せるとは思えない。この1週間ほどで気になった情報を忘備録としてメモする。 季節要因についての解析 ブロガーの藤原かずえ氏が、1月11日に「気温変化とコロナの流行には緊密な関係があります」という論考をアゴラに

        テロ攻撃を受けたイスラエルが批判に晒されるのは何故だろうか(3)

        • テロ攻撃を受けたイスラエルが批判に晒されるのは何故だろうか(2)

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        • 方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :1月29日

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          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :1月20日

           23日は、世界で初めて武漢がロックダウンを始めた日から1年となる。なんとも慌ただしく過ぎた1年だった。今の日本社会の関心は、いつから日本でもワクチン接種が始まるのか、ではないだろうか。緊急事態宣言による飲食業の制限が少しでも功を奏して、時間稼ぎができ、ワクチン接種の段階に繋がることを祈るばかりだ。 西村さんと河野さんが登場した意味 西村経済再生担当大臣がコロナ対策担当相となり、河野行政改革担当大臣がワクチン接種担当相となった意味を我々はもう少し考えるべきかと思う。本来は、

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :1月20日

          危機管理としての医療・・・考えながら書く:1月13日

           日本における福祉とは、社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生及び医療、老人保健という5部門から構成されている(Wiki)。つまり、日本では、医療は「福祉」として提供されていることになる。財政的には多くの課題があるにせよ、国民皆保険があり、3割負担で予約をせずとも病院にかかれるというのは、我々は世界に誇れる医療福祉制度を持っていると言える。  ところが、今回のコロナ禍では一日の新規感染者が1,000名を超えたあたりから「医療崩壊」の危機が真剣に叫ばれ始めた。無論、多くの医師

          危機管理としての医療・・・考えながら書く:1月13日

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :1月7日

           今夕から再びの緊急事態宣言発令となり、昼には東京都で新規感染者数が2,000人を超えるという速報も出た。1都3県を対象に、飲食店の営業時間規制、夜間の外出自粛、リモートワークの促進、などが要請されるようだ。これらの報道の中に無い論点で気になることを忘備録としてメモしておく。 季節要因 新規感染者数が増えているのは、東京、日本に限らない。他の国の傾向も同様だ。その理由には「季節要因」があるはずだ。毎年冬になるとインフルエンザが流行する。その理由は気温と湿度である。 ・気温が

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :1月7日

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :1月5日

           再び緊急事態宣言が出されることになった。個人的には感染拡大を抑えるために有効な施策とは思えず、他にもいくつか気になっていることがあるので、考えをまとめておきたい。 ウイルスの変異について イギリスで変異種が確認されて以来、変異種にも開発されたワクチンは有効なのか、とか、イギリス等の国からの入国を規制する、など、新たなドタバタが続いている。なぜこんな騒ぎになるのか、不思議でしょうがない。ウイルスというものは常に変異しているのであり、日本人感染者の中でも変異は起こる。従って、

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :1月5日

          元旦に遺言を書く・・・考えながら書く:1月1日

           毎年正月には遺言を書くことを習慣にしている。別に大きな財産があるわけではないが、自分自身にとっても意味があることだとわかり、毎年心がけていることである。2011年に父が亡くなって以来の習慣なので、今日で10回目になった。  現役時代は経理の仕事をしていた父は特にお金の面は几帳面で、預金通帳や株式等の記録が整理されていた。そのため、父が亡くなった時に、法定に則った『遺産分割協議書』を作成するための証跡となる通帳などの資料が揃っていて、母親、姉、私の3名の相続人が合意するため

          元旦に遺言を書く・・・考えながら書く:1月1日

          松飾りをする家が少なくなった・・・考えながら書く:12月31日

          習慣とか風習は時代によって変わる? 大晦日早朝、郵便を出しがてら近所を歩くと、松飾りを飾っている家が少ないことに気がついた。拙宅は古い分譲住宅地の一画にあり、近隣は全て一戸建てである。ご年配の方々も多く、数年前までは、どの家でも門に松飾りを飾っていた。立派な門松ではないにせよ、年神様をお迎えする準備として、概ねどちらの家もこんな感じであった。一夜飾りはいけないということで、30日までには準備出来ているのが普通だったので、31日の朝に見かけないということは、これ以上増えないとい

          松飾りをする家が少なくなった・・・考えながら書く:12月31日

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月30日

           新型コロナの指定感染症分類を見直すべきだという議論がある。現在2類相当以上の扱いであるため、軽症と見られる感染者でも入院をさせ、其の結果として病院のリソースが逼迫している、という見方からくるものだ。第3波の増大に伴い、医療崩壊リスクが叫ばれる中で、見直しが可能な対策の一つとして大きな声となっている。感染者数が一桁、二桁大きな欧米に比べて、感染者数も重傷者数も相対的に少ない日本で医療崩壊の危機が叫ばれるのは、この指定の扱いで大変なリソースが取られることに一因がある、というもの

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月30日

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月28日

           武漢日記にも出てきた市民ジャーナリストの張展氏に対する裁判が本日28日に開かれ、上海市の裁判所は彼女が「虚偽」情報をSNSに流したとして、懲役4年の有罪判決を言い渡したそうだ。武漢日記を読む限り、彼女は医療現場の混乱について市民の不安を代弁しただけである。最初に警鐘を鳴らした医師、李文亮氏も逮捕され、亡くなった。中国がこういう国である、ということを忘れないように記録しておきたい。  12月1日の東京新聞WEBの記事、武漢のコロナを発信した市民ジャーナリスト 抗議のハンスト

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月28日

          考えながら書く:12月25日

           武漢の真っ只中で冷静に状況を見つめ続けた方方さんに刺激され、12月14日から、第3波に振り回される日々に流れる雑多な情報を、どのように捉えて、其の中から雑音を排除して意味のあるものをスクリーニングし、日常の中でどのように心がけるべきか、を自分なりに考えてきた。まだ感染拡大の状況は続くが、コロナ以外にも書きたいことがでてきたので、今までの記事とはタイトルを別にして書き始めることにする。 出生数の減少にどう対処するのか? 今朝の日経で報じられたニュースの一つが、出生数、21年

          考えながら書く:12月25日

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月24日

           昨日の三浦瑠麗さんの記事につづき、今日も大変素晴らしい記事を見つけたので記録しておく。それは、聖路加病院の坂本史衣さんによる、「医療現場から見る新型コロナ」というYahooの記事だ。  三浦さんは、主に制度面から医療崩壊に直面している病院や関係者の課題を浮き彫りにしたが、坂本さんは、まさに現場の眼で何が起こっているのか、を冷静に解き明かしてくれている。まず、春頃は重症でも軽症でも入院させていたが、9月以降は閣議決定に基づき、判断フローに従って必要と判断された方のみが入院し

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月24日

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月23日

           今日は一日神社めぐりをしていたので、昼間はあまりインターネットを見ることもなかった。午前中は水天宮で、息子達の嫁二人の安産祈願をお願いし、午後は早稲田の穴八幡で一陽来復のお守りを授かって来た。  夕方帰宅してツイッターで見つけたのが、三浦瑠麗さんの投稿である。山猫日記という彼女のブログに『有事への対応ができない日本というシステムーー日本における「医療崩壊」の危機とは』という記事を書かれていた。ここ数日医療崩壊の危機が叫ばれる中で、欧米に比較して感染者数も重傷者数も桁で少な

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月23日

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月22日

          昨日(21日)、2021年度予算案が閣議決定された。一般会計106兆円と、3年連続で100兆円を超えた。税収は60兆円未満であり、残りは国債発行で賄うことになる。18日のnoteでも書いたが、我々はいつまでツケの先送りができるのだろうか? 歳出のメリハリが必要日経の記事によれば、主な歳出項目は、新型コロナ対策予備(5兆円)、社会保障(35兆8421億円)、地方交付税等(15兆9489億円)、公共事業(6兆695億円)、文教・科学(5兆3969億円)防衛(5兆3422億円)と

          方方(Fang Fang)さんの武漢日記に触発されて :12月22日