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タイトルって大事。

周りの友人たちが、「人生のそばにずっと置いておきたい。」「何年かたってまた読み直したい。」など、こぞってこの本を愛読書だと語っていて。
巷でも話題になっていて、ずっと興味はあった本。

でも、引っ越してきたばかりの図書館で借りようと思ったら、
なんと予約は50人待ち。
とんでもない、と思い、一気にその新しい街、
人口の多い都会?が嫌いになった思い出。

それからあっという間に1年も過ぎてしまった。
ふと、やっと、そういえば読んでみようと思って検索していると、
なんと蔵書数は50超え。
アホかと思った。
同じ本を1つの市でそんなに持っていてどうするのだろう。
その後、その本たちはどうなるのだろう。

真っ黄色のカバーと、キャッチーなタイトル、そして漫画っぽい少年の絵という見た目から、完全に何かの物語小説だと思いこんでいたが、全然違った。

自分と異なる文化、価値観を持つ人と、争うことなく生きていくにはどうしたらいいか。
まあ同じ日本人だろうが恋人だろうが、みんな自分とは違うんだけど。

この本を世の中の多くの人が読んで、いい、と言ってくれているのは、なんか素敵なんじゃないかと思う。
そんな世界なら、悪くはない。蔵書50冊でもいいか!


バックグラウンドが遠い人と、急に話せなくなってしまう。
留学生と当たり障りのない会話しかできない。

物語のお母さん、
「他の子もきっと経験してることだよ」って、なんの慰めにもならない。
でもお母さんもきっとそれをわかっていて、答えを言ってあげられないこともわかっていて、こう言っているし、この文章を書いている。
かっこつけるんじゃなくて、なんでも知ってるわけじゃないんだよって、その弱さみたいなところも見せてるのかな。


他人の靴を履く。”Put yourself in someone's shoes"
ことの大切さに、いろんな世代の人が気づくきっかけを作ってくれたのは偉大だ。

そしてそのとっつきやすさには、文章の優しさもそうだけど、
まるで小説みたいなカバーとタイトルとこの絵も大きな一役を買っていると思う。
これが「ポリティカルコレクトネスとは何か」とかだったら、絶対こんなに多くの人は読んでくれてないもん。
見た目って大事だなと、見た目で判断するな、という本から学ぶという。笑

でも、多くの人に届けるには、多くの人に刺さりそうな伝え方、見せ方をすることも大事なんだよね。

2022.9.24

ブレイディみかこ(2021)『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』新潮社


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