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自分の言葉で説明できますか。

「オーガニックって何?」と聞かれた。
私は答えられなかった。
なんとなく自然っぽいもの?
紛いなりにも食や農に興味を持って来たものとして、ちょっと恥ずかしかった。

年始になんとなく図書館で見かけたこの本。
これを読めば、あの質問に答えられるようになるのではないか、
そう思って手にとった。

そういえば、私の新年の目標は、2週間に1回は図書館に行き、雑誌や本を読むこと、にしている。
返却期限が2週間だから、ちゃんと守ろうね、という意味でもある。

図書館に行くと、自分が知らないこと、知りたいこと、新しい分野にたくさん出会えて、自分のワールドが広がるようなとても楽しい感覚になる。
どこか遠くに行かなくても、実は本の上で、未知の世界を見聞きすることができるんだぞ。そのときめきや、冒険心を忘れないように、図書館に行く、ということを自分に課しているのだ。
まあ所詮、見出しパラパラじゃ何も身につきはしないので自己満なのだけど、なんか学んでるぞ、という感覚、それは楽しいのだ。

そんなわけでこの本を読み始めたのだけれど、
内容は、「オーガニックとは?」みたいなガチガチの本ではなく、
むしろイギリスの歴史の本だった。
産業革命があって、伝統的な”イギリス”を貫いて、そのあとアメリカナイズされて、でもまた自分たちの色を取り戻そうとして、みたいな歴史をたどりながら、今はオーガニックという思想にたどりついているんだ、と著者の方は分析しているみたいだ。

人はないものねだりを繰り返すんだな〜と感じ、改めて世界史をちゃんと学びたいなと思った。

本題?については「オーガニックとは、食べ物を個人に取り戻すことだ。〜中略〜工業化された作物を食べている現状について、もう一度それぞれが考え直し、食をめぐる環境を作り直すこと。これがオーガニックだと僕は思う。」と。そして、それこそがこれからの時代に必要になるものだと力強く述べていた。

世界がリキッド化?物理的な距離が関係ない時代になりそうな中で、改めて自分の足元、土、を大事にしようぜ、というのがまた始まるのかな。

「僕には未来を予見する力があるわけではない。ただ、強いて言うなら、僕はこの数年間、世界中を飛び回って、現実を見る努力を続けてきた。その中で、わかったことがある。いまは、世界のあちこちで日々生まれるさまざまな構造を、正しく理解できる者がおいしいトコ取りできる時代だ、ということ。『よくわからない』と人任せにした瞬間、あっという間にババをつかまされる、わかりやすい時代。それは、時代や事象を自分の目で確かめ正しく考える人と、テレビやウェブでの情報収集を中心としている人との間に、埋めようのない情報格差が生まれはじめている、ということだ。」

ここが刺さった。
本を読むだけでは一種、他人の考えを鵜呑みにすることになっちゃうから、それでわかった気になるのはいけないけど、
この本での考え方も自分の一部分としていきたいな。

そして、自分の考えで自分の言葉でものを語れるようにならねばな。
「オーガニックって何?」に対する今の私の答えは、
「その土地で、太陽と水とか自然(この言葉が漠然としてるけど)の力だけで育ったもののことだよ」かな。らしいよ、かな。

この本は10年以上も前に出されているけど、この方はコロナ時代をどう捉えたんだろう。
他の本も読んでみようかなとwikiして最後に、一番びっくりしたのは、著者の方が沢尻エリカさんの元旦那さんだったこと。

高城剛(2010.1.20)『オーガニック革命』集英社新書

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