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国語の勉強法とは?(古文編)

先日書いた現代文編に続いて古文編です。長くなるので古文漢文分けて、今回は古文のみとします。

前書き

私は大学で源氏物語と、国語教育の2つのゼミで勉強していました。東京学芸大学の国語科は1年生の時からゼミに入ることができ、サークルや部活のように日々勉強できます。兼ゼミも珍しい話ではありませんでしたが厳しい源氏と甘い国語教育の2つを掛け持ちしているのは私だけでした。それから3年後半で卒論のテーマを決める時、どちらも活かそうと「古典教育」をテーマに掲げました。先生からは「今まで見てきた中で一番タイトルの幅が広い」と驚かれました。確かに同級生を見ても先輩を考えても、古典は「中の君論」「宿世論」「催馬楽論」、国語教育は「まどみちお論」「谷川俊太郎論」、あとは結構興味で選んでも問題ないので「現代短歌論」とか「辻村深月のスターシステム」などを題材にしている人もいました。

自分の卒論について述べるのはまた別の機会にするとして、とにかく私は国語と、特に古文が好きで勉強していました。そんな私が古文の勉強を語ってみたいと思います。

ちなみに今回は中学は少なめ、メインは高校生と考えています。理由は中学は古文の扱いが非常にあっさりで、受験でも出すところ出さないところあるからです。


古文文法

まず高校の古文の学習で徹底されるのが古文の文法事項でしょう。学校では文法学習のドリルが配られ、先生は授業で呪文のように「らりりるれれ」「せ◯きししか◯」と繰り返し、生徒はそれを訳も分からず復唱する。テストには助動詞活用表を埋める問題が出題されたりする。

私の結論から言うと、こんなの無駄です。

古文嫌いを生み出す一番の原因は文法を覚えさせるところにあると思っています。理由もなく暗記するのが好きだという人も中にはいるのでしょうが、これを一生懸命に覚えたところで模試や入試で成績は上がりません。私自身、助動詞の活用表を全部言うことはできません。受験生のときはもちろん、分厚い源氏物語を読んでいた大学生の時も、教材を作っている今でも、です。自分で「これは尊敬の助動詞の未然形だから〜」などと考えるより調べてしまった方が正確なのです。

それでも受験生のセンター本番では古文45点(50点満点中)取れました。仕事がらセンターの問題や上位大学の入試問題は毎年解いていますがだいたい8割以上は正解できます。

私の古文学習の一番のポイントは、現代文のように読むことです。その中で文法に力を入れすぎて古文が嫌いになる、スムーズに読めなくなるくらいなら一度置いといていいので、次の学習にいきましょう。

古文単語

一方、古文単語はとても重要です。最重要と言っても過言ではありません。物語に重要なのが誰が何をしたのかイメージすることです。単語が分からなければ何もイメージできないので、これはしっかりやりましょう。

ポイントは覚えやすい単語帳を見つけ、繰り返すこと。学校で配られる単語帳が合っているならそれでいいですし、イマイチだなと思う人は書店で探すと良いでしょう。

個人的なオススメは『古文単語ゴロゴ手帖 』です。

イラストとゴロで覚えられるこれは天才の発想だと思いました。「あいちゃんぎょうさん可愛らしい」「さすが忍者とはいってもやはり」「を〜竿30cmめったにない」未だに覚えているものがたくさんあります。しかもこれがそのまま入試にでることが本当に多いです。学校の単語帳に合わせた単語テストに向けて苦労して覚えるなら、ゴロゴで先に定着させた方がテストに対してもよほど効率が良いでしょう。


古文常識

古文単語に次いで私が大切だと考えているのが古文常識です。じっくりと習う機会はあまり無いと思うが、知ってるのといないのでは大違いです。なぜなら入試に出る古文にはパターンがある程度決まっているからです。

物語文が出れば男女の出会いのシーンが描かれ、女側の取り次ぎと男が和歌のやり取りをします。そんな流れを知っているだけで誰が主語になるのか、誰が誰に詠んだ歌なのか、予想ができます。

国語便覧を読んだり、古文常識について書かれた本を読んだり、古文世界を題材にしたマンガを読むのがよいでしょう。

読解

読解はこれまでに書いたことを実践し、定着させるためにあります。問題を解いた後は必ず全訳と本文を対比させて自分の理解と合致していた部分、そうでない部分を確認していきます。そうやって文法、単語、ストーリーの理解を深めていくのです。


入試まで残り半年を切った受験生で古文がよく分からないという人は、直ちに単語学習から始めていただきたいです。


こうして述べてきましたが、現代文、特に小説が苦手な人には、残念ながら私の学習方法はおススメできません。どれだけ単語の意味がわかっても、誰がどんな行動をしたのかイメージできない人は、古文単語をきっちり覚えて、単語を押さえて、古文常識はそこそこで、一つ一つ解読しながら読んでいくスタイルがいいでしょう。そういった確実な学習方法についてを生徒にアドバイスすることはもちろんありましたが、それは色んな本に書かれているでしょうから、割愛させていただきます。

次は漢文編。まとまったら公開します!

レペゼン群馬、新井将司。世界一になる日まで走り続けます。支えてくださる皆さんに感謝。