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遊戯王ドラフト、やってみた!【遊戯王 Advent Calendar 1日目(Aside)】

この記事は「遊戯王Advent Calendar2022」の1日目となります。

例年おなじみ、クリスマスまでの25日間を遊戯王のブログでリレーする企画です。
さらに今年は「A side」「B side」という区分が設けられました。
A sideは「楽しい」をモットーとした記事が、B sideではディープなテーマに触れた記事がそれぞれ投稿されます。 
特に去年のアドカレでは議論的な内容の記事が多く、読み手の好みが分かれてしまった印象があるので、これはいい変更だと思います。

さて、本記事のテーマは遊戯王ドラフトについてです。
アドカレでは2020年にシンヤさんが紹介されていました。

注:ドラフトとは

未開封のパックを1人3つ持ち、全員が指定されたパックを1つ開封し、そのうちの1枚を取り(これをドラフト、あるいはピックという)、残りのカードは伏せたまま隣のプレイヤーに渡す。その後、「回ってきたカードから1枚取って、残りを隣に渡す」を繰り返し、パックのすべてのカードを全員がピックするまで続ける。
この手順を3パック、回す方向を変えながら繰り返す(右回り→左回り→右回り)。自分がドラフトしたカードでメイン40枚以上のデッキを構築する。

参考:http://www.mtgwiki.com/wiki/

シンヤさんの記事ではドラフトの楽しさについて丁寧に書かれていますが、いざドラフトを始めるとなるとかなりの手間がかかるのが問題です。
「興味はあるけど面倒くさそう」という人は多いのでは。

そこで今回は、ドラフト素人の自分が実際にプールを作って遊ぶまでの過程をまとめ、そのハードルを下げられるような内容にしたいと思います。

やってみなくちゃわからない、わからなかったらやってみよう!


第一段階:参加者招集、プールの土台作り

ドラフトの参加者は以下の4人を想定しました。

  • 筆者

  • A

  • B

  • C(ほぼ初心者)

自分以外はそれほど遊戯王に精通しておらず、また自分もドラフトに関しては素人だったので、プールの指針としては

・入れたいカードはとりあえず入れる(やりながら調整)
・複雑なカードは控えめにする

とだけ決めて、最初に声をかけたAと好き勝手にカードを入れていきました。エクゾディア等の極端なカードばかりになると流石につまらなってしまいますが、今回は参加者のモラルが高く最低限使えそうなカードが多く挙げられて助かりました。

その後Bの意見も取り入れ、ひとまず完成した最初のプールがこちら。
各カードを3枚ずつ入れます。

第二段階:ドラフトツールの用意

オンラインでドラフトをやるにあたってマスターデュエルは現実的でないので、ADSを使うことは決まっていたのですが、そのためには用意したプールの中からパックを生成し、それをドラフトするためのオンラインツールが必要になります。

以下のブログを参考にツール及び無料のレンタルサーバーを導入しました。

基本的にはみ雑記さんが書かれている通りにすれば導入できますが、以下の点で注意が必要です。xrea以外でサーバーを導入する場合は読み飛ばしてください。
またドメインは取得してから有効になるまで少し時間がかかります。

・コントロールパネル及びファイルマネージャーのデザイン変更

上記ブログとは手順が一部異なります。なお旧コンパネで開けば同様に操作が可能です。

新コンパネの場合、ファイルマネージャーはコントロールパネルのサイト設定→ドメイン一覧のドメインをクリック→net2ftpファイルマネージャーでアクセスできます。
新ファイルマネージャーにおいては「属性変更」が「許可情報の変更」に変わっています。またドラフトツールのファイルは/public_html下に全て置いてください。

・ファイルマネージャーの一部機能の停止

「開く」が使えません。reset.cgiはhttp://ドメイン/reset.cgiと直接アドレスバーに入力することで実行してください。

・メインドメインの変更及びサブドメインの削除(任意)

xrea freeを導入した場合、.comドメインに加えて.shopというドメインを取得でき、デフォルトの設定ではこちらがメインのドメインになっています。
今回は.comのみを使用するので.shopは削除しておきましょう。

参考:

第三段階:やってみる

プールもツールも用意できたので、とうとうドラフトができます。
この時のパックの内訳は「モンスター8:魔法3:罠3:EX2」の16枚×3回で48枚を取る設定でした。

記念すべき第一回のデッキがこちら。(Cは欠席)

通常モンスターがすごい邪魔だったのとフィールド魔法が誰にも取られなくて一生残っていたのを覚えています。
この次からはモンスターとEXの収録を1枚ずつ増やした54枚ピックになりました。

後はドラフトする→いらないカードを抜く→ほしいカードを入れる
の繰り返しです。

現在のプール

ドラゴン族、恐竜族、魔法使い族、機械族、戦士族

その他(上級モンスター、未界域、リバース等)

シンクロ

エクシーズ

リンク

魔法

メインデッキのカードは各3枚、EXは各2枚収録されています。

プール解説

・ドラゴン族
《霊廟の守護者》《竜の霊廟》《復活の福音》《焔征竜-ブラスター》と優秀なサポートが揃っている。
メインデッキの枚数がそこまで多くないため、特にシンクロを活用することが求められる。
征竜が全種類いた初期では【ドラゴン族】というより【征竜】だった。

・ジュラック
《ジュラック・グアイバ》は単体でシンクロ・エクシーズに繋げられる強力なモンスター。ブラスターにも対応している。
ただし枚数が少ない中で2種類以上を取らないと機能しないため、ピック難易度が高め。
《究極進化薬》と《ジュラック・タイタン》はプール屈指の不純物。

・魔法使い族
度重なる強化によりプール最多の枚数とサポートを得た。
モンスターの単体性能が高い。逆に《黒魔族復活の棺》《ダークホライズン》は完全にギミック依存なため評価が分かれている。
《ブラック・マジシャン》は出現すると高確率で最後まで残るが、この軸で組むなら1枚は欲しい。

・機械族
サポートは《ジェネクス・ニュートロン》《マシンナーズ・フォートレス》のみ。しかもフォートレスは使いづらさが目立って不人気と、種族としての繋がりが薄い。
幻獣機は大抵のデッキに採用できるため早めに取られやすい。
ハイドランダーはとんでもないパワカで、筆者は殿堂入りを主張したがなぜか残っている。

・戦士族
何もなさすぎたため最近の追加でサポートカードが大量に増えた。
《ギガンテック・ファイター》《新鋭の女戦士》《増援》、HEROとサポートは強力なのに初期の印象が強いのか残りやすい。

・カオス
カオスカードは《混沌帝龍 -終焉の使者-》《カオス・ソーサラー》。
サポートは《オネスト》《ダーク・アームド・ドラゴン》《終末の騎士》、その他の光・闇属性カード。
遊戯王はやはり光と闇が強いゲームで、このドラフトも例に漏れない。
集めやすさも相まって筆者はカオスに寄せたハイビートがトップティアと目している。

デッキ例

ややプールが古いですが、4人でドラフトした際のそれぞれのデッキです。

魔法使い族とダムドを軸にしたデッキ。パワカで押し切る構成
ジュラックをガメまくったシンクロデッキ。魔法罠が少し弱いか
優秀なレベル4を中心としたスタンダードなデッキ
GS色の強いコントロールデッキ。アイスハンドの圧がすごい

出禁になったカード

《瑚之龍》

出禁第一号。

構築戦ではよくあるカードの1枚ですが、ドラフトでは毎ターン除去を打ちながら処理されてもリソースを回復できるという圧倒的なパワハラ性能を持っていました。
また当時のプールはシンクロが特に強かったのも殿堂入りした一因です。


《相愛のアンブレカム》

シンクロを使いやすくするつもりで採用したのですが、使いやすすぎても面白くないということを教えてくれたカードです。
単体での完成度が高く、ハンドコストも《クリッター》《黒き森のウィッチ》等で補完できます。
シンクロをナーフする一貫で出禁になりました。


《混沌の戦士 カオス・ソルジャー》

最初は程よいパワーのリンク3と評されていましたが、ある日《幻獣機テザーウルフ》と適当なモンスターで完全体になってしまうことが判明し終わりました。


《暗影の闇霊使いダルク》《照耀の光霊使いライナ》

処理を強要するのに処理されてもアドバンテージを得られるという点で瑚之龍と似たカードです。というか瑚之龍よりも強い。
出禁になる最後のドラフトは、この2枚を取ったプレイヤーのみが戦いに参加できるような内容でした。

ドラフトやってみた!感想

面白い。

まず何と言っても、誰とでも平等にゲームができるのが最大の良さだと思います。デッキパワーはもちろん、コミュニケーションの要素が強くボードゲームとして楽しめます。
自分のように遊戯王プレイヤー以外とも遊びたい人には特に向いています。

ドラフトプールを作るのはデッキ調整と似たものがあり、なおかつ自由度が非常に高く、他の参加者と感想を共有することもできます。
またピック判断を54回と実際のデュエルを行うので技術介入要素が多く、勝敗に納得感があります(もちろん運の要素も大きい)。

一方で、優れたプールを作る難しさというのも強く感じました。

まず、このプールはドラフトをやり慣れた人にとってはかなりありふれた内容に見えるのではないでしょうか。
遊戯王のカードはテーマ依存度が非常に高く、こうしたスタンダードなドラフトに採用できるものはかなり限られています。また攻めたカードを採用しても、誰にも取られず残るようだと抜くしかありません。
もちろん他のプールと似ているから悪い、というわけではないですが、せっかく自由度が高いドラフトなので色々なカードを試したいものです。

さらに少し踏み込んだ話として、このプールはカード枚数が非常に多いという特徴があります。

例えばこのプールではモンスターが98種類います。これを各3枚ずつですから総数は294枚あることになります。
1パックにモンスターは9枚あり、4人ドラフトなら全部で12パック剥くので一度のドラフトで見られるのは108枚と全体の1/3程度です。
何が問題なのかというと、ドラフトの戦略の立てやすさという点ではプールのうち多くのカードが引かれるべきです。
カード総数が多いとバラつきも大きくなるため、どうしても攻めたピックがしづらくなります。

この問題は収録枚数を3枚から2枚にしたり、パックのカードを増やしたり、種類を減らしたりすることで解決できます。が、「3枚ガメるのが楽しい」「ドラフト時間が伸びる」「抜くカードが見つからない」という意見もあるので簡単ではありません。

この辺りは参加者に合わせて変えるのが良いでしょうね。

まとめ

ドラフトは楽しい。やれう。


noteの感想やプールへのアイデアなどRTで書いていただけたら嬉しいです。

明日のアドカレはルーシーさんです。遊戯王やサブカル系のブログを熱心に更新されている方です。
よろしくお願いします。


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