◤多忙◢🍒童貞徒然日記

多　忙

「忙しい」を言い訳にしてしまう君へ

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「忙しいから——」

「ちょっと忙しいんで——」

自分で使うたび、他人から浴びせられるたび、便利な言葉だと実感する「忙しい」。

時間の使い方が下手なだけなことを、この便利な言葉に変換させることで、平気で言い訳が成立してしまう。

「忙しいアピール」で忙しい人ばっかりだ。

「忙しい」が発動された手前、それに対抗し得る言葉はもちろん、その言い訳を翻意にさせるために何か投げかける気力さえ吸い取られてしまう気がする。

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一方で。

この便利な言葉を使い慣れてしまえば、自分の将来に広がる可能性や選択肢を摘み取ってしまうことに「忙しい」で忙しい連中は気づけずにもいる。

「忙しい」でフった予定、「忙しい」で棚上げした関係……が重なるたび、その空っぽな「忙しい」で断ってきた分だけ、自分の可能性は蝕まれているかもしれないんだ。

「忙しい」で断ったからこそ歩めた人生がある一方で、「忙しい」を言い訳に殺してしまった出会いや達成だってある。

特に青春の時代に「忙しい」はおっかない。

やりたいこと　やったもんがち　青春なら

夢はでかくなけりゃ　つまらないだろう

『勇気100%』の歌詞を心に浮かべるたび、「忙しい」という言葉で自分の夢を崩していくたび、セピア色に沈んだ後悔が心を覗く。

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‪だから、戒めの意味も込めてぼくは「忙しい‬」を理由にしてしまわないよう心掛けている……つもりだ。

「忙しい」といえば、何でも簡単に断れてしまう時代だから。

社会人になっても、ちゃらんぽらんに生きているようなイメージを周囲に抱いてもらえらよう、（仮に！　万が一！）忙しい日々を送ることがあっても、「忙しい」に負けない余裕をもっていたい。

「私大人なんです？」アピールしてるイキりたかりと同じで、忙しいアピールして満足してる奴って、ガキの証だと思うから。

時間が合わせられる限り、誰かからいただけるお誘いは殺してしまいたくないし、何より「また会いたい」と思ってもらえるような人間になりたい剥き出しの欲望もある。

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親しい人や親しくなりたい人との別れ際、決まってぼくは「また誘ってください」じゃなくて「また誘わせてください」と言うようにしている。

他意はなくとも「また誘ってください」と言われるたび（あ……こいつにとっては永遠に僕がホスト側なんや）って陳腐な考えが心を覗く。

老害と罵ららればそれまでだけど、他人様との関係性を細くしていくのか太くしていくのかは、そうした細々としたところの糸を見捨ててしまわないことだと思うから。

だって、お互いがお互いを誘い合う関係がいいもん。お客さんに毛が生えた関係なんて求めてないもん。

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マイルール。

誘うたび、「忙しい」で断ってくる相手は、その時点で自分はお呼びでないと自覚する！

声をかけても「忙しい」で断られて、常にぼくの方から誘うしかアクションない相手には「多忙スタンプ」を押印する！

スタンプが貯まれば貯まるほど、その人のことは誘っても意味ないって、諦めが働くし、そんな人にこっちにアクションするよう自発性求めても、ぼくの側の勝手な押し付けでしかないから。

そうやって、人間関係を少し冷めたくらいにゲーム感覚で楽しまないと、いつまでもホスト側で切り盛りしていくのって精神衛生的にも良くないから、無駄に疲れたくもないから。

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‪そんなこんなで、別にぼくは「忙しいと言うな！」と言論統制はかりたいわけじゃなくて。

なんでもかんでも「忙しい」という魔法の言葉で片付けてしまえば「人生のありがたみって萎んでいっちゃうよ！」って戒めを込めて、静かに叫んでいたい。

新型コロナウイルスの影響で、自粛モードが感染するように広がり、季節感さえも失われていく毎日だけど、便利な言葉で忙殺していたら、菜の花や桜を愛でることも忘れてしまいそうだ……。

「小さな幸せ」という菜の花の花言葉が、「忙しい」で蹂躙されてしまわないように。