見出し画像

現在主婦である私が思うこと。

こんにちは、Mariaです。今日は私が思うことをお話します。

● 過去のこと〜音楽家の職を離れて

画像1

先日、相棒の元同僚の音楽の先生から、演奏を続けたいなら彼女のバンドや活動に参加して、とお誘いを受けました。

すごく光栄なお話でしたが、次の瞬間、なんだか胸躍らない自分を感じました。

もう楽器から離れて8年。それまで30年以上寝食を忘れるぐらい音楽や楽器のことばかり考えてきましたが、スペインに移住してすっぱり切ってしまうと案外すんなり辞められました。

私はもう、自分で演奏する熱意を振り切ったのかもしれません

私にとって音楽を生業にしていた日々は、実力以上に恵まれ充実していたんだろうな、と今になって実感します。当時はもっといい仕事をしたい、もっと学べる環境で演奏したい、など考えていました。求めるものが泉のように溢れてました。

今は、クラシック音楽は聴くだけ。そしてシンフォニーやオペラを聴くたびに自分が演奏したあのポジション、指揮者や客席への目線を思い出します。そして、改めて「こんなにたくさん、あんなにいいホールで演奏させてもらえてたんだな」と感じ入ります。

今はそれを思い出に静かに過ごすのも幸せ、と感じています。

● 現在のこと〜主婦のお仕事

45歳まで独身女子をしている間にかなり精神的に独立したな、と感じます。

繁忙期は現場を掛け持ちして夜帰ると疲れ果て虚しくなり、閑散期には仕事がなくただ朝から晩まで防音の効いた部屋に籠って練習をし、誰にも会わずに過ごすと「世界ひとりぼっち」な気持ちになったものです。

大勢を相手に仕事をしていると、自分の成果がどのぐらい人に役立っているかがわからなくなりました。孤独に研鑽を積み、発表や教育の場でもすぐに研究、努力の成果が実感できるわけではありません。

そして、いくら自分が満足しても、他人の評価や噂の方が優先され自分を見定められてしまうことにもアンフェアを感じていました。社会上では当たり前のことなんですけどね。

自分を見誤りそうになった経験があるだけに、自分のやることが人の役に立つ生活は、私の存在理由を教えてくれ、過去の生きる上での疑問や葛藤を払拭してくれる気がします。

● これからのこと〜何事も正直に見つめ全力で

以前ある女性から、主婦は仕事じゃない、と言われました。報酬を伴い、大勢と関わり、インテリジェンスな分野で活躍することが仕事だ、と。

しかし当の彼女の生活を見ると、仕事に時間を費やし自分でできないこと、掃除、洗濯はパートナーと分担をし、作れない料理は実家に行き誰かに作ってもらっていたようです。

ただうちとはスタンスが違う、というだけのことなのに、彼女の執拗で強固に自分の正当さを説く勢いに辟易しました。

家事を自分ですることは、私自身が徳を得、生きる手段を学ぶ場所。そう思うのも、私が以前掃除も洗濯もできないほど仕事に疲れ果て、お腹が空いても冷蔵庫が空っぽ、という経験をしたことがあるからです。

● 主婦の必要性

画像3

スペインでは、お手伝いさんを雇う家庭もあります。しかし、やはり家に人を通すことを含め、何かと不備や不満も出ます。より良いサービスを求めれば、人探しの面倒やお金がかかります。

現在、我が家は家事分担はしていません。家事分野は私のテリトリーだからです

上記の女性のように、誰でもできることを仕事と称するな、という意見には、仕事の質は問題に含まれていません。それは当時、音楽は誰でもできること、それに高い報酬を払うのはナンセンス、と私に言ったアマチュア愛好家のようです。

私がどれだけ働くかは、相棒が自宅に帰りたくなる度合いに関わります。

もし、彼が散らかった自宅に帰りたくない、帰っても美味しいご飯がない、となれば、仕事の後寝る時間までバーに立ち寄ったり、外食が増えるわけです。

ですので、ここまで人の生活基盤を左右する仕事である主婦業が仕事といえない、という件の女性の定義が私にはよくわからないのです。

● いま伝えたいこと

画像4

女性が社会貢献や自分の存在理由を求める時、報酬の有無のみで判断すれば専業主婦は職業を持たない立場となります。

しかし人は、やりがいや必要性を実感できれば、ボランティアであっても行いに満たされ進んで働きますし、実質社会では意義がある働きです。

ですから尚更、家族がするべき家事や育児補助・教育、介護の職の賃金が安いことは非常に問題であると考えます

人の育成、将来、生き死に関わる仕事は、家族がしないのであれば、代行する人々には相当の報酬があって然るべきなのです。

私に食ってかかったあの女性は、私にケチをつけるより、このような社会事情に異議を唱えるべきだったのではないか、とつくづく思います。


また明日も晴れ晴れ過ごしましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?