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今日の科学 8月2日 陽電子が発見された日

1932年8月2日は、陽電子が発見された日です。
陽電子とは電子の反粒子で、重さは電子と同じなのに、電子とは逆のプラスの電気を帯びています。発見者はアメリカの物理学者カール・デヴィッド・アンダーソンです。陽電子は人類が初めてその存在を知った反粒子です。

この宇宙をとても細かくみていくと、素粒子に行きつきます。物質は素粒子の組み合わせでできていますし、物質の間に働く力も素粒子が媒介しているからです。電子は、そのような素粒子の1つで、物質の基本要素となる原子をつくるのに使われています。

反粒子の存在が意識されたのが、理論的な予測からです。1928年に物理学者のポール・ディラックが、後に陽電子と呼ばれるようになる反電子が存在するという仮説を唱えました。マイナスの電気を帯びている電子に対して、ディラックはプラスの電気を帯びた反電子(陽電子)があると言ったのです。

そして、実際に陽電子の存在が確認されたのが1932年のことです。霧箱という装置を使って宇宙線の研究をしていたカール・デヴィッド・アンダーソンがプラスとマイナスの電気を帯びた粒子がペアで出現することに気がつきました。

アンダーソンは、この粒子は陽子だと考えたのですが、質量が電子に近かったために、プラスの電気を帯びた電子ということで、陽電子と名づけました。

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