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科博クラファンの返礼品がやって来た ヤァ! ヤァ! ヤァ!

今日、荷物が1つ、手元に届いた。
何も印刷されていないシンプルな段ボール。発送元を見ると、国立科学博物館からだった。国立科学博物館は、去年、大規模なクラウドファンディングを実施した。このことについては以前、noteに記事を書いた。

このクラファンに、僕も少しサポートしていて、その返礼品が届いたのだ。
中を開けてみると、こんなものが入っていた。

ていねいに茶紙に包まれている。かはくオリジナル図鑑とトートバッグのコースに申し込んでいたので、図鑑だろうなと思いながら開けてみると、やはり図鑑だった(語彙が)。茶紙を開いてみると……。

予想していたよりも数倍豪華な装丁。卒業アルバムを彷彿とさせる豪華さだ。

表面はこっち。布張りの表紙の本を久しぶりに触った気がする。しかも、金箔押し。クラファンの返礼品だから、ここまで豪華にしなくてもいいのではと、こっちが心配になってしまうくらいの仕様だ。

中に使われている紙も厚手のいい紙だ。この図鑑では、科博の研究者、職員などが、それぞれの「最推しの標本」を紹介していて、190ページほどある。結構な厚みだ。篠田謙一館長の新書と比べると、こんな感じ。

ちょっとおしゃれなスペースで、ゆったりと読んでみると、優雅な気分になれるかも。

厚さの比較に使った篠田館長の著書『科博と科学』には科博の歩みなどとともに、今回のクラファンに踏み切った理由や舞台裏も書いてある。また、今回の返礼品の図鑑には、これまで科博で実施された企画展・特別展が年表にまとめられている。新書と図鑑の両方に目を通すと、より理解が深まると思う。

僕が『科博と科学』を読んで驚いたのは、次の文だ

科博は、独法の中では中期目標管理法人というカテゴリーに分類されており、五年ごとの中期的な目標・計画に基づいて公共上の事務・事業を行うこととされています。そのため、五年目終了時に留保している資金は利益と見なされて国に返納する義務があります。

『科博と科学」篠田謙一著

独立行政法人は、効率的な運営をする経営努力が求められていて、それぞれが工夫して経営していると思うが、5年ごとに内部留保にあたる利益余剰金を国に返さなければいけないのであれば、どんなに努力しても経営が逼迫するのは目に見えている。近年のように、コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻、円安などによって、電気代や物価が急激に高くなってしまう世の中であればなおさらだ。

今回の科博の危機は、この制度によるところが大きいと思う。利益余剰金を繰り越してその法人の資金として使えるようにしたら、経営のやりがいも大きくなるはずなのに、なぜ、やる気を削ぐような制度をいつまでも残しているのだろうか。理解に苦しむ。この制度を残すのであれば、世の中の経済情勢などに合わせて、運営費交付金を増やすしくみが必要だろう。でも、利益余剰金を繰り越すようにした方がずっと簡単で、国の出費も少なくなると思うのだが、なぜやらないんだろう。本当に不思議だ。このあたりのことは、また、改めて考えていきたい。

あと、もう1つの返礼品のトートバッグは、こんな感じ。

5種類の中からランダムに送られてくるとのことで、僕のところに来たのは貝のスケッチのものだった。

図鑑を入れると、こんな感じ。どうに使うかはこれから考えよう。

今回の科博のクラファンは大成功に終わったが、これで科博が安泰となったわけではない。科博は、常に寄付を受け付けている。科博のWebページを覗いてみると、寄付のやり方にもいろいろな方法を取り入れているようだ。もちろん、科博だけでなく、大学なども、今は資金に困っているケースが多い。たくさんの人が、思い思いのところに支援して、博物館などの運営がよくなるのはいいことだと思うが、抜本的な解決にはならない。どうすれば解決できるのかは、まだわからないが博物館や大学の運営がより良くなる世の中になって欲しい。


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