2022年 ノーベル生理学・医学賞予想

何だかんだいって、noteの更新が1年ぶりとなってしまった。更新が一度止まると、再開のタイミングがなかなか難しいなと思いつつ、ずるずると1年間も記事が止まってしまった。でも、年に1回のノーベル賞予想まで止めてしまうと、このnote自体更新しなくなってしまいそうなので、最低限これだけは続けようかなと思う。あまり当たらないけれど。もう少しいい感じでnoteを更新したり、自分の記事を書きたいなと思っているけど、思うとおりにいかないことが多いね。

と、ちょっと愚痴っぽくなってしまったけれど、早速予想に移ろう。まずは、過去の生理学・医学賞の受賞理由。

 2007年 胚性幹細胞を利用したマウスの遺伝子改変技術
 2008年 ヒトパピローマウィルス(子宮頸がん)
      ヒト免疫不全ウィルスの発見
 2009年 テロメアとテロメアーゼ酵素(染色体を保護するしくみ)
 2010年 体外授精技術
 2011年 自然免疫の活性化、樹状細胞と獲得免疫
 2012年 リプログラミングと多能性獲得技術(iPS細胞)
 2013年 たんぱく質の細胞内での輸送(小胞輸送)
 2014年 脳内の空間認知システムを構成する細胞の発見
 2015年 感染症やマラリアに対する治療法の発見
 2016年 オートファージ
 2017年 概日リズムを制御する分子メカニズムの発見
 2018年 免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用
 2019年 低酸素状態における細胞の応答
 2020年 C型肝炎ウイルスの発見
 2021年 温感と触覚の受容体の発見

これを振り返ったところで、何かしら法則性があるわけではないけれど、昨年は基礎科学に近い分野だったので、今年は臨床医学に近い分野になるのではないかと、個人的には思う。

となると、やはり今年はmRNAワクチン開発の立役者となったカタリン・カリコー博士とドリュー・ワイスマン博士に贈られるのではないか。まだコロナ禍は完全に治まってはいないが、mRNAワクチンが異例のスピードで開発され、世界中の人たちへの接種が早く進んだことで、人々が再び国境を越えて活動できるようになってきた。

コロナ禍は続いているものの、将来に対しての希望が見えてきたことでmRNAワクチンの受賞となってもいいのではと思う。科学系のノーベル3賞は3人まで同時受賞があるとすれば、ドラッグ・デリバリー・システムの開発に貢献したロバート・ランガー博士になるのではないかな。

実は、この予想は昨年も言っていたことだ。昨年の記事も参考にして欲しい。

本命はmRNAワクチンということで、対抗としては昨年挙げていた人たちでもいいのだが、今年は睡眠に関係するオレキシンの発見に貢献した柳沢正史博士、櫻井武博士の名前を挙げておく。オレキシンは睡眠のスイッチの切り替えに関係する神経伝達物質で、この成果をもとにオレキシン受容体拮抗薬のベルソムラ、デエビゴが開発され、臨床でも使われている。睡眠は誰にでも必要なものだが、そのしくみがよくわかっていなかった。そのしくみの一端を明らかにして、新たな治療法につなげたというのは大きなことだと思う。柳沢正史博士は今年のブレイクスルー賞も受賞し、この分野への国際的な関心も高くなってきている感触もある。

ただ、オレキシンの発見し、睡眠のしくみがわかってきたという基礎的な部分に注目すると化学賞でもいい感じもする。もちろん、mRNAワクチンも化学賞の対象になってもいいと思うが、このワクチンはがん治療への応用も期待されているので、はやり生理学・医学賞の受賞がふさわしいと思う。ここ数年は治療法の受賞がないので、mRNAワクチンの受賞の可能性が高いのではないかと思っているが、どうなるだろうか。発表を楽しみに待つとしよう。

サポート頂いたお金は、取材経費(交通費、宿泊費、書籍代など)として使用します。経費が増えれば、独自の取材がしやすくなります。どうぞよろしくお願いいたします。