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今日の科学 8月6日 原子爆弾が初めて戦争で使われた日

1945年8月6日は、広島市内に原子爆弾が投下された日。
人類は原子核を人工的に分裂させる方法を知りました。核分裂を連鎖させると莫大なエネルギーを生み出します。核エネルギーを利用した原子爆弾の開発に成功。8月6日に広島上空に投下しました。

物質を形づくる基本単位である原子は、原子核の周りにいくつもの電子が回っている構造をしています。原子核は、アルファ線(ヘリウム原子核)やベータ線(電子)などを放出しながら、他の原子核に変化することが知られていました。これを原子核の崩壊といいます。

ところが、1939年に原子核についての新たな反応が明らかになったのです。それが原子核の分裂です。オットー・ハーンとリーゼ・マイトナーらのグループが、ウラン原子核に中性子をぶつけることで、バリウム原子核とクリプトン原子核ができることを確認しました。つまり、ウラン原子核が、ほぼ半分くらいの2つの原子核に割れる分裂が発見されたのです。

この核分裂の発見は、世界中の科学者を驚かせました。しかも、ウランの核分裂によって同じ重さの石炭を燃やしたときの300万倍以上のエネルギーを放出するのです。第二次世界大戦が始まると、アメリカで原子爆弾を開発するためのプロジェクト「マンハッタン計画」がスタートしました。

マンハッタン計画によって、原子爆弾が開発され、ウラン型とプルトニウム型の新しい爆弾がつくられたのです。1945年8月6日に広島に投下されたのは、このうちの1つでした。

人類は科学によって新たな知識を得て、原子核のしくみを知りました。しかし、同時に、原子爆弾という稀にみる非人道的な大量破壊兵器を生み出してしまったのです。

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