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今日の科学 5月20日

今日は世界計量記念日 。
1875年5月20日に、「メートル条約 」が締結されやことを記念して定められました。メートル条約は、メートルとキログラムを基準とする単位系であるメートル法を国際的に確立し、普及させることを目的とした国際条約です。

それまで質量や長さを表す単位は、それぞれの国や地域でまちまちで、国際的な取引などをするにはとても不便な状態でした。ただし、メートル条約を締結したからといってすぐに広まった訳ではありません。

日本は1885年にメートル条約に加盟しましたが、それから6年後の1891年に、長さや重さの単位として尺貫法を基本とて、尺貫法とメートル法の併用を認める度量衡法が公布されています。

日本は1885年にメートル条約に加盟しましたが、それから6年後の1891年に、長さや重さの単位として尺貫法を基本とて、尺貫法とメートル法の併用を認める度量衡法が公布されています。

その後、ヤードポンド法も公認され、一時、日本はメートル法、尺貫法、ヤードポンド法が使われる状態となりました。3つの単位系が併用されたことで、当時は、混乱したこともあったと思います。

日本で度量衡法を全面的に見直した計量法が公布されたのは1951年のことです。尺貫法やヤードポンド法の単位系の使用期限を1958年末までとして、1959年からメートル法に完全に統一されました。

今はメートル法を基本にした国際単位系(SI単位系)が国際標準になっていて、日本も1993年からSI単位系に移行しています。気圧を表す単位がミリバールからヘクトパスカルに変わったのはそのためです。

1998年12月に打ち上げられたアメリカの火星探査機「マーズ・クライメート・オービター」は、1999年9月に火星の近くまで到達したものの、周回軌道への投入に失敗してしまいました。その原因の1つは、ヤードポンド法の計算をメートル法ととり違えたことにあったそうです。

単位をとり違えると大きな事故に発展することもあります。ふだん、あまり意識することがないかもしれませんが、単位は社会生活を大きく支えている存在でもあります。

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