2022年ドラフトプレビュー①の話

今年もドラフト会議の季節がやってきた。今季は試合を観てはいたものの、執筆意欲が湧かずこの3カ月半は主にドラフトに追っていたのだ。

そんな訳で今回もドラフト指名予想を作ってみる。「個人的に欲しい選手」というよりは「実際に指名しそうな選手」を選んでみた。

昨日の予期せぬトレードで時間が押してしまったので、今回はとりあえず1巡目から5巡目までだ。6巡目以降と育成指名は明日の昼頃に投稿しようと思う。

時間もないので早速順番に紹介していこう。


▶ 初回入札
矢澤宏太 (日本体育大)

既に入札を公言している二刀流。投手としてはMax153キロを計測し、野手としても5ツールプレーヤーの素養を見せている。

指名時点での能力であれば今年だけでなく昨年を含めてもNo.1と言っても過言ではないだろう、もし一本釣りが成功ならそれだけで80点は付けられる。

他チームが二の足を踏んでいる理由は「二刀流の運用面」だ。まずは単純に172cm/73kgという体格でシーズン通した二刀流の起用に耐えられるかという点。

そして、投手としては小柄な上にまだ粗く、リリーフ向きという評価もある。リリーフだけでも負担が大きいのに、加えて野手でも出る事など可能なのだろうか?

もし先発に留まれたとしても、彼は大谷翔平の様に「バット1本で大きなプラスを産み出せる」というタイプではない。走攻守揃った1番CFタイプなので守備に就いてナンボなのである。

二刀流で勝負するのではあれば大谷とはまた違う形を模索しなければならない。投手だけ・野手だけなら即戦力に近いだろうが、本格的に一軍で稼働するのは少し先になりそうだ。

とまぁ、それなりに懸念はあるものの素材に間違いは無い。無事に単独指名出来る事を祈るばかりである。


▶ 2巡目指名
山田健太 (立教大)

当初の予定では矢澤がOF寄りの評価をされていたので即戦力系の投手…具体的には東京ガスの益田武尚を予想していたが、トレードで風向きが変わった。

来季からブルペンで重宝しそうな齋藤友貴哉(と江越大賀)を獲得してIFを2人放出した訳だが、真っ先に浮かんだのは稲葉篤紀GMが先日かなり熱の入ったコメントをしていた山田健太の事だ。

大阪桐蔭では柿木蓮らと共に活躍し、大学では1年時から主軸を任されるも2-3年時は(期待が大きいだけに)物足りない数字だった。

それでも4年秋は再び長打が増えており、ギリギリで“間に合った”印象だ。どちらかと言えば問題は守備の方で、プロで本職の2Bに留まるのは難しいというのが下馬評である。

下級生時に守った1Bや高校時代に守った3Bに落ち着くとして、ポジション相応の打力を示せるかどうか。要は渡邉諒と同じ立ち位置になる可能性があるのだ。

それでも“山田健太”という選手には賭けてみたくなる何かがある。野手を獲るのであれば彼に行くのでないかと予想する。


▶ 3巡目指名
門別啓人 (東海大札幌)

3巡目と4巡目は折り返しの連続指名なので順番はどちらでも良い。単に「大学生3連発は嫌だな」と感じたので高校生の彼を上にしただけだ。

2015年以降では(2017年を除き)ほぼ毎年北海道関連の選手を指名しているが、門別啓人は日高町出身で小学生時代はファイターズJr.にも選出されている。

本日「上位候補にリストアップ」という報道もあったが、この夏の予選では稲葉GM含む6人体制で視察するなど以前から注目していた。

Max150キロの速球とスライダーが武器でリリーフとしての姿が想像しやすいが、持ち球のツーシームやカーブ・チェンジアップのどれかをサードピッチとして確立出来れば先発に留まれるだろう。

来季3年目の根本悠楓と2年目の松浦慶斗という北海道関連の高校生左腕2人が順調なだけに、指名出来た暁には彼もその波に乗って欲しいところだ。


▶ 4巡目指名
野口泰司 (名城大)

毎年指名順位が読みにくい捕手だが、個人的にはこの吉田賢吾(桐蔭横浜大)や立松由宇(日本生命)の方が早く指名されるのではないかと思っている。

逆に言えば彼らが残っているならそちらで良いのだが…高校生の松尾汐恩も含めて、上位で捕手が欲しいチームが4つもあるとは考えにくいので誰かは残っているだろう。

この野口泰司は21-22年の大学野球選手権で活躍し、今年は日本代表にも選出された大学球界トップクラスの捕手だ。肩も強いが特徴は打撃。

この秋は13試合で5二塁打/3HRを放ちつつ、四球を11個も選んでいる。地方大学(愛知大学野球連盟)という事を考慮しても魅力的な数字である。

今季は宇佐見真吾が打撃でアピールし、古川裕大が二軍で結果を残し一軍デビューするなど左打者の捕手が出場機会を増やしたが、打てる捕手は何人いても良い。


▶ 5巡目指名
日高暖己 (富島高)

今年の甲子園で(後に準優勝する事となる)下関国際高に敗れたものの、素材の良さが光ったMax148キロ右腕。

中学時代は主にSSを守るなど野手志望だった期間が長く、兼任ではなく投手として勝負する事にしたのは高校2年の秋というのも伸びシロを感じさせる。

184cm/77kgという事だが数字以上に細く見えるので身体作りにより、昨年指名した福島蓮の様に更なる球速アップが期待出来そうだ。

投手経験が少なく長身痩躯の右腕といえば、今やエースに成長した上沢直之を連想させる。明らかにチームも好きなタイプだろう。

3-5年後には一軍ローテ入りを果たし、最終的には先発3本柱として投手陣を背負う存在になって貰いたい。

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