黒よりも暗い -32-
声を出す。声をかける。返ってこない。慟哭はいつかの夜にした記憶がある。星が流れる。光が点々としている。暗いのに明るい。同じ色はない。星が動くのを見て世界が動いているのだと気付く。テレビでは永遠に人が話し続けている。いつまでこの時間が続くのだろう。陽は天まで上り、地平線へと沈んでいく。光の濃淡が違う。色の濃淡が違う。陽の沈みと共に私の動きが止まりそうなる。少し焦って呼吸をする。深く呼吸をしてみる。どうやら死にたくないようだ。陽の沈みと共に呼吸が止まれば死ぬのではないかとおもったりもしている。それを制止するように呼吸をする私が居る。呼吸は私の呼吸しか感じない。大分昔、自然の呼吸を感じていたように思い出す。大地の呼吸。大地の息吹。大地の身震い。あの感覚はどこへ行ったのだろうか。大地自体寝鎮まっているのだろうか。私の声は聞こえていないようだ。私の声を聞こえないようにしているのかもしれない。私もそれ以上声はかけない。ごめんなさい。私は私で独りで生きていく。あと何回呼吸ができるのであろうか。あと何回苦しむことになるのだろう。あと何回悲しくことになるのだろう。あと何回希望を持つことになるのだろう。あと何回絶望を感じることになるのだろう。時が止まっているのは私だけだ。どんな時でも見える景色は幸せそうに見える。そうか私はマネキンなのだろうか。街は色づく。どんな時でも街の息吹きは感じる。私はそれを見ることはできる。できることは眺めることだけ。私から声を掛けることができない。声を出しても誰も気付かない。私から涙は流れない。涙を感じてみたい。人の温もりを感じてみたい。私はただ眺めているだけ。いつまで眺め続ければよいのだろうか。この光景の周回はいつまで続くのであろうか。私はいつまで見続けなければならないのであろうか。
夢を見た。神社が2つある。向かって右側の神社を今回は祭るようだ。朝から出勤のようだが、エレベーターが混んでいる。違うルートにする為、違う方向を歩く。同僚らしき集団に出逢う。にやにやしている。私は師匠らしき人を呼び個室で何かを話している。悪い話では無さそうだ。そこを隣国のライバルが襲ってきた。どうやら戦中らしい。毎度毎度戦いを繰り返し、引き分けているものだから、ある意味親しみがあり緊張感がなかった。集団は部屋に入ってきて電気銃を打ってくる。殺す気はないようだ。私も殺す気がないようだ。私電気銃で撃たれショックで倒れてしまった。住民は逃げ惑う。敵は総出で襲ってきている。今回はかなり本気のようだ。全速で逃げ惑う住民へ地中から突然生き物が出てきて飲み込む。その生き物は恐竜のような姿をしている。住民が恐竜のスーツを着たように見えた。もしくは恐竜に丸飲みされたのであろうか。そこで夢が覚めた。夢占いを調べると神社は良い意味があるらしい。それも神社が2つ。何か意味があるのだろうか。そして恐竜。恐竜は自然の驚異をさすらしい。どちらにしろ自然の畏怖の念を持っているのだろう。それでいい。私は自然の下で生きていたい。自然だけが好きである。自然に憎しみは感じない。そう言えば、ごくごく小さな奇跡は起こったようだ。人によっては大したことではない。しかし、そのような天に通じたようなことが皆無な私にとっては嬉しかった。快感であった。見返りは届かなくてもよい。私の信念が届いただけで良いのだ。それが嬉しいのだ。今までは通じない。遮られる。いつも門が閉じている。門をいくら叩いても少しも開かなかった。私の中で門は門でなく、ただの壁となっていた。壊そうとした時期もあった。だがビクともしない。今もそうである。途方に暮れた。そして今は諦めてしまっている自分が居る。大分気持ちは沈んでいる。それでも生きている。死なないことで終わりがこないのであれば、私は終わっていない。人間とはどのような生き物なのだろうか。生きる意味を探してしまう。とある理想はある。恋をして結婚し家庭を持ち、仕事はやりがいを持ち常に挑戦している。躍動している。今ではそれは幻想であると感じている。であればそれ以外にどのような生きる目標があるのだ。目標だろうが目的だろうが今の私には関係ない。言葉遊びはどうでもいい。言ってしまえば満足でいればよいのである。心が満たされていればいいのである。それが目的だ。ではそれを手に入れるための部品を目標としたら一体何なんだろうか。先ほどの幻想は部品とはなりえない。違う部品はあるのだろうか。ゲームはその内に一つである。ラジオもそうだ。だが弱い。もっともっと夢中になりたい。情熱を注ぎたい。それが無いのである。それを部品にしたい。映画も好きなのだが、メンタルがとても淀んでいる時は観る気がしないので難しいようだ。ポイントはメンタルがかなりまいっている状態で頼れるモノ。それで言えば、ラジオ、ゲーム。この2つは確定する。だが情熱を注ぐまではいっていない。それでも大事にしたい。表に出ることができないのはわかったのである。諦めたのである。だったらもっともっともっと、深く潜るだけだる。命果てるまで深く深く。
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