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「先手を打った想像力」こそが、良いコミュニケーションの第一歩。

この記事は、HERP社主催の#採用ブログリレー「候補者と企業とのより良いコミュニケーション」に当てた投稿です。
私自身、他の採用担当の皆さんの記事も読ませて頂き、新しい発見が沢山ありとても学びになっています!

この記事のサマリー

今回のテーマは「候補者と企業とのより良いコミュニケーション」ということで、私の考えをまとめました。

●企業と候補者のコミュニケーションは、タッチポイントができた瞬間から入社後も続くもの
●選考フェーズが進むほど、双方理解を深められるようなCX設計が大事
●想像力を常に働かせて一人一人の候補者の方に寄り添う姿勢が、採用における優位性にもなり本来あるべき姿

0.自己紹介

まずは、簡単に自己紹介をさせてください。
私は、2022年4月からNewsPicks・SaaS事業を含めたユーザベースグループ全般の技術広報を担当しています。

自己紹介

おそらく、一般的に想像される「技術広報」よりも領域はかなり幅広いです。具体的には、ビジネスポジションのメンバーもエンジニアリングスキルを向上できるように社内新制度を取り入れることから、親子向けのIT×ビジネスを融合した新しいプログラミングスクールの立ち上げなど、代表直下でエンジニアリングに関するプロジェクトは全般担当させて頂いております。

▼取り組みの詳細は、こちらからチェック頂けると嬉しいです。

また、HERPユーザーコミュニティでは、2022年12月からかどまいさんと一緒にコミュニティマネージャーも担当させて頂き、コンセプトでもある「事業を成長させる採用について、実践にもとづく知を共有するコミュニティ」を目指し、勉強会の開催等、コミュニティの活性化に取り組んでおります。

※現在、本業では採用は担当しておりませんので、前職や副業で入らせて頂いている採用支援の経験から、本記事を書かせて頂きます。

1.候補者と企業における、コミュニケーションの対象期間は?

候補者と企業とのコミュニケーションというと「選考期間の時に、お行儀よく頑張れば良いのね!」と思ってしまう方もいるかもしれません。

しかし実際、候補者と企業とのコミュニケーションは、タッチポイントができた瞬間(スカウトメール等も含む)から始まり、入社後までもずっと続くものなのではないかと考えています。

候補者と企業における、コミュニケーションの対象期間

選考期間だけ仮面をがぶったとしても、入社後に「選考時とは言っていることが違った」と感じさせてしまえば、それは結果的に候補者体験は良くなかったと思わせてしまいますし、双方にとっても良いことがありません。

また、入社後は「候補者」とは言いませんが、昨今ではメンバーが退職後であってもアルムナイ採用で、退職者がまた採用対象者になることも、十分可能性があります。

そのため、タッチポイント〜入社後も、企業の軸となる情報に一貫性があることはとても大事で、企業は面談・面接のみならず、いつでも誠実なコミュニケーションを取る姿勢が必要だと考えています。

※アルムナイ採用とは、何らかの理由で自社を退職した人を再雇用する採用手法のことで、「出戻り制度」ともいわれているものです。

2.「良いコミュニケーション」の定義を考える

今回のテーマでもある「候補者と企業とのより良いコミュニケーション」と言っても、想起する内容や捉え方はさまざまかと思います。

本記事では、良いコミュニケーションの定義を以下2つとしました。

候補者と企業とのより良いコミュニケーションの定義

2-1 候補者の方のニーズによって必要なものを先回りし、適切な場とタイミングで情報提供をすること

まず1つめは、候補者の方のニーズによって必要なものを先回りし、適切な場とタイミングで情報提供をすることです。

コミュニケーションの避けたい事例として、例えば、カジュアル面談で企業の型化された資料と説明をずっと聞くことになってしまい、候補者が質問をするタイミングも無く面談が終わってしまうという、企業の一方通行なものです。

候補者の方が「なぜ、この面談の時間をとってくださったのか」「何を悩んでいるのか」「今後、実現したいことは何なのか」等、とにかく「企業のアピールよりも、候補者の考えていることやニーズを少しでも引き出すこと」が大事だと思っています。それにより、その後にニーズに合わせた選考フローを設計できるとベストだと思います。

2-2 フェーズが進むほど、双方理解を深められること

企業と候補者のコミュニケーションにおいて、初めのタッチポイントからフェーズが進むほどに「お互いの理解が深まる状態」が理想だと考えています。

そのためには、企業は途中で発生する候補者の新たな疑問点や深掘りしたいことと向き合うことをサボらず、随時クリアにしていく姿勢は大前提として抑えたいです。

3.具体的な3つのポイント

企業と候補者間での「コミュニケーション対象期間」や「良いコミュニケーションの定義」を整理した上で、タイトルにもある「先手を打った想像力を効かしたコミュニケーション」を実現するために、今回、具体的なポイントを3つ記載したいと思います。

具体的な3つのポイント

3-1 CX(候補者体験)は、パーソナライズが必要


CX(候補者体験)は、パーソナライズが必要


ダイレクトリクルーティング(スカウト)を実施する際、テンプレートで作った文章をばら撒くということはせず、それぞれの方に合わせたパーソナライズを加えると思います。
同様に、良いCX(候補者体験)と言っても、それぞれの方のニーズによって必要なものは異なると考えています。もちろん、細かくフローを変えすぎると工数やリソースの課題も出てくる為、調整が必要なのですが、少なくとも「一人一人に寄り添おうとする姿勢」は、企業として大事だと思っています。

ポイントは、「一人一人に寄り添おうとする姿勢」


スピード感を持って早く決断をしたい!という方もいれば、じっくり他社比較をして自分の納得できる答えを出すまでに時間をかけたい方もいる。
チームメンバーと沢山対話をしたい方もいれば、経営レイヤーの思想や考え方を重視してコミュニケーションを多く取りたい方もいる。

採用におけるあらゆるシーンの主語は「候補者」であるはずで、「その方にとって何が一番最適か?」という視点でCXも設計されるはずなのですが、そこが逆転してしまって「自社都合」「単純作業のコミュニケーション」で話が進んでしまうと、せっかくタッチポイントは作れているのになかなか信頼関係が築けずに結果に繋がらないというパターンになる可能性もあり、勿体無いです。

●ポイント
採用担当者はとにかく忙しいので、つい目先のタスクばかりに目がいき視座が低くなってしまうこともありますが、採用がうまくまわっている会社というのは「候補者ファースト」であり、そうでない企業は「自社ファースト」で採用活動をしてしまっていることが多いなと思います。

候補者の方にとって、その時に入社する会社は、当たり前だけど1社しかありません。営業等と一緒で「相手が何を求めているのか」ニーズを先回りした進め方ができることは採用における優位性にも繋がり、本来の候補者体験のあるべき姿だと思います。

●具体的なアクション例

a.面談と面接では「候補者にとって話したい人」が理想

例えばエンジニア採用の場合、候補者の方が話したいのは、やはりエンジニアだと思います。その為、技術の見極め等も含め、面談と面接はエンジニアが担当することが一番だと思います。


b.カジュアル面談は、候補者のインサイトを少しでも引き出すことができると◎

事業や組織、ポジションの紹介等の話から、キャリア・転職に対する考えなど「候補者の方が今何を考えているのか?」に少しでも触れられることができたら、次のアクションもセットしやすくなりますし、選考に進んで頂く場合も、選考の中でどの面接担当と会話をすることが適切かが、よりクリアになります。

インサイトの引き出しは、場数やコミュニケーションスキルも必要だと思うので、ノウハウのある人事が同席して面談・面接担当者にアドバイスをしてサポートすることも良いと思っています。

c.面接担当者とあえて顔を変えた人事と話す時間をセットするのも◎

方法の1つとして、面接の後に数十分程度「面接者とは顔を変えた人事がヒアリングをして、候補者がリラックスして話せる時間」を、別でセットすることも良いと思います。

3-2 転職潜在層との信頼関係構築は大事


転職潜在層との信頼関係構築は大事

2つめは、転職潜在層との関係構築です。
HERP Nutureなどのタレントプールツールを活用している企業も多いと思うのですが、候補者の方によって対応をカスタマイズできている企業は、少ないように思います。

●ポイント
採用活動の対象は、転職顕在層だけではありません。
時にハイレイヤーポジションやエンジニア採用など難易度高の採用においては、転職潜在層とのコミュニケーションをしっかり設計できるかどうかは、中長期目線でとても大事です。

例えば、カジュアル面談を実施して「興味はあるけれど、現職にもまだ留まってやりたいことがあるので、すぐの転職は保留にしたい。」という状況も多いと思います。こういった場合に、御礼メールだけで候補者の方と完全にコミュニケーションを絶ってしまうのは、とても勿体無いと思います。
ここで対応に手を抜くかどうかで、長いスパンで見た際にも結果に差が出るように思います。

●具体なアクション例
1. なぜ「今」選考に進む意思がないのか要因を知る
2. もし1が「まだ転職したばかり」や「現職の次回評価等のタイミングで判断したい」といったタイミングの問題であると明確に分かる場合、次回連絡のトリガー/スケジュールを必ず設定する
3. 次回のアクションは、候補者のニーズを元にカスタマイズしてセット。

下記はほんの一部ですが、転職潜在層のカジュアル面談後の次のステップとして、アプローチの具体例をまとめています。社内工数ももちろんあると思うので、どこまでアレンジするかは取捨選択が必要ですが、「どういうコミュニケーションであれば、一番候補者の方の状況やニーズに沿えるアクションになるのか?」は、常に想像する必要があると思っています。

転職潜在層とのコミュニケーション例

3-3 候補者アンケートは、採用活動見直しの大チャンス

3つめは、候補者アンケートを実施と分析をすることも、CX全体の質向上に繋がるという内容です。

候補者アンケートは、採用活動見直しの大チャンス


●ポイント

「フィードバックは贈り物」
という言葉がありますが、これは採用活動でも言えることです。つまり、もし候補者の方が実際にフィードバックを伝えてくださるというのは、本当に感謝すべきことであり、採用活動見直しの大チャンスになります。

実際に候補者からのフィードバックを頂く手段の1つとして有効なものが、候補者アンケートです。

アンケートを実施しても分析して振り返るタイミングがなく、結果的にアンケート自体が機能していない企業はとても勿体無いです。CXを重視して採用にも強い企業は、このアンケートをしっかり定期的に分析してPDCAを回している所が多いように思います。

●具体的なアクション

・主な採用に関するアンケートの種類

1.カジュアル面談前の事前アンケート
2.カジュアル面談後アンケート
3.選考(面接)後アンケート
4.オファー承諾/辞退後アンケート  
※4に関しては、個人的にはフォームよりも対面ヒアリングがより理想と考えています。

ちょうどHERPの庄田さんが、それぞれのアンケート目的/内容について素敵な記事を書いて下さっていたので、こちらも参考にしてください!

この記事では、細かいアンケート項目には記事ボリュームの観点から触れませんが、大事なポイントとして抑えたいのが、アンケートは実施と分析が必ずセットであるという点です。是非、定期的にアンケートの分析と振り返りの時間を作り、良いことも改善すべき点もシェアしましょう。

4.まとめ

私は、新卒で航空会社の客室乗務員をしていたのですが、当時よく頂いたアドバイスが「お客様が声には出さない要望も、自分から先回りしてキャッチしなさい。」ということでした。採用における候補者の方とのコミュニケーションにも、通じるものがあるなと常々感じています。

これは決して背伸びをして大きく見せるということではなく、想像力を常に働かせて、一人一人の候補者の方に敬意を持って寄り添う姿勢を大事にするということだと考えています。今回、具体的なアクション例も記載したものの、お伝えしたい1番のポイントもこれに尽きます。

私もまだまだ勉強中なので、ご意見やアイデアがあれば是非頂けると嬉しいです!

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