おっさんずラブについて、祈りにも似た個人的な思い(回顧録)

|д゚).。oO(これは、19年9月のシーズン2発表直後に独り言のように書いて、結局下書きで放置していたものを、ほぼその時の文章のまま掲載しております。なので、タイムラグなどありますが、ご容赦ください)

おっさんずラブの新しいドラマの発表から様々な意見が飛び交うのを、あまり興味のない話のように眺めていた。映画を9回もリピートして、オフィシャル本もシナリオも買うほどハマったのに、である。
新しい展開が受け入れられないのとも違うし、あっさり切り替えができてるのともまた違う。春田と牧の世界は大好きだけど、だからって、更に見たいかと言われると言葉に困る。この状況をもて余してる、それが一番近い感情だと思う。
そんな時に、ドラマのオフィシャル本を読み返して、ふと頭をよぎった思いがある。これは、わたしが、このもて余してる感情へ救いを求めて、勝手にそう脳内変換しただけなんだとは思う。それでも、言葉にしようと思う。自分の感情の道しるべとして。

ドラマのオフィシャル本には、圭くん、吉田さん、遣都くん、3人のインタビューが載っている。そのインタビューの中で、唯一遣都くんだけがドラマが終わった実感を言葉にしている。(圭くんもロス感は言葉にしてるが、春田の感情で答えてる部分も多く感じる)なんなら、一緒に掲載されている写真も、どこか春田と武蔵感が残る二人に対して、遣都くんのは林遣都にしか見えない(ようにわたしには見える)
もしかしたら、このインタビューの時点で、次のおっさんずラブの展開の話を圭くんと吉田さんには提案されていたのかもしれない。でも、春田が牧にプロポーズをして二人が結ばれて、武蔵の出る幕がないということは、春田と牧の物語は完結を迎えたことになる。
なぜなら、タイトルをよく見ると「Ossan's Love」(おっさんの愛)とあり、おっさんである武蔵の愛を通して春田が人を愛することに気付かされたり、単発のハセも天空版の牧も、武蔵が春田に告白したのをきっかけに秘めたままでいるつもりだった(と思われる。現にハセは1年同居してても、告げていなかった)恋心を発露させるなど、武蔵の愛によって物語が展開していくのがひとつの軸になっているからだ。(これは、睦月さんのツイートによって気付かされた)

https://twitter.com/mousyun/status/1177387890705235968?s=09

武蔵の愛で春田を成長させるのが物語の主軸のひとつである以上、春田と牧の物語としては完結し、新しい春田と武蔵の世界で新しいライバルを迎えて話を進めるしかない。つまり、そこにライバルである牧=遣都くんはいない。
だから、圭くんと吉田さんのインタビューや写真に春田と武蔵感が残るのに対して、遣都くんのインタビューや写真には牧感がないのではないか。

が、ドラマの反響は、「武蔵の愛によって春田が成長していく物語」としてよりも、「春田と牧の物語」としての声の大きさが上回る。
インタビューで圭くんが「このドラマは遣都にかかってる」とプレッシャーをかけた話をしてるが、圭くんや吉田さん、スタッフの皆さんの期待以上に、林遣都は牧凌太を演じた。いや、もはや「生きた」という方が表現として正しい気がする。当初ライバルという立場だったはずの牧凌太は、ドラマが進むにつれ確実にヒロインになっていた。少なくとも視聴者の多くはそう認識した。それは、視聴者の反響が何より物語っているし、かくいうわたしも牧の存在でドラマにはまった一人だ。
あまりの反響の大きさに応える形で、劇場版の話が決まったと思う。が、それより先に動き出していたと思われる次の展開の話を今更白紙にもできない。それでも、今回のむちゃくちゃとも思えるスケジュールで批判を受けることになっても、劇場版を作ることにしたのは、誰よりもスタッフがまだ牧凌太に会いたかったのではないか、と思う。でないと、劇場版での牧のあの美しさや、完全にヒロインの立場(ヒロインである武蔵にヒロイン認定されているくらいだし)になっていることの説明がつかない。もちろん、遣都くんの演技が更に魅力を増してるというのもあるだろうが、演出する側の愛がなければあれほどのにおいたたんばかりの色気は、伝わってこないと思う。

もうひとつ、映画が公開になってすぐだというのに、スタッフも圭くんもずっと「これが最後」と言っていたことや、おっさんずラブ展が展開していかないことがずっと気になっていた。あんなにもファンの声を拾いまくってくれていたのに、なぜそんなに終わりを強調するのか、と。あの「これが最後」は自分達に言い聞かせてたのかな、と今は思う。

そして、それが春田と牧の結婚式のシーンがない理由でもあるのでは、とわたしは思っている。なぜなら、そのシーンを映像にしてしまったら、今度こそ完全に春田と牧の話は完結してしまうことになる。
実際に続きが描かれることはないと思う。でも、ピリオドをうってしまわないことで、春田を、牧を、天空不動産の皆を愛した人達の数だけ、彼らの物語は続いていく。それでいいんじゃないか、とわたしは思う。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

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