Canon FTbの分解
キャノンFTbはカメラ転売では値段も安く狙っている人もほとんどいません。
とても重く国内人気は少ないですが、外国(おそらくマッチョ)の方にはそこそこ売れていきます。
とんでもなく安く仕入れられるので、お金をかけずに元手を稼ぎたい方にはおススメです。また、ブラックであれば馬鹿にできない金額で取引されます。
後続機種にFTb-Nがあります。タイマーの形で見分けます。
参照: Canon FTb-Nの分解
基礎知識
故障と間違えそうな症状まとめて見ました。
・レンズの絞りを動かしても、ファインダー内の◯が動かない!
〇とはファインダー内にある、露出計の追針と呼ばれるものです。
キャノンFDレンズを使うと、絞りと連動してこの追伸が移動しますが、 FLレンズでは追針は動きません。
・レンズがつかない!
FDレンズの絞りがAに合わせてあるとレンズ装着できません。また、レンズを付けた際にAにあわせることもできません。
トップカバーの分解
分解の前にシャッター速度を1/1000、ASAを25にします。
これ以外だと、シャッターダイヤル下の金具が回転して、元の位置がわかりずらくなります。
また、露出計をOFFにします。
カバーを戻す際、内部の露出計の端子を曲げてしまうのを防ぐためです。
まず巻き上げレバーを外します。
巻き上げのカバーは正ネジ
カバーの下のリングは逆ネジなので注意です。
といっても、今回の個体にはこのリング自体がありませんでした。時代が下ると、この逆ネジで止めてあるリングは廃止になったようです。
カバーを取った後は、各パーツをどんどん上に引き抜いて行って下さい。
巻き上げ別バージョン
押え金具があるバージョンです。
巻き上げのカバーをとると、一見とっかかりがありません。
実はカバーになっています。細いマイナスネジなどでめくります。
イモネジを2つがあるので緩めます。(ないタイプもあります)
イモネジは軸に向かって斜めに入っているので外すときに注意して下さい。
その後厚めの金属リングを回しますが、逆ネジです。
▼以降分解再開
先の丸いペンチで、シャッターダイヤルのカバーを外します。
なめないように、しっかり押しながら、少しだけ動かす感覚で!
開かないからと言ってアルコールなどは注さないように!内部にあるASA感度の数字のインクが取れてしいます。
シャッターダイヤルを外しました。
この時、速度1000、ASA25だとダイヤル下の金具が動きません。
他の位置で外すと回ってしまい位置を見失います。
シャッターダイヤル裏の突起が、左上の赤い印がついた溝に入るように組み上げます。
巻き戻しクランクを外し、電池蓋も外します。
背面のネジ2本、側面のネジ1本を外します。
前面のネジを抜きトップカバー外します。
このネジは頭が平たいネジです。他のネジとは混ぜないで下さい。
配線が繋がっているので、そっと引き上げて下さい。
カバーを外すとレリーズ下の棒が落ちる時があります。
回収して元の位置に刺しておいてください。
※わかりやすいように少し棒を出してます。
この棒は取り外しできずに一体化しているものもあります。
プリズムを取り外します。
押えの金属板のネジを外し、金属板とカバー→プリズムと順に引き上げていきます。
劣化したモルトがくっついているので、除去します。
モルトの貼ってあった部分には代替でテープを貼っておきます。
プリズムを外すと、スペーサーの紙も取れてきます。
紙が外れるときに、左側の針金を巻き込んで外してしまうことがあるので注意です。
スクリーン上の薄い金属枠まで外したら、清掃を行います。
シャッター速度ダイヤルと露出の連動がずれた時の調整
分解中にシャッター速度ダイヤルを動かしてしまった時の対処方です。
速度1/1000 ASA100にすると分かりやすいです。
シャッターダイヤル下の金具の赤い印が真正面を向き、画像赤丸内の穴2つと下のマイナスネジが直線上に並びます。
一直線になった状態です。
直線上に並んでいない場合は、ズレているので位置を調整してください。
組み上げ
スクリーンを清掃した後に、プリズムを元の位置に戻します。
その際、スペーサーの紙の片方は貼付けてしまった方が作業早いです。
スクリーン上の金属枠を戻す→紙の片方を元の位置に貼る→プリズム戻す→プリズムを側面に押し付けつつもう片方の紙を竹串の背を使って押し込むの手順です。
若干浮いてますが紙を戻しました。
両方の紙を貼り付けるとプリズムが戻りきらずうまくいきません。
プリズムを抑える金属板とカバーを戻します。
なお、前述しましたがモルトはすべて除去してあります。
シャッターレリーズボタンの下の棒が抜け落ちないように、トップカバーを上から被せるのではなく横にしてボディとはめ合わせます。
完全にはめる前に表向きにし、コードの介錯とトップカバーがエプロン部と正しく組みあうか確認しながら閉じます。
バラすときに確認した、シャッターダイヤル下の突起を、もとにあった位置に組み込みます。
千枚通しなどで下の金属を微調整しつつはめて下さい。
各不具合の対応
低速シャッターの不良
低速シャッター時に、ミラーアップを起こしたり、シャッター音がたどたどしい時は、スローガバナーという部品が動作不良を起こしています。
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