Canon FTb-Nの分解
キャノン FTb-Nは、カメラボディにはFTbとしか書かれていないのでごっちゃにしてる人もいるかもしれません。
FTbと違いタイマーが少しメカニカルな感じになっています。
参照: Canon FTbの分解
今回は行う整備は以下通りです。
・ファインダーの清掃
・シャッターダイヤルの位置調整
・露出計周りの通電改善
トップカバーの分解
分解の際にはシャッター速度を1/1000、ASAを25もしくは100にすると内部露出計の歯車が調整しやすいです。
はじめに巻き上げレバーを外します。
上のカバーは正ネジです。
ゴム板で回すのが推奨ですが、穴が深いので丸ペンチでもそれほど危険はないでしょう。それ以降は上に抜いていきます。
シャッターダイヤル中心のカバーを外してから上に抜きます。
しっかりハマっているので、ある程度強めに引っ張らないと抜けません。
この個体は、かなりためらいキズが付いていました。
このようなキズがつかないよう、皆様は分解用の器具はしっかりと押さえつけながら回して下さい。
また、分解跡がある個体は、中がいじられて部品のハメ方が違ったりする場合があるので注意が必要です。
4つある溝の一箇所にシャッターダイヤル下のピンが刺さってます。
組み上げ時にその位置がずれないように印を付けます。左上の黒マジックで付けた点がそれです。(今回は印を付けましたが大抵はもともとペイントされた印があります。右下の青い線がそれっぽいですが、ずれていたので自分であらためてマークを打ちました。)
FTbの場合はこの円盤にテンションが掛かっていて、シャッターダイヤルを抜いたときに回転しますが、FTb-nでは回転はしなくなっているようです。
巻き戻しクランクを外します。下にワッシャー入ってます。
電池蓋も外して下さい。
背面のネジ2本、側面のネジ1本を外します。
前面のネジを外します。このネジは皿ネジなので他と混ぜないで下さい。
分解に必要なパーツはすべて外したので、トップカバーを上に引き抜きます。
配線が繋がっているので、そっと引き上げて下さい。
スクリーン内の清掃
プリズムを押さえつけている金具の左右のネジを外し、金具とカバー→プリズム→スクリーン上の枠を順に引き上げていきます。
プリズムを外した際、左右にある紙のスペーサーも取れてきます。
この紙はプリズムを戻すときには、元あった位置へ糊付けしておくと作業が楽です。
スクリーン内は、露出計に注意しながら清掃して下さい。
露出計の端子清掃
左の赤く囲った部分は、上がバッテリーチェック、下が露出計の端子です。黒ずんだり緑青が吹いている時はアルコール等で清掃して下さい。
シャッター速度ダイアルの調整
シャッター速度1/1000 ASA100の時は、画像の矢印の先にある穴2つと下のマイナスネジの中心が直線上に並びます。
本来バッテリーチェックは、シャッター速度1/1000 ASA100で行いますが、この位置関係がズレていると針の振れが少なかったり、別のシャッター速度で良く動いたりと怪しい挙動になります。
端子を磨く時は細い綿棒を更に平たくしてやってから、端子の間に入れてやるといい感じです。やりすぎて曲げないようにして下さい。
組戻し
シャッターダイヤル下の突起を、下にある円盤の溝に刺さるようします。
千枚通しなどで下の円盤部を微調整しつつはめて下さい。
以上Canon FTb-Nの分解でした。
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