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Pentax K2の分解

ペンタックスK2は、ペンタックスKM, KX, K2と続くKシリーズの最上位機種です。
しかし、電子シャッターのためか人気の点ではKXに負けてます。電池はなくてもシャッターは切れますが、速度が変わらないという仕様です。
バッテリーチェックがついてますが、電気を食うのか新品に近くないと光ってくれません。


基礎知識

ASA感度の変えかた

マウント部分にASA感度設定のダイヤルがありますが、硬くて動かしずらいことが多いです。
そういう場合は、ダイヤル周りを清掃する必要がありますが、そもそも動かし方を間違っていることもあるので確認してください。

最初に露出補正を1xに合わせます。これ以外だとASA感度は動かせません。
マウント前面のグリップをつかんで回せば露出補正は変更できます。
*オレンジの4の下側にあるでっぱり(逆サイドにもあり)をつかんで回します。

画像右下のボタンを押し込みながら、ASA感度の目盛りがあるリングを回します。
先ほど露出補正を動かしたダイヤルの下部分にある、キャタピラっぽいリングだけ回してください。

よく、ボタンを押し込みながら前面のグリップを力いっぱい回している方がいますが間違えです。
なんども言いますがリング部分だけを回してください。一見ただの模様のように見えますが、ISO感度設定リングを回すためのすべり止めです。

やり方わかれば単純ですが、直感的にわかりづらく、硬いと勘違いしてしまう方が多いです。

ミラーアップボタン

マウント右側のスタイリッシュなボタンはミラーアップレバーです。
その名の通り、ミラーがあがりっぱになります。
ミラー室の清掃時などで使用すると便利です。

トップカバー分解

分解自体はさして難しくないものの、スクリーンのチリを取り切るのは難しいです。
少しのチリ程度ならばトップカバーを外しての清掃は見合わせた方が無難です。
なお、ミラー室側のスクリーンはつるつるしているので清掃は楽です。
巻き上げレバー→巻き戻しクランク→シャッターダイヤルと外していきます。逆ネジはないです。

巻き上げレバー上のカバーを外します。
ゴム板等を押し付けて回せばよいです。

金属の押えを外しますが、穴からでたバネの先を曲げないように注意して下さい。

ボディとレバーの穴に、バネの先が入っています。
仕組みを確認したうえで、バネを外して下さい。

巻き戻しクランクを外します。
フィルム室内の二股を固定しつつクランクを回してください。

クランク下の軸を押えているリングを外します。

金属の円盤も外して下さい。

トップカバーを止めているネジを4本抜きます。
右下のネジがなく3本の場合もあります。

シャッターダイヤルを外します。
側面のイモネジを3本緩めて上に抜きます。
下のプラリングも外します。プラリングは上下間違えるとダイヤルとまりません。

分解に必要なパーツはすべて外したので、トップカバーを上に引き抜きます。

フィルムカウンターそばのネジ穴の上にワッシャーがのっています。
作業中に落ちて、住所不明で発見されることが多いのであらかじめ回収しておいてください。
トップカバーを戻すときは、粘着性のあるもので張り付けてしまった方がよいです。
*ネジ穴のないタイプにはこのワッシャーもありません。

組み戻すときにシャッターボタンの下にあるシャッターロックのパーツが引っかかることがあります。
無理やりはめ込もうとするとパーツが曲がってしまうので注意してください。

プリズムの取り外し

プリズム左右のバネをはずします。
下側だけ外して、上側はつけっぱなしで構いません。

プリズム上の配線がきついので緩めます。
コードを結索している金属板を上に曲げてコードをたわませます。

左右からプリズムを締め付けている金属を緩めます。
矢印先のマイナスネジをねじると、下の金属の角度が変わって固定が解けます。

逆サイドも同じ要領で緩めてください。
左側は半時計回り、右側は時計回りに回すと緩まります。
*組み立ての時に戻すのを忘れずに

プリズムをつまんで、斜め前方向に引き抜きます。

取り外したプリズムの内側に付着したモルトは、清掃してください。

プリズム脇にもモルトは使われています。
こういった劣化モルトをしっかりと除去しておかないと、清掃しても清掃してもスクリーンにチリが入ってしまう、無限モルト地獄に陥ります。

組み戻し

バネをはめる際は、ピンセットだと作業中に滑ってしまいがちなので、ペンチがおすすめです。
バネを付けただけで安心して、プリズムを締め付けているネジの戻しを忘れることが多いのでお忘れなく。

コードを金属板で結索し直して元通りにします。

巻き上げレバーの戻し方

レバーの穴にバネの先を入れます。
コの字をした幅の広い方がレバー側、狭い方がボディ側に入ります。

ボディ側にバネ先を入れます。
穴の淵にコをひっかけつつ、レバーを反時計周りに一回転させていきます。

バネが、軸の上側に乗ってしまわないように誘導しつつレバーを回します。
巻き上げの開始位置までもどったらレバーを付けます。
レバー上の金属リングを締めた後に、シャッターを切り、レバーがちゃんと戻ればOKです。

ファインダーアイピースの取り外し

アイピース部分を外していきます、プリズム外さずアイピースの裏側だけ清掃したい時とか、交換したい時に役立ちます。
まず、プリズムすぐ後ろのネジを2本抜いて金具を外します。

左側のネジと配線を止めている銅色のパーツを外します。

アイピースを挟み込んでいる基板を上に抜きます。
右側のネジを外せばアイピースが取り外せます。

この部分は、結構バルサム切れしてるので交換したくなる機会は多いと思います。

ペンタックスK2のメンテンナンス方法は以上です。

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