Canon AE-1 PROGRAMの分解
キャノンAE-1プログラムは、キャノンのフィルム一眼の中でもぴか一の人気を誇る機種です。
しかし、高確率でシャッター鳴きを起こしていて、症状はAE-1より重いことが多いです。
また、ファインダーアイピースの裏側がカビていたり、自慢のAEが狂っちゃっていることも多いので、トップカバーを外して対処していきます。
参照:
Canon AE-1の分解と電池室の落ち込み解消
Canon AE-1 プログラムの電池蓋交換
露出計の確認
通電してシャッターが切れる。
シャッター速度も問題なさそうだ♪
よかった〜!
と思うのはまだ早い。
AE不良が結構あります。
レンズをはめて、絞り値をA(オート)、シャッターダイヤルをPROGRAMに合わせて下さい。
明るいところでも”1.4”がピカピカ光っていたらAE不良です。
改善方法は後述します。
ファインダースクリーンの外し方
画像赤丸の金具を上に跳ね上げます。
スクリーンの枠ごと外れます。
汚れなどあればブロワーで吹き飛ばします。
シャッター鳴きとは
シャッターを切ると、クシュンとかキシャンとか甲高い音がなることがあります。ヤフオクなどで購入した場合はほとんどじゃないでしょうか。
これは、シャッターと連動したギアのグリスが切れてカラカラになっているのが原因です。
適切な箇所に注油し直すと解消します。
また、シャッター鳴きを起こしているのは、ある意味危険な状態で、いつシャッターロックがかかってもおかしくないです。いつまでも音を鑑賞していないですぐさま対処にかかって下さい。
シャッター鳴きの対処法①
前カバーを取ります。
画像のネジを4本外してから、右側銀のボタンを押しながらまっすぐ上に引きます。
カバーを取り外した後、左上のネジを一本外します。
シリンジの先端を2cmほど入れ(奥まで刺しちゃうのはNG、つかっかる少し手前です。)ミラー室の裏および電池室の裏あたりに垂らすように注油します。
いきよい良く注しても幕が濡れるだけです。
少量ずつ注油し鳴きをチェックします。
ある程度注油したら、鳴きが治まらなくても一度放置します。次の日になると自然に鳴きが治まっていることも多いです。
しばらく放置しても鳴きが収まらないときは、再度対処方①を試しても良いですが、別の方法も紹介しておきます。
シャッター鳴きの対処法②
底板を外します。ネジ2本外せば取れます。
組み戻す時の注意を先に言っておきますが、ネジの逆サイドに穴が空いています。
誤ってこの穴にネジを入れると取り出せなくなります。
推定で年間50台はこの事故の犠牲になっていると思います。
画像赤丸の奥にシャッター鳴きの原因であるギヤがあります。
先ほどのシャッター鳴き対処で外した、左上のネジ穴からライトを照らすとかすかに見えます。
底板の隙間から、シリンジを刺しこんで注油します。注油後しばらく放置してなんての手順は先ほどと同じです。
底板外した時の注意
赤丸のワッシャーを失くさないようにして下さい。
接着されていることもあります。
トップカバーの分解
分解する際には、裏蓋を外してから始めて下さい。
蝶つがいのピンを下に押すと外れます。
巻き上げレバー
レリーズボタン横のカバーを剥がします。
接着してあるのでアルコールを垂らしてマイナスドライバーなどで端からめくります。
カバー下のネジを2本抜きます。
このネジはプラスチックの穴に刺さっているので、手荒に扱うと溝が削れてネジ穴がバカになります。
プラパーツを上に外します。
4つ穴のある金属部を先の尖っていないペンチで回します。
かなり固くしまってます。正ネジです。
ワッシャー→レバーと外します。
キャノン定番のCクリップを外します。
専門の工具があると楽です。
ちなみに、Cクリッププライヤーという道具ですが、かなりサイズの小さいものでないと使い物になりません。
シャッターモード切替用のレバーは、ボディとの組み合わせを確認しつつ取って下さい。
ワッシャーとゴムリングをはずします。
最後のゴムリング忘れがちですがちゃんと外して下さい。
巻き戻しクランク
フィルム室内の二股を固定しつつ、巻き戻しクランクを左へ回します。
結構しっかりとしまっています。
クランクを少し上に出して、レバーは折りたたんだまま回して下さい。
こちらはダメな例
レバーを伸ばして回すとクランクにヒビが入ったり変形してしまったりします。
なかなか緩んでくれないときは、アルコールを軸部分に注して回して下さい。
クランクの下にもCクリップがありますので外します。
カバーとワッシャーを外します。
ASA目盛のあるパーツは穴があいてますが、回したりせず上に抜きます。
戻す時は、楕円形の穴の部分をボディ側の突起に合わせます。
その下のプラパーツを外します。
戻す時は、先端部分裏の突起をボディ側金色の楕円の穴に合わせます。
トップカバーの分離
前面のエプロン(前カバー)を取るため、四方のネジを取ります。
そのあと、右の銀のボタンを押しながら上に引き上げます。
カバー下のネジ2本を外します。
後面2本、側面2本のネジを外します。
分解に必要なパーツはすべて外したので、トップカバーを上に引き抜きます。
コードが繋がっているので慎重に!
ファインダー清掃
左右のネジ2本を取り、アイピースを後ろに引き抜いて外します。
アイピース裏と、プリズムの後面を清掃して下さい。
スクリーン内はミラー室から清掃できるのでプリズム抜いての清掃をすることはないでしょう。
組戻し
カバーをかぶせる際に、前方のコードを嚙みやすいの注意して戻して下さい。
後ろ側からしか見てないと、挟み込んだまま閉めてしまいがちです。
AE不良の改善
AE不良が多いと先ほども書きましたが、これは対処できる不具合です。
症状軽ければ分解等しなくてもすぐ直りますし、重かったとしても改善しなかったことは今のところ記憶にないです。
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