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暗黒の高校2年生

エリアマネージャーに言われた通り、12時前にアルバイト先の倉庫前に行くと、サブ店長が居た。
「お前、マネージャーに言われてホントに来たんだな?」
また意地悪そうに言ってくる。
「だって、観たい映画があるんだもん。
 別に一緒じゃなくてもいいですよ。
 券だけくれれば、1人で観に行きますから。」

と、返事したらニヤッと笑って
「ドラ●もんでも観たいのか?」
「違います!
 アニメではあるけど、ライ●ン・キ●グが観たいんです!」

倉庫前で言い争っていると、店長が見かねて来てくれた。
「カバさぁ、稀琳ちゃんの観たい映画に行って来いよ。
 エリアマネージャーからの指令だろ!」

サブ店長は、バツが悪そうな表情で
「じゃあ、行くぞ!」と歩き始めた。
私も、急いでその後を追った。

この日は映画を観て、サブ店長の車でドライブに連れて行ってもらった。
やはり海空先生と比較していた。
サブ店長は太っていたし、あまり清潔そうに見えなかった。
それなのに・・・
他のバイトの子たちと一緒にカラオケに行ったり、遊びに行くようになったら好きになってしまっていた。
8月末には、カバの寮で抱かれた。
実は、避妊せずにSEXしてしまったのだ。
そこから時間が合えばSEXしていたので、結末は分かっていた。

9月、高校に申請せずにアルバイトをしていたことが発覚し、親子で呼び出された。
とりあえず反省文を提出し、アルバイトも辞めれば見逃すと言われた。
この時は既に高校なんて辞めてもいいと思い始めていたが、反省文と言う名の意見文を書いて提出した。
親は予備校に通わせて、ピアノのレッスン代も支払ってあげておけばよかったと思っていたらしい。
しかし私はカバと一緒に競馬やパチンコをして、楽しく過ごしていた。
高校も行かなくなっていたが、定期テストと修学旅行だけは参加した。

カバは10月から別店舗のサブ店長に異動になった。
その頃、私の生理が来ていないことに気が付き、妊娠検査薬を試した。
たった数秒で陽性反応が出た。
私は、親の呪縛から逃れられると大喜びし、カバは親になれると喜んだ。
カバの新しい寮の近くの産婦人科を受診し、妊娠8週に入ったところだった。
私は、やっと海空先生とカバを比較することを止めた。
カバと赤ちゃんと3人で頑張っていこうと決めたから。
そして着々と家出の準備を始めた。

11月初旬の夜中、必要なものだけを持って家出をした。
カバの寮に同居するつもりで。
しかし3日目の夜に親に見付かり、家に強制連行された。
そこで妊娠していることを親に告げたら、心臓のこともあるし、まだ高校生なんだから諦めるように諭された。
赤ちゃんには申し訳なかったが、その数日後に大出血したので産婦人科へ行くと流産していると言われた。
カバと抱き合って大泣きした。

これは1994年8月中旬頃から11月中旬頃のエピソード。
流産したことを知っているのは、自分の家族とカバの家族、今の夫のみ。
子どもたちには、君たちには他にお兄さんかお姉さんが居たんだよとは言えない。
これは私の中に留めておきたかったけど、懺悔のつもりで書きました。
不快に思う方がいらっしゃったら、本当に申し訳ありません。

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