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備忘録

あなたの好きなところ。

どんなときも、あきらめずに進む強さ。
大変な局面を何とか乗り切る、精神面のタフさ。
やるべきことがたとえどれだけ面倒でも、手を抜かず丁寧にやりきり、結果を出す実行力。

自分を良くわかっている、嫌味のない清潔感にあふれた服や小物のセンス。
くすんだ色のシャツやグレイヘアがあんな小綺麗に、違和感なく似合うって、やっぱりすごいよ。

目下への態度は厳しいようでいて、その根底には愛がある。
当事者たちには、なかなかわかりづらい表現だと思うけど。笑笑
一方、目上を立てるのがうまく、義理を欠かさない付き合い方がちゃんとできるから、とにかく上役から可愛がられる。
もちろん、仕事ができるのが大前提だけど。

低めのやわらかい声。
実はそこそこしっかりした二重だったことは、近づいてみて初めて知った。
なんていうか…きれいで吸いつくような肌。
柔らかくてあったかい唇と、その中に隠された甘く卑猥な舌。
抱き合うとき、私の体の下敷きになるにもかかわらず、背中に回してくれる両手。

何事も、勢いで突っ走らない。
かといって、考え過ぎて動けないわけでもない。
冷静に見極めて動ける、判断力。
組織のリーダーたる者が必ず持つべき能力を、ちゃんと使いこなしている。

期限は守る。
できない約束はしない。
本当に困っている人は放置しない。
無責任な慰めや、甘いだけの言葉はかけない。

常識的な側面の中に、チラチラ見え隠れする個性的な発想。
例えば、欲しいものがなくても、お店に入った以上は必ず何か買うとか。
LINEのスタンプは、たとえ好きなアニメのやつでも使わない、とか。

真面目に見えて、意外とテキトーな瞬間もある。
冷たく見えて、相手を想う気持ちは深かったり。
無駄だと思いながら、部下を守るために上司とケンカして、やっぱり無駄すぎて落ち込んだり…


だからこそ。

私のこと、本当はどう思ってるの?
そればかりを、会っていても逢えなくても、考えた。

考えたって、わからなかった。
私の浅い思考では、分析しきれなかった。
言葉にならないものを感じ取ることも、やろうと思えばできたはずなのに…怖かったんだ。

今となっては、どうにも確かめようがない。

だけど。
だけどね。

二人のときだけ、話し方がいつもより柔らかかった。
二人のときだけ、いつもより動き方がゆっくりだった。
二人のときだけ、年上のあなたが子どもっぽく見えた。

今となっては、記憶のかけらを拾っては見つめ直し、そこに確かなしるしがないか注意深く探すしかない。
明日になって、来月になって、年が明けたら、知らないうちに忘れてしまうこともあるかもしれないもの。

だから、こうして残しておかないと。

ねえ。
全部忘れてしまう前に、あなたに逢わせてください…

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