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目に見えないアンモニアが魚に有毒!?中毒を予防する3つの水質管理を解説

育てるを育てる。AQSimです。

魚を飼ってしばらくすると目立ってくる水槽の汚れ。

汚れがひどいと魚に悪影響が及び、放っておくと死んでしまう。

だから定期的に水槽を掃除したり、水を交換したりしないといけませんよね。

では、汚れはどうして魚に悪影響を及ぼすのでしょうか? 

実は、そこには目に見えない有害物質「アンモニア」が関わっています。

アンモニアはどこからくるのか、どうやって対策していけばいいのか。

とくに陸上養殖では、大規模な水槽を何度も入れ替える作業は手間もコストも軽視できません。できるだけ水を交換しなくていいやり方はないものでしょうか…。

本記事では、そんな目に見えない有害物質「アンモニア」の発生と抑制について紹介していきます。


今回紹介する方法

今回の記事では表の対策をご紹介していきます。
まずは、アンモニアがなぜ危険なのか?どこからくるのか?という部分から知っていきましょう。

アンモニアはなぜ危険?

アンモニアはどこからくる?

水の汚れと聞くと、餌の食べ残しや排泄物による水の濁りを思いつく人が多いでしょう。

しかし、実際には餌や排泄物によるもの以外にコケや臭い、微生物の代謝物などさまざまな原因によって汚れが発生しています。

汚れは目に見えて分かるものだけではありません。
目に見えないけれど毒性が強い汚れの代表がアンモニアなのです。

アンモニアの発生は、魚を育てるうえで避けられないという点が厄介です。

魚が餌を食べると、餌の中に含まれるタンパク質が分解されてアンモニアに変わります。そしてその多くがエラから排出され、水に混ざっていきます。

また、魚が餌を食べなかったとしても発生するのがアンモニア。
魚の餌や排泄物に含まれるタンパク質が水中の微生物によって分解されることでも発生してしまいます。

つまり、アンモニアは魚を飼育するなかで必ず排出されます。

そのため、養殖においてアンモニア濃度は切り離せないポイントなのです。

アンモニアが増えるとどうなる?

高濃度のアンモニアは、魚のエラを傷つけます。

エラは酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する重要な器官。
損傷を受けるとガス交換が効率的に行えなくなります。
つまり、魚が酸素不足に陥る危険性があるため、注意が必要です。

さらに、アンモニアが増えると藻類やその他の植物プランクトンの過剰な繁殖の原因になります。これにより引き起こされるのは水の汚染だけではありません。

夜間になると藻類や植物プランクトンが水中の酸素を消費してしまうのです。そのため、魚が使える酸素が減ってしまいます。

一般的に水中のアンモニア濃度が0.25mg/L以上になると危険であると言われています。


アンモニア濃度を下げる3つの方法

自然界では、微生物がアンモニアを亜硝酸から硝酸へと変換し、毒性を減らしてくれます。

だから魚に悪影響が出るほど濃度が高くなることはありません。

しかし、陸上養殖や水槽での飼育では、適切な管理を行わなければアンモニア濃度が高くなり、魚がアンモニア中毒を引き起こして死んでしまうのです。

では、どのように管理すればアンモニア濃度を低く保つことができるのでしょうか?

3つの管理方法をご紹介します。

1.水換え

1つめの方法は、水換え。
汚れた水を入れ換えてしまうというものです。

水換えを行えば、アンモニアだけでなく餌の残りや排泄物などのゴミも取り除けます。

ただし、大規模な陸上養殖施設では膨大なコストがかかることは言うまでもありません。また、水を循環させる養殖方式である閉鎖循環式を採用している場合、水換えは細菌混入のリスクも伴い、魚が病気を引き起こす原因になりかねません。

このような理由で、一般的に水換えは他の方法がとれない場合の最終手段として用いられます。

2. 微生物ろ過装置の導入

 2つめに紹介するのは微生物ろ過装置の導入。
自然界で行われているように微生物を利用すれば、アンモニアを抑えられます。

アンモニアは、硝化細菌という微生物によって亜硝酸に変換されまう。その後、別の硝化細菌によって亜硝酸は硝酸に変換されます。

そのため、アンモニア酸化細菌、亜硝酸酸化細菌といった硝化細菌を含んだ微生物ろ過装置を導入することによってアンモニアを弱毒化できると考えられています。
 
ここで忘れてはいけないのが、微生物ろ過装置に含まれる細菌は”生物”であるということ。
 
ろ過装置の中を、細菌が棲みつきやすい酸素濃度や温度、pHに保つ必要があるのです。それだけでなく、細菌が養殖環境で増殖し、働き始めるまでには数週間の日数を要することを意味します。
 
しかし、一度棲みついてしまえば長期にわたってアンモニアを分解できるため、コストを抑えられ、環境にも優しいのです。

ただし、硝化細菌を使った微生物ろ過剤は立ち上げの際に高いアンモニア濃度が必要です。また、立ち上げまでに長い時間がかかってしまいます。

そこで、硝化細菌以外の細菌を使用した製品開発が行われています。

3. 化学吸着フィルターの導入

3つめは、化学吸着フィルターの導入。
アンモニアを吸着することができるフィルターを用いて水中のアンモニア濃度を下げる方法です。

この化学吸着では、ゼオライトやベントナイトなどの吸着材を使用してアンモニアを除去します。
ゼオライトやベントナイトがアンモニアを除去できるのはイオン交換という方法で吸着しているから。
イオン交換では、有毒なアンモニアを、ナトリウムやカルシウムなどの無害なイオンに交換することができます。

フィルターの導入は即効性が高いことが強み。

微生物ろ過のように、生物が棲みつくまで待つ必要がありません。また、温度やpHなどの環境条件の影響を受けにくいというメリットがあります。

しかし一方で、フィルターは手入れや交換が必要。

つまり、長期的にはコストや手間がかかるというデメリットも存在します。


結局、どの方法が適切なのか

アンモニア除去方法を比較検討し、自分に合ったものを選択するのが理想です。

しかし、どの方法がよいか全く見当がつかない…という時もあると思います。そんな時は、chatGPTなどの生成AIに頼ってみるのもおすすめです。

こちらのプロトコルに入力するだけで簡単に診断してくれるので参考にしてみてください!

<アンモニア除去方法の提案>
養殖施設の規模とタイプ
- 魚の種類: ニジマス
- 魚の数: 1000匹
- 飼育タンクのサイズ:5000リットル

現在の水質パラメータ
- アンモニア濃度: 2ppm
- pH: 7.5
- 水温: 20℃

目標水質パラメータ
- 目標アンモニア濃度:0.5ppm以下
- 目標pH:7.0-7.5
- 目標水温: 18-22℃

利用可能なリソース
- 予算:50万円
- 利用可能な設備:基本的なフィルターシステム、給水設備
- 利用可能な人員: 2人

効果の即効性:
- 迅速なアンモニア除去が必要か: (はい・いいえ)

持続性:
- 長期的なアンモニア管理が必要か: (はい・いいえ)

コスト:
- 初期コストとランニングコストの考慮: 初期コストを抑えたい

管理の容易さ:
- 操作の簡便さやメンテナンスの手間: 重要

まとめ

目に見えないから見落としがちなアンモニア。
 
しかし、魚を飼育する中でアンモニアは必ず発生するものでした。水中のアンモニア濃度が高くなると、魚はアンモニア中毒を起こして死んでしまいます。
 
厄介なアンモニア。
 
大切な魚を死なせないように、
濃度を下げる方法を理解しておくことは重要ですね。
 
最後に、本記事で紹介した3つの方法をもう一度おさらい。

それぞれにメリットとデメリットがあり、一概にどれを採用するべきだとは言えません。陸上養殖に用いる魚種や施設、温度などの環境条件によって最も適合する方法を選択する必要があります。

今回紹介した方法以外にも、アンモニア濃度を下げる方法があるかもしれません。よければ本記事のコメント欄で教えてください!

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